救命病棟24時

企画 - 和田行、中島久美子
プロデュース - 小椋久雄、高丸雅隆、三竿玲子
脚本 - 二木洋樹(1)、一色伸幸(2)
演出 - 河毛俊作、佐藤祐市、水田成英、大木綾子

http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html


第2話 救えない患者はどこへ

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10名の救急救命医が一度に辞めた海南医大。
医師をかき集めた結果、耳鼻科医と眼科医が参加する始末。
そして新たに加わることになる小島楓は10歳の子を死なせて
訴訟を起こされていた。

道路工事現場で事故があり、6名の受け入れ要請が入る。
進藤は全員の受け入れを許可するが、澤井は3名だけ受け入れ
ると告げる。オーバーキャパは医療事故や総称の原因になると
いう。

一方楓は法廷に立つ。
脳外科が一杯なのに受け入れた事を問われ、もしも受け入れが
可能で専門医が診ていたら患者は助かったのかを問われる。
僅かでも助かる可能性は有った事を告げる。
一連の法廷でのやりとりを澤井が見ていた。澤井は閉廷した後
楓に話しかけ、訴訟されている事は問題ではなく腕が有れば
十分で有ることを告げ、すぐにでも病院に来て欲しい事を告げ
る。
澤井は原告である畑田智行にも接触し自分の病院に連れて行く。
澤井は医療スタッフに畑田を紹介し、今度勤めることになる
医師の楓と訴訟中である事を告げる。
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何でも完璧にこなしているかに思えた進藤だが、彼にも失敗は
有り、そして病気に対する恐怖心も備わっている。
ターミネーターの様だと揶揄した鴨居千夏が彼を身近に感じた
というセリフが今回のドラマを象徴するもので、進藤を感情の
有る一人の人間としての一面を見せる様な展開だった。

楓の訴訟の件と進藤が謎の薬を飲んでいる件が一度に解決を
見せた。有る意味これで本格的にシーズン4に突入できると思う。

救急医療現場の本音がぶつかる展開で、色々と現実の問題点が
セリフの中に刷り込まれておりテーマに繋がっている点は
とても上手い展開の仕方。

救急医師に対して不服を持ち訴訟に持ち込むような輩には、
医療現場を見せれば一発だと言わんばかりの展開が用意された。
世間が医師を神聖化している部分とその絶対的な存在が患者を
死なせてしまう事へのギャップが有る意味患者遺族にとっては
不服に映るのかも知れない。

展開として上手いのは原告・畑田の気持ちを180度転換させた
ものだけど、医療現場の映像を別の角度から見せていたと分かる
楓との会話のシーンはとても上手い見せ方だった。

あれだけ不信感を抱いていた医師に対して、仲介人が事態を
説明するだけで、今度は素晴らしい先生に巡り会えたとして
しまうのだから不思議だよね。
それだけ医師と患者の間でコミュニケーションが不足している
のだろうか?

傷ついたものが居る限り全ての人を助けたいと思う進藤に対して
時代性を反映し自らの病院の処理能力を見越して制限付きで
受け入れようとする澤井。澤井の楓の取り込み方も上手く、
彼が一瞬で遺族を説得してしまったように、楓にも説得力を
持って説き伏せた感じもする。それが進藤にも伝わるのか。

医療現場の難しさを感じる幾つかの展開も用意された。
患者に対して投げかける言葉の一つが揚げ足取りの題材になって
しまう現実。患者にとって希望を持たせるものでもそれがダメ
だと分かったときに怒りの矛先は医師に向かってしまうという
もの。

最後に出てきた丹原の登場の仕方も格好良く、ドラマとしては
見応え十分の内容だった。

進藤一生 …… 江口洋介
小島楓 …… 松嶋菜々子
山城紗江子(放射線科看護師) …… 木村多江
鴨居千夏(看護師) …… 北乃きい
花輪勝司(麻酔医) …… 板尾創路
横溝静香(看護師) …… 市川実和子
工藤亮介(研修医) …… 石田卓也
坂口理恵(看護師) …… 西原亜希
佐伯透(看護師) …… 西山聡
丹原博嗣(眼科医) …… 趙[王民]和
野口昭光(耳鼻科医) …… 矢柴俊博
堀田明子(看護師長) …… 山野海
浦賀昌義(院長) …… 山田明郷
守谷隆文(救命救急センター長) …… 小野武彦
澤井悦司(医局長) …… ユースケ・サンタマリア

畑田智行 …… 勝部演之
畑田孝実 …… 水谷理砂

桜井聖、横江康宣、夏秋佳代子、稲垣絞、岡明子、福田敦子
宇田聖正、白石タダシ、山崎進哉、国枝量平
諏訪雅、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、及川
ナオキ、夏山剛一

スタッフblog
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評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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