救命病棟24時

企画 - 和田行、中島久美子
プロデュース - 小椋久雄、高丸雅隆、三竿玲子
脚本 - 二木洋樹(1)、一色伸幸(2)、高山直也(3)、林誠人(4)
演出 - 河毛俊作、佐藤祐市、水田成英、大木綾子

http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html


第4話 全力で救うことの意味

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50歳男性が7階から飛び降り自殺をする。
既に心肺停止している事から工藤は無理だと決めつけるが、
進藤は緊急輸血のために0型の血液を千夏に用意させる。
開腹して工藤に直接心臓マッサージを命じるが、一向に心拍が
戻る気配はない。更なる処置を続けようとする進藤のやり方に
ついて行けない工藤は、時間を無駄に使いたくないとして
治療室から出て行ってしまう。
結局患者は助からなかった。進藤はその患者のカルテを工藤に
手渡し目を通しておけと告げる。
工藤は自殺した患者を無理して治療することなく、治る可能性
の有る患者を助けた方がより建設的だという。進藤のやる行為
は自己満足させるためのものだとして非難する。
工藤は澤井の元へ歩み寄り、指導医を変えて欲しいと告げる。
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研修医の工藤亮介は明らかに蘇生の難しい患者に対して、
無駄な努力と時間を掛けたく無いとして治療の継続を断り、
患者に対して、あくまで感情を抜きにした淡泊な関わり合いを
求めていく。
果たして進藤の求める最後まで全力を尽くす意味、目の前の命
に執着せよという言葉が伝わるのか。

失敗から学ぶ教訓と言うことで、綺麗にまとまった話では
有るが、その失敗が取り返しの付かない状態になる前に気がつ
いて良かったという話でもある。

時代性を反映しているのか、進藤って研修医の気持ちなど知る
由も無く、学ぶつもりはない奴はこの場から立ち去れという
キャラクターだったのに、今回は随分工藤を気にしていた感じ。
逆に工藤のふてぶてしさを見ると、こんな奴に医者になって
欲しくないという感じしかしない。

まだ研修医と言うことで色んな事を吸収する時期。
特に患者に対する対応の仕方には、色んな意見があると思う。
いちいち患者の気持ちに配慮したり、感情移入したりすれば
死という現実に必要以上に心に傷を背負い、更なる治療に
影響を与えるかも知れない。
今回の認知症患者への対応の仕方についても、完全に悪いとは
言えないところが有るのではないかと思う。
逆に千夏が実家までクレヨンを届けに行くことが正しい事なの
かどうかも考えさせられるものが有る。

さてドラマとしては工藤は失敗する事で進藤の話に耳を貸す
事になるわけだが、その失敗とは工藤が医師としての初心を
忘れて手順を誤ったものだった。体を診れば一発で分かるよう
なアナフィラキシーを見落としたこと。
適切な処置だと褒められたばかりでいい気になったのだろうか。

ドラマとしては一度のミスであれだけ高慢な態度を見せていた
男が進藤にすり寄ってくる辺りは正直ドラマっぽい演出だなと
思わされる。出来ればもう少し進藤の語る言葉を否定した
結果がこういう事態を招いたというくらいの展開が欲しかった。

認知症の患者が孫の死の記憶と現実との間でループしている
状況を上手く断ち切ったという点では面白い処理の仕方。

そしてピーマンの件は堅いイメージのある進藤というキャラク
ターを面白く砕けさせた感じだね。あんまりやりすぎるのも
イメージが壊れるので辞めて欲しいけどね。

進藤一生 …… 江口洋介
小島楓 …… 松嶋菜々子
山城紗江子(放射線科看護師) …… 木村多江
鴨居千夏(看護師) …… 北乃きい
花輪勝司(麻酔医) …… 板尾創路
横溝静香(看護師) …… 市川実和子
工藤亮介(研修医) …… 石田卓也
坂口理恵(看護師) …… 西原亜希
佐伯透(看護師) …… 西山聡
丹原博嗣(眼科医) …… 趙[王民]和
野口昭光(耳鼻科医) …… 矢柴俊博
堀田明子(看護師長) …… 山野海
浦賀昌義(院長) …… 山田明郷
守谷隆文(救命救急センター長) …… 小野武彦
澤井悦司(医局長) …… ユースケ・サンタマリア

宇野喜久代 …… 佐々木すみ江 (認知症、骨折で入院)
宇野久美子 …… 山口香緒里 (娘)
鈴木淳子 …… 波多雅子 (母)
鈴木博明 …… 澁谷武尊 (アレルギー発作)

桜井聖、甲斐誠、石村みか、桐生りの、重村真智子、梅田希

スタッフblog
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