救命病棟24時

企画 - 和田行、中島久美子
プロデュース - 小椋久雄、高丸雅隆、三竿玲子
脚本 - 二木洋樹(1)(6)、一色伸幸(2)(7)、高山直也(3)、林誠人(4)
小川真(5)
演出 - 河毛俊作、佐藤祐市、水田成英、大木綾子

http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html


第7話 遂に感動の最終章!!
緊急出動したドクターカーに最大の危機が訪れる!?
仲間の死?そして進藤と楓の選択!?
崩壊した救命センターに未来は訪れるのか!?

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崩壊しつつ有った海南医大病院は機能を取り戻しつつ有った。
澤井は議員・岡部と一緒にテレビ番組に出演し、救命医療の
現状を訴える。24時間待機している事もあり赤字は免れず、
慢性的な人手不足である事を告げ、患者を救う前にスタッフを
救う必要があると告げる。その為には医療費5倍にしたイギリ
スの救命救急の改革を例に挙げて、日本でも医療費を増やすべ
きだと訴える。

澤井は楓に自分はこの病院から離れることを告げ、変わりに
楓に医局長をやって欲しいという。進藤はこの病院を辞めて
貰うと告げた澤井の真意が気になり確かめると、進藤のような
天才はチームワークに相容れず、逆に混乱をもたらす存在で
有ることを告げる。楓には荷が重いとして断る事になる。

そんな中、最近工藤が睡眠導入剤を服用しているところを澤井
は目にしており、少し休ませた方が良いと告げる。彼は進藤の
事を心酔しており、それが大事に至らねば良い事を語る。
案の定工藤は運ばれてきた患者の一人のレントゲンを見て、
何か飲み込んだと勘違いする。実際には腰にカイロが貼られて
いただけのこと。開腹手術を行っていたら大変だったと胸を
なで下ろす。

楓は工藤を呼び出し、二人で飲み語らう。
お互い進藤という指導医に振り回されている"被害者の会"だと
いう。進藤を目標にする事は大変なプレッシャーであり、誰も
進藤医師のようにはなれない事を告げる。逆に自分にしか出来
ない事が有り、自分のやり方を見つけろとアドバイスする。

そんな中、下水道整備の現場で事故が起こる。
現場ではドクターカーの出動要請を求めてくる。
澤井はドクターカーを使う専門の医師が来るまでは使用禁止だ
と告げるが、進藤はそんなものを悠長に待っていられないと
して手の空いている小島と工藤を対応に当たらせる。
小島は現地で先に患者を手当てし、救急車に乗って病院に戻る
中で残された工藤は、廣田孝太郎の手当をするが、怪我の容体
は酷く、進藤に電話で対応を求めるもついには亡くなってしま
う。
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いよいよ最終回スペシャル。

前回からの繋ぎで、澤井が進藤に"救命から出て行ってもらう"
と告げる辺りの真意が気になっていたので、前半の内に
その意味が分かってスッキリした。

今回研修医の工藤がやり玉に挙がってしまうが、つい先日まで
やる気の無さげな男の工藤がここまで変わってしまうというのは
少々不自然な使い方だった。この辺ドラマが短縮した煽りを喰ら
っているんだろうな。

工藤は若さ故に限界点を知らずに突っ走っているのか。
今まで苦労を知らずに来て、初めて自分からやりたいと思った
事を語る。まさに生き甲斐を見つけた形で、本来もっと活き活き
と働いているハズが、睡眠導入剤を服用している現実が有る。
進藤という偉大な男がもたらす影響力が有るのだろうか。

前半は澤井が語る"救命を崩壊させる3つの要因"をそのまま
描いたような話であり、その解決のためにはどうすれば良いのか
とてもシンプルな訴え方だった。

工藤がここまで落ち込んだのは、身も心も不安定な状況の時に
起こったものであり、救命の環境を早急に整えるべきだとする
訴えにも納得するものがある。

そして今回は進藤自身にも自分のやり方が正しかったのか
を考えさせる話でもあり、ベテランである自分と同じように過剰
な環境に置いてしまった研修医に対する扱い方、指導法が正しか
ったのが描かれる。
澤井と進藤、互いに譲歩していくためには進藤自身にもこうした
考えるきっかけを与えることが必要で、面白い葛藤の形になった
のではなかろうか。

悲しいことに患者は亡くなり、それを看取っていた医師も大けが
を負う末路。
それらを見守っている家族や遺族が怒りの矛先を求めて当たり
散らす辺りはとてもリアルだったと思う。
遺族が医療ミスの様な後ろめたさが有ったからこそ線香を
あげに来たのだろうとする辺りはなかなか鋭い指摘だったと思う。
しかしこの時、きっぱりと医療ミスは無いとして対処する楓の
中に医局長としての器が存在する事が描かれたのでは無かろうか。

残念ながら政治家との絡みは中途半端だったし、世間に対する
啓蒙活動とまで展開は進まなかったが、最後は強引に差し込んだ
様な事故現場で二人が互いに立場を確認しやるべき事を語り合う
ところは綺麗にまとまったのでは無かろうか。

進藤一生 …… 江口洋介 (救命救急医)
小島楓 …… 松嶋菜々子 (救命救急医)
山城紗江子 …… 木村多江 (放射線科看護師)
鴨居千夏 …… 北乃きい (看護師)
花輪勝司 …… 板尾創路 (麻酔医)
横溝静香 …… 市川実和子 (看護師)
工藤亮介 …… 石田卓也 (研修医)
坂口理恵 …… 西原亜希 (看護師)
佐伯透 …… 西山聡 (看護師)
丹原博嗣 …… 趙[王民]和 (眼科医)
野口昭光 …… 矢柴俊博 (耳鼻科医)
堀田明子 …… 山野海 (看護師長)
浦賀昌義 …… 山田明郷 (院長)
守谷隆文 …… 小野武彦 (救命救急センター長)
澤井悦司 …… ユースケ・サンタマリア (医局長)

岡部宗一郎 …… 佐戸井けん太 (民政党議員)
古本 …… 石井愃一 (秘書)
工藤亮一 …… 國村隼 (父、形成美容医)
工藤都 …… 佐藤直子 (母)
廣田健太 …… 阿部亮平 (息子)
猪狩美由紀 …… 歌川椎子 (迷惑な患者)
廣田孝太郎 …… 井之上隆志 (死亡する患者)

木村圭作、猪瀬孔明、吉見純麿、中村直太郎、福寿奈央
松尾紀子(アナ)、田中洋之助、中野順一朗、桜井聖、
横江泰宣、若山慎、Velo武田、大塚和彦、廣瀬裕一郎
夏秋佳代子、稲垣綾、福田敦子、岡明子、堤匡孝、青木一
横塚真之介、仲村辰朗、五刀剛、目次菜伸子、上山奈緒美
安岡直、荒川真、丸山銀也

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