リミット -刑事の現場2-

作者/遊川和彦
製作/磯智明
演出/渡辺一貴

http://www.nhk.or.jp/nagoya/keiji2/index.html


第2話 偽善者・ホームレス焼死事件に隠された社会の闇

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満月の夜・・・火あぶりの刑・・・汚い物が消えて無くなる。

名古屋中央署では、最近麻薬の検挙率が落ちている事もあり、
他の部署に負けないよう強行班も麻薬検挙率を上げるために
駆り出される。

啓吾は先日梅木が告げた"人を殺すために刑事をやっている"と
言った言葉が気になっていた。
そんな啓吾は東野に呼び出されて、先日捜査の過程で被害者
遺族と加害者を引き合わせた捜査法に対して警告を受ける。
そして暫く二人には重要な仕事からは外れて貰うと告げられる。
梅木が問題行動をしそうになったら連絡しろという。

そんな中、管轄内でホームレスが焼死する事件が起こる。
被害者の身元は損傷が激しく指紋からは検出できない。麻薬の
捜査から外れた啓吾と梅木がこの事件を担当することになる。
二人は近所の住民に不審者情報が無いか尋ね、近所の高校には
イジメの被害者加害者が居ないか尋ね、会社を回っては最近
リストラされた人が聞いて回る。しかし戻ってくる返事は皆
知らない、関係ないというものばかりで目撃証言は一切無い。

捜査を終えて戻る啓吾に対して梅木は、ホームレスなどどう
でも良いと思って捜査しているのか?と言われる。ホームレス
に一切聞き込みしない捜査法に疑問を投げかけられ、お前も
太宰満たちと同じだと言われる。
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町内会長に森本レオが設定されていた時点で、なんとなく犯人
の目星がつくような事件だった。

事件としては放火事件で現場からは何も見つからない事も
有り難儀を極めるかと思ったが、梅木が何処からか持ってきた
防犯カメラの映像から二人の若者を割り出し、その人物が
現場を撮った映像を持っていたために、その中に写っていた
人物・田宮睦男にたどり着く。

物証が無いために立証するのは難しい案件だが、梅木の強引
なやり方によって自白を促したこと。更に今回のMVPは
ネット関係の処理を一挙に手がけたキャリアの伊坂聡だろう。

実行犯の田宮睦男に対して依頼した人物が居る。

掲示板に書き込みされる内容はネットでありがちな内容だが、
何と言ってもサプライズは、書き込みしていた人物はみな
犯人の周りにいる近所の住民だったという事実だ。

ドラマとして面白く描かれていたのは、町内会長が公園に
拘る理由がきっちり存在していたこと。公園に対する強い思い
が逆に正当性や手段を見失い、手っ取り早い処理方法によって
解決に導いてしまう。

警察側からでは立件が難しい事例だったが、心に訴えかける
梅木のセリフはどれも響き渡る物だった。

梅木が語る刑事の仕事の意味は人を憎む事だという。
罪を憎んで人を憎まずとはよく言われることだが、そこまで
人を憎む理由は、やはり過去に起因しているのだろうね。

それと加藤が太宰らに、事件一つ一つにどうでも良い面倒なもの
など無いと啖呵切ったところは、梅木に通じるモノが有る感じ
で良かったね。
東野恵一がかつて梅木の部下だった事。そしてそれに割って入る
加藤の存在が面白い三角形として存在していて興味深い。

加藤啓吾 …… 森山未來 (28歳・名古屋中央署に異動)
梅木拳 …… 武田鉄矢 (59歳・中央署でも浮いている一匹狼的存在)
東野恵一 …… 杉本哲太 (44歳・刑事課長。警視)
太宰満 …… 伊武雅刀 (55歳・課長代理。警部。)
筒井薫 …… 若村麻由美 (44歳・庶務係。警部補。)
伊坂聡 …… 細田よしひこ (24歳・警部補。啓吾の後輩)
青井茉莉亜 …… 加藤あい (29歳・啓吾の婚約者。)

黒川真治 …… ???

町内会長 …… 森本レオ
田宮睦男 …… 榊英雄
飯降俊一郎 …… 黒田啓之

山野史人、増子倭文江、宮本奈津美、鬼頭卓見、鈴木恵理
久川徳明、おぐりまさこ、偉藤厚次、前原実、加藤照男
浅野順平、伊藤玄紀、深山義夫、高原靖典、伊藤徳彦
野中隆光、足立大樹、外山文孝、松井真人、杉浦光季
城所愛子、ひろの真弥、野呂朋大、澤村一間

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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