リミット -刑事の現場2-

作者/遊川和彦
製作/磯智明
演出/渡辺一貴

http://www.nhk.or.jp/nagoya/keiji2/index.html


第5話 最後の審判

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梅木と同じ気持ちを味わせたくて・・
それだけの理由で犯人の黒川真治は茉莉亜を拉致した。
銃口を向け今にも黒川に発砲しそうになる啓吾だが、彼が死ん
だら茉莉亜と逢えなくなると言われ発砲することは出来なかっ
た。黒川は茉莉亜の彼をひき殺した奴を探してくれと告げ、
タイムリミットは明朝8時だと告げる。
茉莉亜がどう憎しみをぶつけるのか楽しみだとして彼は立ち去
る。

本庁の刑事は黒川の要求など飲めないという。それでは茉莉亜
を見殺しにするのかと問いつめる啓吾。
拷問しても吐くような奴では無いこと。犯人を確保するのが
大事なのか、それとも被害者の命が大事なのかを梅木は啓吾に
語る。そして犯人は彼女を操り自分の物にするのが目的なので
安易に殺すことはない事を言い聞かせる。
東野はそこで自分が大石に扮して犯人に接触する事を提案する。
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なんとなくドラマは怒鳴り合うようなシーンばかりで構成され
ていたがそれも心の叫びといった所か。

黒川を目の前にしながらも捕まえられなかった。
そのニアミスが元で茉莉亜を失うことにでもなれば、まさに
かつての梅木と婚約者の二の舞になってしまう。

ドラマとしては犯人・黒川は何故茉莉亜を彼氏をひき殺した
犯人に引き合わせようとしていたのかがポイントだった。
ドラマでは自分と同類の人間にして彼女の事を操りたがって
いるような事を梅木が口にするが、犯人の心境やら深層心理を
推察すると色々と深いものが有りそうな感じ。

他人が泣き叫ぶ姿を見て安心したいのか、それとも自分だけが
モンスターでは無いことを証明したかったのか。

憎しみからは憎しみしか生まれない事、憎しみは愛さえも凌駕
してしまう存在故に、愛を信じる人たちからそれを奪おうと
する犯人の捻くれた心情が伺える。

黒川を殺すことでこれまでの憎しみの人生から解放されると
思っている梅木。もう自分には生きる気力がないとする彼に
生きる為の力をあの一瞬の展開の中で見出した辺りはとても
よく出来ていたと思う。
憎しみが戦うための原動力ではなく、愛することが戦うための
力となる事。これまで綺麗事のように呟いてきた啓吾の心情
に上手く箔を付けた様な形になった。

黒川たちの居場所が分からず、手詰まりのような状況の中、
またしても黒川が梅木の恋人を殺害した場所に拘っており、
その場所を言い当ててしまう辺りはちょっと出来過ぎな感じも
した。しかも当時梅木の恋人が残したセリフを一言一句書き
留めている辺りなど、一体どうやって記憶していたんだろうか。

加藤啓吾 …… 森山未來 (28歳・名古屋中央署に異動)
梅木拳 …… 武田鉄矢 (59歳・中央署でも浮いている一匹狼的存在)
東野恵一 …… 杉本哲太 (44歳・刑事課長。警視)
太宰満 …… 伊武雅刀 (55歳・課長代理。警部。)
筒井薫 …… 若村麻由美 (44歳・庶務係。警部補。)
伊坂聡 …… 細田よしひこ (24歳・警部補。啓吾の後輩)
青井茉莉亜 …… 加藤あい (29歳・啓吾の婚約者。)

黒川真治 …… ARATA
本庁の刑事 …… 堀部圭亮
大石 …… モロ師岡

河原崎健三、、深山義夫、高原靖典、内藤浩次、渡仲裕蔵、
とみぃ

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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