名探偵の掟

脚本/大石哲也(1)(2)(4)(6)(8)(10)、山岡真介(3)(5)(7)
鎌田智恵 (9)
演出/宮下健作 他
プロデューサー/関拓也、高野渉

http://www.tv-asahi.co.jp/meitantei/


第10話 最後の選択

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死亡フラグを刺されて占い師が死亡。元刑事でレースクイーン
の女性がフラグを刺されて死亡する。
現場で捜査しているときに、大河原には復縁の話が飛び込み、
森山瑞希には異動の話が舞い込む。
人生の転機が訪れている事・・・それはまさしく最終回だとい
う。茉奈にそれが訪れないのは彼女の未来に誰も興味がない
からではないかという大五郎。
更に警視庁で九重美路菜が殺害されたことで、大五郎は殺され
た三人の接点に気がつく。茉奈がいつもの調子で大五郎の事を
ぞんざいに扱った為にむくれた大五郎だが、殺された三人は
皆素人探偵の様なことをしていたという。
探偵である天下一大五郎も犯人から狙われるには、まさに条件
が当てはまっていたのだった。
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最初は激しくつまらないドラマだったが、終盤に来てもの凄く
化けたドラマだった。最終回も最終回という設定を激しく
皮肉り、このドラマが一話から唱えていたそれぞれのキャラク
ターの役割・掟を逆手にとって、面白いネタへと繋げたという
印象だった。

何と言っても笑えたのは、死亡フラグネタだった。
ネタとしては一番皮肉りやすいものでもあるので、ドラマと
しては扱いやすかったのかも知れない。
天下一に近づく茉奈自身が敵のような扱いにされ、優しくさ
れる事を否定しなければならない辛さが存在していた。

最終回の思い出だとして強引に茉奈のキャラクターを弄くり、
猫なで声をさせたり、撃たれたハズの天下一が警察手帳の
お陰で助かるところなど、お約束だがニンマリさせられる所。

挑戦状から大河原番三の指紋が検出されてしまう辺りは、
かなり強引だったが、まさかそこから"プリズン・ブレイク"
ネタに繋げるとは誰も想像できまい。前回がCSIだったけど
大河原番三の腹に描かれた地図のチープさに笑えたし、
金田をそつなく登場させる点などツボにはまる出来。

ドラマの終盤は、結構ネタ的にも深いところを突いていて、
推理ドラマの形式的なものを皮肉っている。

フィクションが現実について行けていない程複雑化、猟奇化
している事や、探偵は不要の存在だという読者の声に対して、
面白い答えを用意していく。
意外性を求め、主人公が亡くなる所にそれを求めている視聴者
に対してそれを挑戦状としている辺りのセンスの良さ。
私を捕まえて平凡なオチにするのかという犯人の問いかけが
また役割や掟という枠に縛られ、難しい選択を強いられる。

番三が役割だとして最後に身を挺して主人公を守る姿に
ちょっぴり感動もあり、そこからぶっ飛んで宇宙ステーション
ネタへと突入するバカバカしさ。

今回五人の素人探偵が登場するが、日本の典型的な探偵像を
皮肉っているのであろう。どういう行動を取ると死亡フラグが
立ってしまうのかという事を説明するために出てきたような
キャラクターだと思うが、映画「スクリーム」の日本版的
センスの光る内容だった。

天下一大五郎 …… 松田翔太 (23歳・名探偵)
藤井茉奈 …… 香椎由宇 (23歳・捜査一課の新人)
大河原番三 …… 木村祐一 (45歳・捜査一課の警部)

森山瑞希 …… ちすん (25歳・捜査一課・女性警察官)
植松慶太 …… 入江甚儀 (17歳・カフェ店員)

四条博之 …… 夏八木勲 (推理小説評論家探偵)
七瀬登志子 …… 三浦理恵子 (芸者探偵)
三木ひろみ …… 雛形あきこ (なんちゃって女子高生探偵)
五島大介 …… RIKIYA (旅行ライター探偵)
二宮欽次 …… みっちー (物理学者探偵)

夏川加奈子、佐伯新、高橋修、真、里見茜、海山真央
長野真歩、ナターシャ、森田阿子

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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