任侠ヘルパー

脚本 - 古家和尚
企画 - 後藤博幸
プロデュース - 牧野正

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第11話 最終回15分拡大SP…最後の手段

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彦一らがヤクザで有ることがバレた上に火災騒ぎを起こした
「タイヨウ」は閉鎖することが決まる。
この機会に鷹山に幹部の座の件を尋ねる。しかしタイヨウの
火が消えるまでは分からないとして、理解を求める。

晶と涼太はタイヨウから出て行くことになる。
りこにお礼を告げる晶。彦一に一緒に写真を撮ろうとして携帯
を向ける。彦一は別れ際に頑張れよと声を掛けるのが精一杯だ
った。それを見ていたりこは何も言わなかった彦一に決断を
彼女に任せたことを非難し、彦一自身はどうしたのかったのか
尋ねる。

そんな中、表には老人を沢山連れた鎌田という男性がやってく
る。施設が閉鎖し、行き場を失いたらい回しにされた老人たち
だという。受け入れたとしてもその場凌ぎになるだけだとする
が、取りあえず出来るだけ世話をすることにする。
しかし翌日には鎌田は逃亡してしまう。役場に連絡を取ると
老人たちの行き先は決めてくれるというのだが、それまでは
預かって欲しいと言われる。彦一は晴菜と共に鎌田が経営して
いた施設に向かう。するとそこは施設と言うには何もない
ただ部屋に老人を押し込めたような場所だった。
最低料金で最低のサービスを行う所が有るのは否定できず、
それが現在の介護施設の現状だと知る。
そんな中、そこに弁護士を名乗る詐欺師から電話が鳴る。
彦一は激怒するが、自分たちがこれまでにしてきたことも
老人達を食いものにすることだとして複雑な心境に陥る。
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ドラマの最終話に投げかけた問題は介護難民のことだった。
救命医療でも取り上げられるたらい回しの現実は、老人ホーム
の中でも起こっていたという衝撃の現実を映し出す。

一定のルールを作らなければならないとする藤堂慶太郎の苦悩
が垣間見られる話だが、介護という名目ならば全てが許される
という風潮が出てきてしまうと今回見せられる以上の酷い待遇
の施設が乱立してしまうのだろうね。

しかし相変わらず何故ヤクザが施設を任せたのかは全く分から
なかった。
鷹山源助は任侠道というものを幹部の人間に伝えたかったの
だろうか?いつも鷹山の居る部屋にはこの文字が掲げられて
いたものね。
ただこんな研修を経て自分たちの非道な行いに対して、悔い改める
よう示唆するのも変な話だし、その辺のニュアンスが微妙に
伝わらなかった。

彦一の関わった人間には最後まで面倒を見るという心意気
はとても感服させられるのであるのだが、彦一一人に何が出来る
のかという部分に於いては言葉だけが先走り、全く現実身がない。
これらの老人を役場の人が連れていっても介護難民になるだけ
だとして対立するわけだが、この場にいても先細りし自滅していく
のは明らか。しかし市民達に現在の行政の立ちゆかない現実を
上手く市民に訴えかける役目としては一定の成果が得られたと思う。
ヤクザがマジメに取り組むことでインパクトは有るけど、それを
何故組長がアピールしようとしていたのかという部分は理由とし
ては弱かった。

彦一らがヤクザだと色眼鏡で見られている現状に対して老人達を
使って評価を覆すような演出が有っても良かったのでは無いかと
思う。乱闘する彦一らに何故老人たちは声援を送るのか。
それらを今一度、マスコミやカメラは真意を問いただすべく鋭く
切れ込むくらいのシーンはみせて欲しかった。

そして最後の乱闘シーン。
ホンマもののヤクザという設定上、手を抜けない演出である事
は言うまでもなく、やられ役のスタントマンも主人公らの
暴れっぷりも見事に描かれたと思う。日本のドラマの乱闘シーン
って高校生の演劇くらいにしか見えないドラマが結構多いから
そういう意味ではよくやったと思う。

何だかかんだ言って、素材的には奇抜で如何にも視聴率が取れな
そうな内容でも、これだけ視聴率が取れたのは立派だと思う。
思った以上に視聴者も老人介護に関心があるのかと思わせるね。

翼彦一 …… 草なぎ剛 (隼会・翼興業組長)
四方木りこ …… 黒木メイサ (四方木連合組長)
和泉零次 …… 山本裕典 (介護福祉士)
鷹山三樹矢 …… 薮宏太 (鷹山組構成員)
黒沢五郎 …… 五十嵐隼士 (伍社組構成員)
美空晴菜 …… 仲里依紗 (ヘルパー)
六車雅人 …… 夕輝壽太 (六車組組長)

羽鳥涼太 …… 加藤清史郎 (晶の息子。虐められてる)
日野弥生 …… 中別府葵 (「ハートフルバード」第一秘書)
堀井皐月 …… 安田美沙子 (「ハートフルバード」第二秘書)
松原浩美 …… 橘ユキコ (ヘルパー1級資格)
大島陽介 …… 山田親太朗 (ヘルパー)
古賀健介 …… 高木万平 (ヘルパーのアルバイト、双子の兄。)
古賀康介 …… 高木心平 (ヘルパーのアルバイト、双子の弟。)
戸川由香 …… 甲斐まり恵 (ヘルパー)
野村愛香 …… 三浦まゆ (ヘルパー)
七海和樹 …… 向井理 (隼会・翼興業構成員)
鷹山源助 …… 松平健 (隼会若頭・鷹山組組長)
二本橋賢吾 …… 宇梶剛士 (二本橋興業組長)
園崎康弘 …… 大杉漣 (老人介護施設「タイヨウ」オーナー)
羽鳥晶 …… 夏川結衣 (「ハートフルバード」社長)

藤堂慶太郎 …… 陣内孝則 (厚生労働省老健局総務課・課長)
小泉 …… 菊池均也 (千葉県庁保健指導課の職員)
鎌田公造 …… 渡辺哲 (介護センター)
久米武雄 …… 田中哲司 (四方木連合・若頭)
藤堂千里 …… 岩橋道子 (慶太郎の妻)

新井量大、河原田ヤスケ、橘家二三蔵、中山克己、原田文明
古川慎、山浦栄、小貫加恵
恩田恵美子、仲野元子、藤井京子、星野晶子、安田洋子
小野敦子、向江たかこ

小林且弥、中丸新将、渡辺憲台、児玉頼信、青木一、指出瑞貴
山崎直樹、中村龍介、北大輔、松田章、安藤善之、彩文暎子
長谷妙子、羽村純子、田口寛子、梅田絵里子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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