Q.E.D.証明終了

原作者/加藤元浩
脚本/藤本有紀、相原かこね
演出/伊勢田雅也

http://www.nhk.or.jp/drama8/qed/


第9話 可奈のタイムカプセル〜忘れていた宝物・
記憶の中の少年は?


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モルダーが園辺野神社の境内でダウジングをしている所を
呼び出されるクイーンとホームズ。最初は馬鹿にしていた二人
も反応が有ると目の色を変えて地面を掘る。そこから出てきた
のは小学校の時に可奈が埋めたタイムカプセルだった。
学校でタイムカプセルを手渡された可奈。取り付けてある鍵を
強引に開けて中を明けると、そこには宝くじ、友人達と夏休み
に写した写真、中陵高校の硬球のボール、そしてゲームソフト。
何故野球のボールが入っているのか分からず、更には写真に
映っている人物も二人の事が思い出せない。少しずつ当時の
記憶を思い出してきた衿子やまどかたち。写真は辛島くんに
呼び出されて撮ったものだというところまで思い出すが、写真
に映るメガネの少年と野球のボールについては一切思い出す事
が出来ない。すると西丸が意味ありげに、忘れるなんて信じら
れないと声をかける。西丸から聞くのは悔しい可奈は、写真の
人物を小学時代の恩師から聞き出しに行く。
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9話にしてこのドラマ最高のドラマが待っていた感じ。
物語の広げ方が上手いし、過去の記憶から少しずつ事実が手繰り
寄せられ、掘り起こされる状況がとても上手い構成の元で描か
れている。

全く記憶がないことを余所に、自らの利益のために他人の過去
の記憶を操作するという大胆なアイディアにも驚かされるが、
可奈の過去など知る由もない燈馬がどうやってこの物語に関わり、
Q.E.Dを発せられるかに興味津々。
ドラマの枠でなく映画で作っても全く遜色のない満足感の得られ
そうな内容だった。

一つ一つのアイテムが全て可奈の事を思って存在しているという
オチの心地よさを感じたり、宝くじまでそつなく利用するところ
はもの凄く無駄のない脚本だなと。

何と言っても今回のドラマ、これまで高校生が扱うには多少なり
とも身の丈の違う違和感があったが、今回はまさに高校生が
扱うにはピッタリの内容である点。

可奈の過去から現在に至る人物像にも迫る興味深さが存在し、
性格付けなど見事なまでに描ききっている。

ドラマではまさに宝箱に相応しいくらい、色んなネタが詰まって
いて段階毎に別の興味さ加減があぶり出されてくる。
写真の人物は誰だったのか。ゲームソフトの意味は何なのか。
野球のボールは誰の者だったのか。
西丸の意図を見抜いた段階で物語が一服されるが、その後にも
野球のボールに込められていたエピソードが待ち受けていると
いう二段オチの構造。

それにしても可奈は二人の子供から好意を持たれていたのか。
最後まであのめがねの男の子は、燈馬くんじゃないの?と思って
いたが違ったんだね。

時々こういう良質なドラマが待ち受けているからドラマ鑑賞は
辞められないな。

水原可奈………高橋愛 (高校2年生)
燈馬想………中村蒼 (天才少年)
水原幸太郎………石黒賢 (可奈の父。警部)
笹塚真人………富岡晃一郎 (幸太郎の部下の中堅刑事)

梅宮衿子………ちかげ (可奈の友人)
香坂まどか………中村静香 (可奈の友人)
西丸浩樹………中山卓也
クイーン………垣内彩未
ホームズ………広瀬斗史輝
モルダー………渋谷謙人

野辺………本間健大
吉田先生………熊谷祐子

小三の可奈………桑島真里乃
小三の衿子………安藤咲良
小三のまどか………田辺未佳
小三の西丸………五十畑哉耶
小三の野辺………堀江晶太
小三の新田………斉藤圭祐
小三の辛島………桑代貴明
辛島の兄………椿直

清水貴紀、鈴木亮介、田辺日加、長島伸一郎、古田大虎
為谷龍児、大朏岳優、石田直也、小田桐圭助、茂木亮
上杉翔

鄭龍逸、星野涼
小長井大輔、大塚直也、中込恵介、遠藤宏至、渡辺友樹
佐久間功、南場映里、今井夢子、湯川舞
愛望、平野佑香、一瀬奈々美、神宮司晴香、鶴園彩、森下真依
城所明子、松本美星

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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