臨場

脚本/佐伯俊道(2)(7)、坂田義和(1)(5)、尾西兼一(3)
岩下悠子(4)、吉本昌弘(6)
プロデューサー/佐藤涼一、目黒正之、横塚孝弘
監督/橋本一、猪原達三、伊藤寿浩

http://www.tv-asahi.co.jp/rinjo/


第7話 ユズリハの家作られた不自由な死

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寝たきりの状態だった家の主、宮坂義太郎・78歳が自殺する。
浴衣の帯を使って鴨居にぶら下がり首つりしていたとの事だが
家族のものたちが遺体を降ろして布団で寝かせてしまった為に
現場の保存は一切されていない。
死因は頸部圧迫による窒息で間違いないが、画面蒼白になる
ハズが不自然に赤く、首筋には付着物が有る。
現場を一通り眺める倉石は、タンスの取っ手と右足の裏を念入
りに調べろと部下に告げる。
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ドラマは今週放送した「ハンチョウ」と内容的に被る面が有る
という話だった。先週の「MR.BRAIN」と「ザ・クイズショウ」
でも一部ネタが被っていたし、偶然とはいえ恐ろしいものがあ
るな。

介護に於いて介護する側と介護される側の気持ちの問題。
尊厳死とはほど遠いものが有るが、それでも何処かでそんな
問題もはらんでいる内容なのかもしれない。

冒頭から大きくヴァイオリニスト時代のポスターが貼られてい
たり、ヴァイオリンを演奏している映像から始まる為に、
それが核心とは分からなくとも、それなりに事件に関わり合って
くるのではないかと想像できる。

ドラマとしては被害者・宮坂義太郎に対して家族の一員として
大切にしていた一面と、殺すだけの理由の二面性が浮かび上が
ってくる。

介護者の居る部屋には独特の臭いがするはずが、無臭であり
逆に心地良い臭いがするところだったり、祖父の死を悲しむ
孫の表情。
ただ一人・父親直樹にだけはありとあらゆる嫌疑をぶつけて
視聴者の視線を誘導する。

今回のポイントはズバリ松ヤニだった。
松ヤニの成分が同じ分だけ含まれている物質とは何なのか。
ドラマでは被害者の手には松ヤニが無かったとの見解を見せて
いたが、宮坂祥子が父親を殺害する時の映像の中には手と手を
握っている姿があるし、身体中触れていた印象があるのだが、
常識的に考えれば、あらゆる所から検出されそう。
これを決定打とするには多少の無理があるかな。

前回のドラマの中でも殺害するときの映像を事細かに描いた訳
だけど、その分ボロが出るのが多い気がする。

親子関係を軸にして、愛している事は伝わってくるけど、父親
の願いを受け止めて殺害するというなんとも皮肉な展開で、
最後は妙に説明っぽく、やや冗長な感じも受けるけれど、
それがこのドラマの売りって事ならば仕方がないのかも知れない。

倉石義男 …… 内野聖陽 (45・鑑識課・検死官)
小坂留美 …… 松下由樹 (38・鑑識課・検死補助官)
立原真澄 …… 高嶋政伸 (45・捜査一課・管理官)
一ノ瀬和之 …… 渡辺大 (32・鑑識課・検死官心得)
小松崎周一 …… 伊武雅刀 (60・刑事部・刑事部長)
坂東治久 …… 隆大介 (52・捜査一課)

花園愛 …… 金子さやか (26・警視庁詰め記者)
西田守 …… 小林勝也 (60・法医学教室教授)
矢野間文 …… 松金よね子 (58・クリーニング店)
江川康平 …… 辻谷嘉真 (31・捜査一課)
早坂真里子 …… 伊藤裕子 (38・雪絵の妹。バー「かくれんぼ」)
倉石雪絵 …… 京野ことみ (義男の妻・長女)

宮坂祥子 …… 藤真利子 (妻、元ヴァイオリニスト)
宮坂直樹 …… 中村育二 (夫、元画廊)
宮坂義樹 …… 太賀 (息子、野球部)
宮坂義太郎 …… 西沢利明 (祖父、下半身不随)
矢野刑事 …… 小浜正寛

八巻博史、石原茂史、上川路啓志、櫻井麻樹、おのさなえ
津阪雄一

由地慶伍、ノゾエ征爾、加瀬愼一、若松泰弘、花井映子、宮下誠

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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