臨場

脚本/佐伯俊道(2)(7)、坂田義和(1)(5)(9)、尾西兼一(3)
岩下悠子(4)、吉本昌弘(6)(8)
プロデューサー/佐藤涼一、目黒正之、横塚孝弘
監督/橋本一、猪原達三、伊藤寿浩

http://www.tv-asahi.co.jp/rinjo/


第9話 餞〜はなむけ届かなかった年賀状

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刑事部長の小松崎に呼び出された倉石は、そこで妙な事を耳
にする。10年前より毎年年賀状が届くようになり、昨年来なか
ったという差出人不明の年賀状を見せられる。一体誰が送って
いるのか、そして何故昨年から来なくなったのか。

そんな中、ハイツ中村というアパートで20歳の女子大生・
山原直子が腹を一突きされて亡くなる。第一発見者はたまたま
アパートを訪れたという母親の山原早苗。
早速見立てが始まる。一見自殺に見える案件だが、刺し傷が
別の刃物で刺されている様な跡になっており、更に近くの
クローゼットのノブに血痕が付着していることから殺人で処理
する。返り血を浴びているはずの犯人がその血を隠すために
服を盗んだときにクローゼットに血痕が付着したと考えられた。

第一発見者の早苗によると入り口のドアに鍵が掛かっていた事
から身内の犯行・合い鍵を持つ人物が疑われる。
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今回は刑事部長で退官間近の小松崎周一を取り上げた話だった。

全く接点のない事件を一緒くたに扱ったことでかなり強引に
見えたことは言うまでもない。

ドラマとしては死者の声を拾うのは、今回の事件の被害者である
山原直子というよりも、小松崎の実の母・安田明代の声を拾う
事で成立したような話である。

さて今回は自殺に見える事件を取り扱ったもの。
自殺か他殺を悩ませるにはもう少し状況的に気を使った方が
良い内容だったかも知れない。友人や母親に何か服が無くなって
いないか尋ねていたが、普通他人に聞いても分かる訳がない。

今回の被害者・山原直子は夜中に寝ている時に、義理の父に
狙われ、アパートの隣人にまで狙われてしまうという事で
全ては彼女の美貌が犯罪を駆り立ててしまったもの。
二度も同じ目に合う事への違和感。鍵が掛かっていた
為に身内の犯行だとして、義父・山原勘一を疑うが、何の証拠
も無く小松崎の退官が一週間後に迫っているという理由だけで
強引に家宅捜索を敢行する。

また全く別の所でナイフが見つかり、発見した明代に事情を
聞くも認知症で全く役に立たない。しかし彼女の死が目撃した
犯人の手によるものだとしたら、身を以て犯人を指し示す証拠
になったのかも知れないという皮肉が存在している。

明代が森に拘り始めた理由が、小松崎に対する思いとの接点
には見えず、カッコウが托卵する生き物との事で強引に流れを
結びつけていたが、倉石が死者の声を拾うにはちょっと強引で
はないかと思わせる。

犯行は爪を発見したことで犯人の行動を掴むわけだが、自殺
を装う割りにクローゼットに血痕を残していったり、ナイフ
を拭き取りもせずに森に捨てたり、バスローブを処分せずに
いるなど、ちょっと愚かな犯行だったかも知れない。

倉石義男が、吉本菜穂子を見て何処かで見たなはちょっと
ウケた。

倉石義男 …… 内野聖陽 (45・鑑識課・検死官)
小坂留美 …… 松下由樹 (38・鑑識課・検死補助官)
立原真澄 …… 高嶋政伸 (45・捜査一課・管理官)
一ノ瀬和之 …… 渡辺大 (32・鑑識課・検死官心得)
小松崎周一 …… 伊武雅刀 (60・刑事部・刑事部長)
坂東治久 …… 隆大介 (52・捜査一課)

花園愛 …… 金子さやか (26・警視庁詰め記者)
西田守 …… 小林勝也 (60・法医学教室教授)
矢野間文 …… 松金よね子 (58・クリーニング店)
江川康平 …… 辻谷嘉真 (31・捜査一課)
早坂真里子 …… 伊藤裕子 (38・雪絵の妹。バー「かくれんぼ」)
倉石雪絵 …… 京野ことみ (義男の妻・長女)

安田明代 …… 佐々木すみ江 (痴呆気味の77歳)
山原直子 …… 山内明日 (被害者、20歳大学生)
山原早苗 …… 小柳友貴美 (直子の母)
山原勘一 …… 尾崎右宗 (早苗の再婚相手。エステサロン)
木元泰司 …… 戸井田稔 (施設職員)
内川仁美 …… 吉本菜穂子 (施設職員)
中村俊郎 …… 田口主将 (アパート管理人)
藤島透 …… 有薗芳記 (直子の隣人。犯人)
福園盛人 …… 草川祐馬
江川康平 …… 辻谷嘉真

八巻博史、石原茂史、上川路啓志、櫻井麻樹、おのさなえ
津阪雄一

田村友里、鈴木弘秋、山入端佳美、安藤健悟、辻内南季

田村友里さんのblog
http://blog.livedoor.jp/yuri_sakehime/

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