再生の町　　 脚本／菱田信也 演出／吉田努 http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/

第1話 非情〜故郷が破たんする時
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1970年大阪万国博覧会。
当時3歳だった高岡駿馬は、父親と一緒に見に行く。人類の
進歩と調和を掲げたイベントに心を弾ませた記憶。その時、
一緒に行った父・春馬は僅かに笑顔を見せていた。

2006年9月、駿馬は横浜の老舗デパート"みなとや百貨店"で
働くも安売り店からの買収に合い、会社は合併される。
店舗と社員そのまま引き継がれる予定ではあったが、駿馬は
退職する。
高校時代の友人・森村孝明に実家の大阪府なみはや市役所で
職員の中途募集をしているとの情報聞きつけ、就職することに
なる。そこは自分が嫌っていた何の変哲の無い生活と仕事が
待つ場所。しかし彼は父親が働いていたのと全く同じ職場へと
就職する。

2006年北海道の夕張市が財政破綻する。
2007年3月1日、駿馬が生活するなみはや市の財政が破綻する。

市長の水元幸彦は記者会見の場で、本年度の予算の凍結と
同時に原因の究明、そして財政再建プロジェクトチームの発足
を発表する。市議会議長・権藤武雄の薦めで、健康福祉部生活
環境課の間宮哲夫をリーダーとし、

財政課・桂木宏之
保険収納課・田村聡子
都市計画課・橋本健太
経営コンサルタント・光野一志
市民課・高岡駿馬

の6名が特別チームを組んで対応に当たる。
当面の目標は、財政再建団体にしないこと。そして4ヶ月後の
臨時国会で本予算案を提出するまでに、15%の削減のメドを付け
なければならないという。

光野から今回の財政破綻の原因について、企業撤退による法人
税の減少、低所得者の税金・保険料の滞納、未来計画プロジェ
クトの過度の投資による膨張で有ることが告げられ、国の
公共事業拡大計画に踊らされた末に地方交付税を減らされた事
が主な原因であることを告げられる。
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相変わらずNHKらしく切り口が鋭い。
民放では取り上げないような内容をドラマとして成立させるの
が上手いね。

父親とは別の道を歩もうとしていたものの、結局出戻りになり
父親と同じ道を歩もうとしている現実に失望するも、幼いとき
に描いていた事と現実とはどう違って映るのか。

重要なポジションに二世が多いというのも面白い描き方で、
父親の世代とその息子達の世代が面白く比較されるような状況
だ。

初回は主人公に現実を体現させる物だったのかも知れない。
幼い頃何の変哲もないと思っていた町の事務的な職場で、何が
起こっているのか。

未だに職場に親の働いていたときの香りが残っているという
ところが面白いが、駿馬には父親にはない民間で働いてきた
という経験が有る。どれだけその経験を活かして父親のやろうと
していた事に追いつき追い越せるのか。

問題となるのは市営立原住宅。
住宅の老朽化に伴い立て替えの必要性が存在するが、当然ながら
その建て替えには相当な額の費用が必要だ。
立て替えの先延ばしをして支出を抑えるのか。それとも奇策は
存在するのか。
市民が困っている実情を目の当たりにした事もあって、先延ばし
の選択を取らずに処理しようとする。
しかし間宮哲夫からはそれはあくまで理想の計画で有って、
個人を救う計画ではなくなみはや市を救うための計画が必要
だといわれる。そんな計画を否定しながらも要注意人物の様な
扱いにされるところがまた今後を期待させるところだね。

"情をもって非情になる"。
この状況を上手く総括した言葉だなと感心する。

高岡駿馬 …… 筒井道隆 (市役所市民課職員)
間宮哲夫 …… 岸部一徳 (財政再建プロジェクトチームのリーダー)
桂木宏之 …… 段田安則 (財政課課長)
田村聡子 …… 南果歩 (保険収納課職員)
光野一志 …… 矢島健一 (経営コンサルタント)
橋本健太 …… 久保山知洋 (都市計画課職員)

水元幸彦 …… 吉田栄作 (なみはや市長)
権藤武雄 …… 近藤正臣 (なみはや市議会議長)

高岡樹 …… 牧瀬里穂 (駿馬の妻)
高岡さわこ …… 岩本多代 (駿馬の母)
高岡春馬 …… 中原丈雄 (駿馬の他界した父。元市役所職員)
畑中正行 …… 阿南健治 (市民課)
水元幸太郎 …… 佐川満男 (幸彦の他界した父)
森村孝明 …… 桂吉弥 (喫茶店のオーナー、駿馬の先輩)
森村直美 …… 小西美帆 (孝明の妻)
長野裕泰 …… 上杉祥三 (住宅課)
滝川ひさこ …… 新海なつ (要介護、足が悪い)
滝川真由美 …… 水崎綾女 (ひさこの孫)
永沢真 …… 山西惇 ("大阪日報"記者)

村上かず、後藤基治、結城市朗、岡元八郎、桜木誠、門田裕
ヨシダ朝、岡田千代、家辺隆雄、武村陽子、吉原伸一
西川浩介、平岡秀幸、都築俊、岡大介、森下じんせい
萩原合歓、馬渕清香、大槻桃子、池村康博、石原敏弘

水崎綾女さんのblog
http://ameblo.jp/misakiayame/

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