第8話 ソース焼そば
--------------------------------------------------------
風の強い日、ある女性・風見倫子がやってくる。
目玉焼きを焼きそばに乗せた料理を注文する彼女。
彼女が店を出るのと同時に常連客の安西と諏訪は、もしかして
今の客は元アイドルの風見倫子ではないかと告げる。二人は
熱烈なファンでファンクラブにも入っていたという。
彼女が歌う"邪魔邪魔ボーイをぶっとばせ"を、他の常連客たち
の前で歌い出す。
マスターはそんな二人を見て、彼らにとっては青春そのもの
なんだと呟く。
倫子は幼少期に相当苦労して育った女性だという。
父が借金を残して失踪したのである。
一ヶ月後、風の強い日に再び倫子が現れ、いつもの目玉焼きを
乗せた焼きそばを注文する。子供の頃によく食べていたものだ
という彼女。それ以降彼女はちょくちょく店に顔を出すように
なる。
お茶漬けシスターズや二人の熱烈なファンも倫子目当てで店を
訪れる。
そんな中、常連客のジュンと吉田が会計を済ませようとするも
一万円札しかない。マスターは今日サイフを落としてしまった
為にお釣りが出せないとして、ツケにしておく事を告げる。
そんな日の翌朝に、サイフを拾ったとするとホームレスの男性
茂樹がマスターの元を尋ねサイフを手渡す。マスターは謝礼と
して金を渡そうとするが、受け取りを拒む茂樹。せめて朝食
だけでも食べていって欲しいとして店に招くのだった。
--------------------------------------------------------
木枯らしが吹き荒ぶ中、突然風に乗って現れた元アイドルの
風見倫子。彼女は店に来る度に目玉焼きを乗せた料理を注文
していく。常連客の中に彼女の熱狂的なファンがおり、その
人たちの証言から、彼女は幼い頃厳しい環境で育っていた事
が分かる。
相変わらず芸能人が客というネタは続く。
目玉焼きの焼きそばに込められた思い出とは果たしてなんな
のか。
自分の境遇と同じ様な映画の役を演じるに辺り、自分の境遇と
同じな為に、複雑な感情に支配されなかなかそれを上手く
演じられない。
映画の完成形を通して、父親に現在の心境を伝えていくという
のがドラマに科せられたミッションだ。
娘の好きな料理を知っている客を通して親子関係を示唆して
いくも、刑事ドラマの犯罪者を特定していくのと同様に、
もう少し親子二人だけが知る何らかの料理の形が欲しいとこ
ろだった。四万十川の青のりだけだと抽象的だしね。
常連客を使うのもドラマの見所ではあるが、先日までエレクト
の事を話していた客が今度は風見倫子ファンだったという
都合の良さももう少し工夫して欲しかったかも。
映画を通して親子だけが分かるメッセージ性というのは面白い
アイディアだし、典型的な日本のドラマならば再会まで描き
そうなところを、短いスパンのドラマならではの相手にその
メッセージが伝わる所まででドラマの時間を止めている所など
は良くできていると思う。
マスター / 語り手 - 小林薫 金本 - 金子清文 小道 - 宇野祥平 忠さん - 不破万作 カタギリ - オダギリジョー 小寿々 - 綾田俊樹 ミキ - 須藤理彩 ルミ - 小林麻子 カナ - 吉本菜穂子 ジュン - 玄覺悠子 (ゲイバー) 吉田 - 岩瀬亮 (ジュンの男) 安西 - 剣持直明 (アイドル好き) 諏訪 - 川島潤哉 (アイドル好き) 風見倫子 - YOU 幼少期の倫子(回想) - 上田祝華 映画『川歌』の共演者 - 小倉馨(第八話) 映画『川歌』の監督 - 土井よしお(第八話) 映画『川歌』の助監督 - 今西健太(第八話) ホームレスの茂樹 - でんでん 評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0) |
|