白い春

脚本/尾崎将也
プロデューサー/安藤和久、吉條英希、東城祐司、伊藤達哉
演出/三宅喜重、小松隆志、植田尚

http://ktv.jp/haru/index.html


第5話 俺には娘がいた

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康史に追い出される春男だが、去り際にさちが春男の為に封筒
を写真に入れたという事を知り、自宅を隈無く探すことに。
しかし全く見つからず、皮肉なことに後から入ってきた栞が
写真を見つけ隠してしまう。しかし食事の席でハンカチを出す
時に一緒に写真も取りだして春男に見つかる。

清掃のアルバイトにいく春男は、社員の男性から階段から突き
落とされる。謝りもしない社員の男。

一方写真を眺めていると写真に日付が書かれていることに気が
つく。2000年、12月28日。捕まったのが4月である事を勘案する
とさちが自分の子である可能性が高いことが分かる。すぐに
春男は康史を呼び出し、さちはオレと真理子の子だろうとして
殴り飛ばした。しかし康史は8年間育ててきたこと。放置して
いたら施設に送られる事は必至であり、お前にどんな教育を
受けさせてやれるのかと問われる。更には人を殺した汚い手で
さちに触れられたくないとして、再度もう来ないで欲しいと
告げて立ち去るのだった。
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ついにさちが春男の子である事が春男自身にも伝わる。

このドラマの好感の行くところは、その辺の事実をさらりと
証していく展開かな。栞がその事実を隠し通して裏で画策して
いくものとばかり思っていたが、問題の全ては春男に体現さ
せて、自分で解決を求めていくところに有る。

今回は子供である事実が分かったところで、素直に名乗り出ら
れないだけの過去と現実が待っていたという感じ。

春男の人生は常に他人のために何かを成し遂げようとするもの
ばかりだ。
真理子のために人を殺したし、さちの為に真面目に就職して
更生しようと考える。根は真面目で優しいだけに、降り掛かる
現実やら、消せない過去の事実がなんとも重々しい。

しかし春男が仕事している清掃の会社は前科が有ることを知っ
て雇っていたんだね。自分が犯した事の影響力というものを
この社員達を使って上手く春男自身にも知らしめたと思う。
この事実がさちに伝わる事への焦燥感がこの辺の演出でさらりと
伝わってくるし、容易に父親だと名乗れない理由にもなって
いる。

キリンさんが好きです、でもゾウさんの方がもっと好きです
なんていう引越センターの可愛らしいCMが有ったが、栞が
その場凌ぎでついた嘘をひたすら信じているさちの愛らしさが
光るね。あのキリンの絵は如何にもプロの大人が描きました
みたいな精巧さだったけど、本当の父親を遺伝子レベルで求め
ている感じの演出がなんとも心地良くも有り切なさを感じる。

でも春男にとっては生き甲斐が出来たんだろうな。
当面は人生の厳しさに挫折するのかもしれないけど。

そういえば片足を引きずっている190cm越えの阿部さんは
キャラ的にはキリンさんに見えなくもないな。

佐倉春男 … 阿部 寛 (元ヤクザ。800万のため殺人)
村上さち … 大橋のぞみ (真理子の娘。父は不明)
西田 栞 … 吉高由里子 (フリーター)
小島勇樹 … 遠藤雄弥 (フリーター)
高村真理子 … 紺野まひる (病気で亡くなる。春男の彼女)
安岡竜也 … デビット伊東 (春男のヤクザ時代の仲間)
高村佳奈子 … 白石美帆 (真理子の妹)
村上康史 … 遠藤憲一 (むらかみベーカリーの主人)

山中恵一 … 村上剛基 (むらかみベーカリーの従業員)
田村絵美 … 長井梨紗 (むらかみベーカリーの従業員)
松下美代 … 福井仁美 (むらかみベーカリーの従業員)
三枝圭子 … 中島ひろ子 (竜也の彼女?ムーンライトで働く)

小林隆、野添義弘、蒲生純一、依田英助、後藤公太、
坂井和久、望月咲希、濱道蓮悟

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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