白い春

脚本/尾崎将也
プロデューサー/安藤和久、吉條英希、東城祐司、伊藤達哉
演出/三宅喜重、小松隆志、植田尚

http://ktv.jp/haru/index.html


第7話 名乗れない痛み

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パン屋で仕事を始めた春男に対して対抗するように栞はワゴン
でのワッフル店開店に向けて練習を始める。
刑務所で単純作業の繰り返しだった為か、パンの梱包作業に
意外な実力を発揮する春男。
さちは夕食で出された苺を従業員である春男たちにも御裾分け
とばかりに持って行く。先日の逆上がりを手伝ってくれた春男
には一番大きいのを持ってきたというさちの姿に、春男は満足
感を覚えていた。

そんな中、従業員の山中恵一が配達中の事故により病院に
運ばれる。康史と佳奈子が病院へと向かう中で、さちが熱が
有るとして学校を早退してくる。春男のことを二階に呼んでは
ダメだと言われていたさち。それを聞いていた春男も二階へと
容易に踏み込めないで居たが、緊急事態とばかりに言い付け
を破り生活スペースへと足を踏み込む。
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さちを巡って主導権争いが激しい話だった。

どちらかさちの親として相応しいのか。
ドラマではその一つの回答として、さちの事をどの程度知り
得ているのかで鍔迫り合いの状態になる。

ドラマとして面白いのは、微妙な教育論を闘わせている所だと
思う。今回やり玉に挙がったのは、子供に好き嫌い無く食事を
させているのかどうかという事。
嫌いなものを無理に食べさせない事が優しさとイコールでは
無いことは明らかだが、それを食べさせるための努力だったり
説得力に於いてどちらが親と相応しいのかをさり気なく見比べて
いる。

この戦いが始まった頃、康史が今まで育ててきたのは私であり、
自分の親としての価値を以て主導権を誇示しようとしていた。
逆に春男の存在を完全に排除していた訳だが、それも徐々に
娘に対する教育の機会を与えて、春男の親としての価値観を
上げてきている。

康史と春男、互いの相手にダメージを与える最も効果的なもの
は、さちと自分にしか知り得ない情報を共有していることだ。

さちが自分の家でパーティーを開きたがっている事実は春男の
口から康史へと伝わっていく。最近の展開では春男から康史
にさちの情報が伝わることが多く、春男にとっては優越感に
浸れる瞬間だと思う。

主導権争いに於いて春男が圧勝していく中で、さちの部屋を
みた瞬間にその考えは脆くも崩れる。これまで成長を見守って
来たことを証明する数々のアイテム。そして最後には父親と
してお祝いをするのは康史であるという事実は、二人の間で
決定的な違いとして浮かび上がっている。

ゲームで春男と康史の二人ばかりの真剣な戦いになるシーンは
とてもセンスの良いやりとりだったね。

さてこの幸せの時を栞がぶち壊そうと虎視眈々と狙っている。
実際には意図しない事でも結果的に、今の状況を壊すことに
なるのは彼女の存在で間違いなさそうだ。
ヤクザから10万円を請求される中で、果たして春男を介せずに
解決できるのか!?

佐倉春男 … 阿部 寛 (元ヤクザ。800万のため殺人)
村上さち … 大橋のぞみ (真理子の娘。父は不明)
西田 栞 … 吉高由里子 (フリーター)
小島勇樹 … 遠藤雄弥 (フリーター)
高村真理子 … 紺野まひる (病気で亡くなる。春男の彼女)
安岡竜也 … デビット伊東 (春男のヤクザ時代の仲間)
高村佳奈子 … 白石美帆 (真理子の妹)
村上康史 … 遠藤憲一 (むらかみベーカリーの主人)

山中恵一 … 村上剛基 (むらかみベーカリーの従業員)
田村絵美 … 長井梨紗 (むらかみベーカリーの従業員)
松下美代 … 福井仁美 (むらかみベーカリーの従業員)
三枝圭子 … 中島ひろ子 (竜也の彼女?ムーンライトで働く)

内野亜彩、川嶋紗南、谷山毅、森久保大河、井上絢斗

小椋毅、長谷川ほまれ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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