小公女セイラ

脚本:岡田惠和
プロデューサー:磯山晶
演出:金子文紀、吉田秋生

http://www.tbs.co.jp/seira2009/


第4話 主演女優は私よ!

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セイラは自分の周りの人間を真里亜によって引き離されてしま
い、追いつめられた結果、彼女の前で跪いて何の価値もない
人間だと認める。トマトをぶつけられる中で、まさみさえも
圧力に屈してセイラにトマトを投げつける。しかしそれを止め
たのはカイトだった。プリンセスは泣かないのだろうとして
セイラを励ます。

翌朝、笑美子が厨房へとやってくる。今日からお願いという
彼女。その言葉で今年もそんな時期なのかと実感する料理長
たち。それはミレニウス女学院伝統の演劇"ロミオとジュリエ
ット"を生徒たちだけで実施するというもの。その中でもジュ
リエットを演じることは生徒達の夢であった。
クラスで配役を決めることになる。二名(まさみとかをり)を
除いては全員がジュリエット役に真里亜を選出する。
真里亜はそれを受けてロミオ役に小柳あゆみを指定する。

院長がこの学院に在籍していたときには、千恵子がジュリエッ
ト役を演じていた。笑美子は浮かれて姉の千恵子に近づき、
お姉さんのジュリエットも見たかったと告げるが、姉は不機嫌
そうにその話をしたくないと告げる。生徒の自主性を重んじる
イベントではあるが責任の全ては笑美子にあり、何かあったら
貴方が責任を取りなさいと告げる。

夜、まさみは済まなそうな顔をしてセイラの屋根裏部屋を訪れ
る。セイラは先日の件は全く気にしていない事を告げる。
まさみはキャピレット夫人役に決定したというと、ジュリエッ
トの母親役ねと語る。セイラが物語に精通していることを驚く
と、セリフの全ては頭に入っており、ジェリエット役を演じる
のが夢だったことを告げる。まさみが上手く演じられるか悩ん
でいると、セイラは今から稽古しましょうと彼女に促す。
その成果もあって、翌日の練習でのまさみの演技力は群を抜いて
いた。あの真里亜でさえもそれを認めざるを得ないほどだった。
他の生徒達はその原因を尋ねると、セイラに教えて貰った事を
語る。するとそこに居た生徒全員は、セイラから稽古をつけて
貰うとして、夜には多くの生徒がセイラの部屋を訪れる。
それを知った真里亜は、翌日院長に有る提案をする。
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今回は学園で演劇会が開かれる中、母親が演じ損ねたジュリエ
ット役に対してセイラが演じたい思いを募らせる話だった。

目立つつもりは決してないのだが、生徒達がセイラの元へと
自然に集まっていく状況を描き、人徳が有ることを示す中、
真里亜がそれに嫉妬して意地悪を繰り返すという悪循環が
続く。

自分にはないものを持っているということでセイラに意地悪
したくなる気持ちも分かるわけだが、そんな酷い仕打ちをして
くる真里亜に対しても慈悲の心を持って接してくるセイラに
より怒りを募らせることになる。

今回は真里亜の意地悪が大人しかった事もあり、セイラが可愛
そうだという展開にはならなかった感じもする。
更に看病をするセイラの大きさに真里亜自身も認め始めている
所もあって、今後セイラに酷いシチュエーションを用意できる
のかというのが気になる点だ。

院長が生徒として在籍していたときのエピソードにも一癖有る
事が描かれ、それが何なのかが今回のポイントとして存在して
おり、院長と真里亜に同じ様な境遇を与えた感じの展開だった。

ドラマとしては決して悪くはないのだが、セイラの服が綺麗
過ぎる事とか、髪型もビシっと決まっていて不幸に見えない
ところがこのドラマが盛り上がらない点か。

お金が無い事でどんな不幸が訪れるのか、自分の信念を貫くこ
とがどんなに辛いものなのかなどの描写は韓国ドラマでも見て
脚本家は勉強した方が良いと思う。小手先だけのイジメドラマ
に終始してもネタとしか思えない所があってどうも見た目の
インパクト以上のものが伝わってこない。

また伝統あるハズのミレニウス女学院の中に、伝統やら格式やら
荘厳な感じ、スケール感が伝わってこないのもちょっと辛いね。
学院の人数が少ないのも原因の一つかも知れないが、是が非でも
演劇に参加して、その中でも誰もが憧れるジュリエットの座を
射止めたい気持ちの衝突がイマイチ伝わってこない気もする。

黒田セイラ …… 志田未来 (16歳・資産家の父・龍之介と母・薫子)
三浦カイト …… 林遣都 (18歳・ミレニウス女学院の住み込み使用人)
亜蘭由起夫 …… 田辺誠一 (フランス語教師)
東海林まさみ …… 岡本杏理 (16歳・超引っ込み思案のおっとり屋)
水島かをり …… 忽那汐里 (16歳・人と群れることを嫌い、孤独を愛する性格)
武田真里亜 …… 小島藤子 (16歳・成績もルックスも学院 No.1 と自負)
本庄杏子 …… 朝丘マミ
横尾満美子 …… 麻生夏子
清水尚美 …… 菊里ひかり
神宮りおん …… 指出瑞貴
川原比奈子 …… 篠原愛実
朝比奈真琴 …… 高月彩良
黒田龍之介 …… 谷中敦 (セイラの父親、インドで事故死)
小沼誠一郎 …… 大和田伸也 (ミレニウス女学院の料理担当)
黒田薫子 …… 黒川智花 (セイラの母親。病死)
小沼日出子 …… 広岡由里子 (洗濯・掃除などの雑用)
三村笑美子 …… 斉藤由貴 (妹、古文担当の教師)
三村千恵子 …… 樋口可南子 (姉、学院長)

熊谷綾 …… 池田愛
小柳あゆみ …… 石橋菜津美
桜井ナナ …… 岸井ゆきの
堀場玲 …… 中村有沙
中谷美鈴 …… 西崎莉麻
森川裕子 …… 増元裕子
新田春美 …… 増山加弥乃
横田ケイ …… MIO
横田メイ …… YAE

少女時代のセイラ …… 中山凜香
少女時代の三村千恵子 …… 溝口まりも

西川端

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