小公女セイラ

脚本:岡田惠和
プロデューサー:磯山晶
演出:金子文紀、吉田秋生

http://www.tbs.co.jp/seira2009/


第5話 二人だけの修学旅行の夜

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セイラは千恵子に呼び出されて院長室へといく。
下働きを始めて一ヶ月、これからどうするのか?と尋ねられる。
セイラとしては仕事にも慣れてきたので、これからは迷惑を
掛けることは無いと言いたいところだったが、千恵子は苛立ち
を露わには、何処にも行き場のない貴方を教育者として放り
出す訳にはいかないので居ても良いと言っただけだという。
セイラが生徒の頃には、使用人はカイトと小沼夫婦の三人だけ
で学園のこと全てを賄うことが出来たので、貴方は居ても居な
くてもどうでも良い存在であることを告げる。どうするのか
自分で考えなさいと告げる。

ミレニウス女学院は11月19日から22日までの間に修学旅行で
上高地に行くことになっていた。その間は使用人も休暇を許さ
れ、小沼夫婦はバス旅行を計画。カイトは田舎に帰る予定だと
いう。セイラは何処にも行くところが無く、ネズミたちを
相手に行くところがないのは私達だけだと語る。

深夜にまさみがセイラの部屋にやってくる。まさみはセイラが
行かない修学旅行はつまらないとして、自分もここに留まりたい
事を告げるが、行かないのは絶対に駄目だと告げる。変わりに
お土産をお願いと言うと、沢山買ってくることを約束する。

その頃、院長室では笑美子は旅行に行ける喜びで浮かれる中、
千恵子は逆に落ち込んでいた。学生時代の千恵子は、上高地に
言った際に一人だけ置いてけぼりにされた事があった。その時
セイラの母・黒田薫子が助けに来るが、私などこのままはぐれ
てしまえば良いと告げたことで薫子からビンタされた事が有った。
千恵子は笑美子が喜んでいる姿に気に入らず、貴方が無邪気に
喜んでいられるのは私が居ることに甘えているからだとして、
旅行には一人で引率するよう命じる。

旅行の朝、笑美子は責任の重さを実感する中、千恵子がやっぱり
行くと語ったことで大喜び。
全員が次々と学院を離れていく中で、一人だけ残されるセイラ
に留守番役を頼む千恵子。カイトも一度は出発するが、一人で
残されるセイラを思い、学院に戻ってセイラに一緒に田舎に
行こうと誘う。

夜行の電車に乗って、夕食は学院の冷蔵庫から拝借してきた
林檎を食べる。セイラはカイトにどうして優しくしてくれるの
かと尋ねると、セイラが学生時代に人として接してくれたこと
が嬉しかったという。そのような扱いをしてくれたのはセイラ
だけだったと。

セイラはカイトの田舎に到着。カイトの家を見て可愛いと感想
を漏らす。カイトはセイラを両親に紹介する。父・良夫、母・
友子、祖母・孝子、そして弟の隼人の4人家族。
家族はセイラを暖かく迎えてくるのだった。
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学院では修学旅行の中、学校の仕事からは一時解放されるもの
の全員が出払うためにセイラは独りぼっちになる。
それを見かねたカイトが自分の田舎に連れて行く事になる話
だった。

金持ちと使用人という立場の違いを乗り越えて、分け隔てのない
対応をしてきたからこそ、セイラはカイトから優しくされる。
学園生活から離れて息抜きできると思いきや、カイトには幼馴
染みの女性が居て、冷たくあしらわれる話だった。

カイトの家族の優しさに触れ、現実逃避する話である。
ずっと逃避していたいような環境作りが巧みに演出していたので
田舎の風景と相まって、視聴者も同時に癒されたかも知れない。

ただ流石に幼馴染みの女性が婚約者だと名乗り出てきたり、
帰りのバスで木が倒れていたからこれ以上は進めないとした
辺りの雑な設定が目立つ話だった。

ドラマとしてはなんとか彼らを田舎で足踏みさせて、予定して
いた帰宅時間に間に合わせない事と、一晩を身を寄せ合いながら
過ごすという演出が必要な話だったので、もう少し上手く理由
付け出来たら、とても面白くなったと思う。

セイラは学院に戻ってくるのか否か。
彼女を待つ人たちの心理に迫っていく辺りはとても興味深い要素
の一つで、まさみが戻ってくると信じているのは勿論、真里亜
や三村千恵子はどのように思っているのかが今回のメインだった
のかもしれない。

黒田セイラ …… 志田未来 (16歳・資産家の父・龍之介と母・薫子)
三浦カイト …… 林遣都 (18歳・ミレニウス女学院の住み込み使用人)
亜蘭由起夫 …… 田辺誠一 (フランス語教師)
東海林まさみ …… 岡本杏理 (16歳・超引っ込み思案のおっとり屋)
水島かをり …… 忽那汐里 (16歳・人と群れることを嫌い、孤独を愛する性格)
武田真里亜 …… 小島藤子 (16歳・成績もルックスも学院 No.1 と自負)
本庄杏子 …… 朝丘マミ
横尾満美子 …… 麻生夏子
清水尚美 …… 菊里ひかり
神宮りおん …… 指出瑞貴
川原比奈子 …… 篠原愛実
朝比奈真琴 …… 高月彩良
黒田龍之介 …… 谷中敦 (セイラの父親、インドで事故死)
小沼誠一郎 …… 大和田伸也 (ミレニウス女学院の料理担当)
黒田薫子 …… 黒川智花 (セイラの母親。病死)
小沼日出子 …… 広岡由里子 (洗濯・掃除などの雑用)
三村笑美子 …… 斉藤由貴 (妹、古文担当の教師)
三村千恵子 …… 樋口可南子 (姉、学院長)

熊谷綾 …… 池田愛
小柳あゆみ …… 石橋菜津美
桜井ナナ …… 岸井ゆきの
堀場玲 …… 中村有沙
中谷美鈴 …… 西崎莉麻
森川裕子 …… 増元裕子
新田春美 …… 増山加弥乃
横田ケイ …… MIO
横田メイ …… YAE

少女時代のセイラ …… 中山凜香
少女時代の三村千恵子 …… 溝口まりも

三浦良夫 …… 半海一晃 (父)
三浦友子 …… 荒木由美子 (母)
三浦孝子 …… 花原照子 (祖母)
三浦隼人 …… 貴島康成 (弟)
田所ゆかり …… 日向千歩 (幼馴染み)
バス運転手 …… 春延朋也

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