小公女セイラ

脚本:岡田惠和
プロデューサー:磯山晶
演出:金子文紀、吉田秋生

http://www.tbs.co.jp/seira2009/


第8話 魔法のようなプレゼント

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すっかり季節は秋になり、寒さも身に染み入るようになる。
セイラは食材の買い出しを頼まれたが、随分時間が掛かり、小沼
夫婦からチクチクいたぶられる。
土曜日は授業参観が有り、その後には立食パーティーがある為
に忙しくなることを聞かされる。

セイラ始めて貰った給料をお世話になったカイトにマクベスの
本をプレゼントする。本屋に立ち寄っていたために買い物から
戻るのが遅くなったのである。自分にも一冊買ったというセイ
ラ。彼女はカイトにお金を使うのは難しいと告げる。何故なら
必要なものと買いたいモノは必ずしも一致しないというのであ
る。暖かい毛布や上着が欲しいと思ったが、結局プレゼントを
買ってしまったと。

笑美子の様子がおかしいことに気がついた姉・千恵子は声を掛
ける。彼女は授業参観は苦手だと告げると、得意なものなど
有るのか?とチクリ。人をイライラさせることに関しては天才
的だと言われる。授業参観は保護者達が安心するために来るも
の。失敗は許されないと。

夜、セイラはまさみが部屋まで遊びに来ると、紅茶のセットと
プレゼントを用意していた。プレゼントの中身はハンカチ。
感激したまさみは一生大切にすると告げる。まさみの両親も
授業参観に来ると知るとセイラは是非お会いしたいという。
まさみは授業参観の楽しみの一つに笑美子先生の大失態が起こ
る事に期待していると告げて笑い合うのだった。
しかし二人が会話しているのが下の階にいた千恵子にも聞こえ
てしまう。まさみにすぐに部屋に戻るよう告げ、セイラに関し
ては甘い顔をみせるとすぐにつけあがるとして叱りつける。
就寝時間は規則で決まっており、それ以降は部屋から出ては
行けないこと。ここはあくまで眠る部屋でパーティーを開く
ところではないとして、いずれまさみは処分するが、全ては
セイラの責任である事を告げる。去り際に折角購入した紅茶の
セットを破壊して去っていく。

翌日カイトは昨晩院長から叱られていた事を知ってセイラを
気づかう。話の流れでカイトはセイラにお金が有ったら何が
買いたいかと尋ねる。するとやっぱり部屋を暖かくするための
ストーブや毛布を買いたいと告げる。その会話をたまたま犬の
散歩をしていた栗栖慶人が聞いていた。セイラの事を先日
お腹を空かせた子供達にパンを与えていた人だと知る。
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千恵子から給料をもらったセイラは正式に学院に下働きとして
認められたかに思えた。しかし僅かな楽しみさえも少しずつ
奪われ、ついに仲間であったまさみさえもセイラと意見を
対にして離れていく。

強引にセイラから色んなものを奪っていく様な展開だった。
全ては最後に待ち受けているものを引き立たせるための演出で
その展開が訪れるまでにセイラが如何に意気消沈しているのかが
ポイントだと思う。
そういう意味では流れとしては悪くはないのだが、セイラが
孤立していく辺りのこじつけの仕方が少々強引に思える。

特にまさみが突然セイラに同調しなかったことは違和感があっ
た。彼女、こういうキャラクターだったの?って感じに突然
モノを言い始めて親友だから話したとするけれど、それならば
これまでの真里亜の行動や態度に関してももう少し口添えする
機会は有るだろうという気がする。

セイラは真里亜の父親を事情も知らずにただ教室が見える窓に
案内しただけの様に思えるが、そこから派生して随分ミソクソ
言われる。
この行動によって真里亜が辱めを受けたのならば分かるのだが、
特に恥を欠くような演出もなく、逆に父親との別れ際には良い
雰囲気になっている。

自分には両親が居ないから、親が要るのに邪険に扱う事を贅沢
だと表現したセイラが、何故正義感だの心の狭い人間だの言わ
れるのか。

全ての事情に精通した上でセイラがあれこれ言うのならばまだ
しも、それ程他人の家庭の事情に突っ込んだ物言いをしたよう
な感じには見えなかったし、極一般論を語ったように見える。

そして最後の展開。
これを寝ている内に用意するというのは少々強引だ。
せめてセイラが部屋に戻ってくるまでの間に用意していたという
設定には出来無かったのだろうか。寝ている間にあれだけの事を
されて気がつかないセイラってどんだけ眠りが深いのかと。

このドラマ基本的に間違えていると思うのは、セイラという
人物の描き方に一貫したものがない事だと思う。
くじけそうになるのは良いが、くじけては駄目だし屈しても
いけない。一本芯のある主張を貫き通して、セイラの主張に
反論できない相手が彼女の鼻を明かそうとして取ろうとする
行動に醜さみたいなのを覚えるような展開を用意しないと駄目
なんじゃないかと思う。

黒田セイラ …… 志田未来 (16歳・資産家の父・龍之介と母・薫子)
三浦カイト …… 林遣都 (18歳・ミレニウス女学院の住み込み使用人)
亜蘭由起夫 …… 田辺誠一 (フランス語教師)
東海林まさみ …… 岡本杏理 (16歳・超引っ込み思案のおっとり屋)
水島かをり …… 忽那汐里 (16歳・人と群れることを嫌い、孤独を愛する性格)
武田真里亜 …… 小島藤子 (16歳・成績もルックスも学院 No.1 と自負)
本庄杏子 …… 朝丘マミ
横尾満美子 …… 麻生夏子
清水尚美 …… 菊里ひかり
神宮りおん …… 指出瑞貴
川原比奈子 …… 篠原愛実
朝比奈真琴 …… 高月彩良
黒田龍之介 …… 谷中敦 (セイラの父親、インドで事故死)
小沼誠一郎 …… 大和田伸也 (ミレニウス女学院の料理担当)
黒田薫子 …… 黒川智花 (セイラの母親。病死)
小沼日出子 …… 広岡由里子 (洗濯・掃除などの雑用)
三村笑美子 …… 斉藤由貴 (妹、古文担当の教師)
三村千恵子 …… 樋口可南子 (姉、学院長)

熊谷綾 …… 池田愛
小柳あゆみ …… 石橋菜津美
桜井ナナ …… 岸井ゆきの
堀場玲 …… 中村有沙
中谷美鈴 …… 西崎莉麻
森川裕子 …… 増元裕子
新田春美 …… 増山加弥乃
横田ケイ …… MIO
横田メイ …… YAE

少女時代のセイラ …… 中山凜香
少女時代の三村千恵子 …… 溝口まりも
少年時代の亜蘭 …… 相澤瑠星

栗栖慶人 …… 要潤
東海林君枝 …… 石野真子
東海林忠男 …… 緋田康人
水島あきら …… 市川知宏

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