ヴォイス 〜命なき者の声〜

脚本/金子茂樹
演出/成田岳、松山博昭、石井祐介
プロデュース/瀧山麻土香、東康之

http://wwwz.fujitv.co.jp/voice/index.html


第7話 命がけのタイムセール


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大己、亮介、哲平の目覚まし談義で花を咲かせる朝、東凛大学
の解剖室では今後解剖に二人ずつ研修生たちを参加させる事に
なる。まずは大己と彰がそれに当たることになる。

そんな時住宅地で倒れて死亡した65歳の女性・野間口静代の
遺体が運ばれてくる。7時頃突然倒れたという彼女。手には
手提げバッグ、タイムセールで購入した牛肉、そして電気店で
購入した目覚まし時計が落ちていたという。
いよいよ解剖のために執刀しようと言うとき、そこに静代の
夫・功が乗り込んでくる。彼は指一本遺体には触れさせないと
して、一度は了承していたが思い直したとして、解剖の中止を
要求する。左脇腹の皮膚の変色を見る限りでは、事件性を否定
できない事もあり解剖の必要性を説くも、結局死因不明のまま
遺族の元へ戻されることになる。
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法医学とは遺族を救う為の学問ではなかったのか?
死因を特定することが遺族のためになると思っていた学生たち
だが、今回は遺族から遺体を切り刻むことを拒絶され、そんな
考えに再考を促す展開になる。

今回はとても上手い構成の仕方で、これまでの中で一番ドラマ
として上手く描かれていた内容だった。
法医学者としての知識を問う内容ではなく、法医学者としての
心構えを問うような内容で、解剖すべきだとする者達と、
解剖しない気持ちも分かるとした相反する考えをぶつけた辺り
はとても興味深い。どちらの意見にも頷ける部分が存在し、
共感すべきものが有るという点で、判断に難しい内容だった。

何と言っても解剖をすべきだとする主張の先鋒に佳奈子を持っ
てくる辺りの設定の絶妙さが光った。過去の母親の件で15年もの
間悩み通した彼女だからこそ、その辺の主張に説得力がある。

ドラマとしてのスタート地点が解剖から始まるのではなく、
解剖を否定している状態での出発はかなり斬新では無いか。

一つ一つのアイテムがとても重要な役割を果たす。
そのアイテムの殆どが残される夫のためのものに妻が気遣って
残す物という点で感動がボディブローの様に効いてくる。

特売の肉はタイムサービスという状況を利用し、彼女のアリバイ
作りの為のアイテムとしての一面と、夫への思い出の味としての
一面も持つ。
目覚まし時計もまた残される夫への愛情の形と、アリバイを
証明させる為のアイテムとしての役割を担う。
目覚まし時計がなければ、電気屋にたどり着くのは難しいだろう
し、そこで夕方の17:30から18:00頃に放送される大相撲(朝青龍
の試合)をこの現場で見ていた事も判明しないだろう。

頑なに拒んでいた夫がこの人達ならば任せても良いと感じる
だけの情や熱意を感じられた分、とても納得するような流れに
なった。

加地大己- 瑛太 23歳。東凛大学医学部4年生。
石末亮介 - 生田斗真 23歳。東凛大学医学部4年生。
久保秋佳奈子 - 石原さとみ 22歳。東凛大学医学部4年生。
桐畑哲平 - 遠藤雄弥 22歳。東凛大学医学部4年生。
羽井彰 - 佐藤智仁 25歳。東凛大学医学部4年生。
蕉木誠 - 泉谷しげる 55歳。東凛大学法医学教室技官。
夏井川玲子 - 矢田亜希子 30歳。東凛大学法医学教室助教。
佐川文彦 - 時任三郎 55歳。東凛大学法医学教室教授。
羽井鳳子 - 濱田マリ 42歳。彰の母で、沖縄料理店
石末貴之 - 名高達男 50歳。亮介の父親で、石末総合病院院長。
大和田敏 - 山崎樹範 35歳。南府中署の刑事

法医学教室の事務員 - 今野ひろみ
堀井奈津美 - さとう里香

野間口静代 - 赤座美代子
野間口功 - 石橋蓮司

村松利史、坂本真、宍戸美和公、源崎トモエ
ティアラ(犬)、コースケ(犬)

源崎トモエさんのblog
http://ameblo.jp/kobe-gen/

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