夜光の階段

脚本/竹山洋
演出/藤田明二、今井和久、高橋伸之
プロデューサー/藤本一彦、布施等

http://www.tv-asahi.co.jp/yako/


第9話 衝撃の結末

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検事の丸岡に遺書らしき手紙を残して失踪したフジ子。
手紙には幸子を殺したのは私だと自白する内容が書かれていた。

母親が危篤との一報を受けすぐに病院に向かう道夫。
フジ子にもメールしすぐに来るよう伝える。
道夫は今にも亡くなりそうな母親を目の前にして、6歳の頃に
失踪して以来何をしていたのか聞きたかったのにと思っていた
ところ、フジ子から電話が鳴る。母親を電話口に出させるフジ
子は、母親から死ぬまで一緒に・・・と告げられる。
その直後容体は急変し亡くなるのだった。

フジ子は現在山中湖にいるという。
フジ子の遺書はマスコミにも出回る。これにより岡野の犯行を
問いつめることが難しくなったこと、更に心神喪失により起訴
を取り下げる用意もしているという。

道夫はフジ子を追って山中湖へと向かう。
フジ子に逢うと道夫は彼女に全てを告白しようと思うと告げる。
すると私達はまるで道夫の野望の炎に吸い寄せられる蝶の様な
存在だと呟いた。
どんな事をしてでも貴方を守るというフジ子は、その直後自ら
ボートの上から湖に身を投げる。すぐに道夫も彼女を助ける
為に水中に潜るが見つからず、フジ子は遺体で発見される。
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いよいよ最終回。
佐山道夫の悪事の全てがばれて警察に捕まってしまうのか。

佐山の身近に居た女性の全てが亡くなる事によりドラマを成立
させているので、なんとも惨い感じの結末。
結局女性を犠牲にしてまで彼が手にしてきたものとは何なのか
という悲しき問いかけが心を突き刺す。

ドラマとしてはどのような方法で一連の佐山の嘘を暴き、真相
を崩していくのかというのが興味の示す点だ。

結局ドラマとしては、彼の自供を引き出すことで全ての解決
を求めるものだが、自白させるという選択肢は、一番簡単な
様で実際には視聴者を納得させるには相当難しいモノがあると
思う。
母親が道夫にしてきた酷い仕打ちの件や彼を追いつめる為に
酷いことをしてきた桑山という人物の事を考えると、彼の説得
が佐山の心に響くものだろうかという疑問が付きまとう。

最後の公判での証言は冷静に考えると酷いもので、検事も弁護士
も一緒になって道夫を責める姿が有った。
本件とは逸脱しているような会話の流れも一切裁判官が制しよ
うとはせず、まるで警察署の取調室状態になっているところが
笑えた。

道夫に対して無償の愛を捧げてきたフジ子の死。
幼い頃に捨てられた彼が母親の愛情を求めているだろうことは
想像に難くはないので、フジ子の死と母親の死をもう少し
タイミング良く道夫の心に響かせると、自供への信憑性も上手く
いくのかなという気がした。桑山をからませるとどうしても
違和感を感じる。

佐山道夫 …… 藤木直人 (ヘアメイクアップ)
枝村幸子 …… 木村佳乃 (雑誌"女性回廊"記者)
福地フジ子 …… 夏川結衣 (雑誌"FLAG"記者)
村瀬進太郎 …… 渡辺いっけい (美容室経営)
村瀬みな子 …… 荻野目慶子 (進太郎の妻)
竹崎弓子 …… 南野陽子 (料亭"すずめ"の女将)
桜田健 …… 高知東生 (事務官)
岡野正一 …… 石井正則 (広告デザイナー)
岡野和子 …… 三浦理恵子 (正一の妻)
桑山亜希 …… 田丸麻紀 (信爾の娘)
丸岡房江 …… 余貴美子 (検事)
波多野雅子 …… 室井滋 (証券会社社長の妻)
桑山信爾 …… 小林稔侍 (検事)

村岡トモ子 …… 原幹恵 (道夫の元彼女・天拝山で殺害される)
藤浪竜子 …… 赤座美代子 (女優。枝村幸子の知人)
柳田利男 …… 増田修一朗 (村瀬の店)
マスター …… 深水三章
長谷川純 …… 海老澤健次
早瀬理恵 …… 野口逢里
西岡鋭二 …… 鈴木雄貴
ナレーション …… 津嘉山正種

中山早苗 …… 池内淳子 (中山グループ会長)
佐山槙子 …… 柏木由紀子 (道夫の母親)
畑山裁判長 …… 牧村泉三郎

田中洋之助、小笠原現祥

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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