幼獣マメシバ
(2009年)

監督:亀井亨
原案・脚本:永森裕二
製作:永森裕二、間宮俊二、関佳史、松本宏、青柳洋治、波多美由
紀、細井俊介、江副純夫、小川貴史、伊藤明博、曽我勉、岡田修紀
プロデューサー:森角威之
ラインプロデューサー:岩城一平
音楽:野中“まさ”雄一

http://mame-shiba.info/



第9話 ちゃんと気持ちを伝えた事が、生きてて一度もなかったのだ。
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二郎と山下知輔は、離婚調停中の御手洗クリスの変わりに、
自動車整備工を経営する夫の新造の元を尋ねる。
解体工場の前には大きな
グレート・デーン犬のギブミーが吠えて
いた。新造によると人が嫌いな犬だという。
二郎たちはひょんなことでクリスと出会い離婚届を持ってくる
様頼まれたことを告げる。そして彼女は慰謝料を請求している
ことを伝える。
新造は工場は抵当に入り、従業員も全員解雇した状態だとし、
現在金もやる気もゼロだと告げる。クリスの気持ちも分かるが、
自分としては離婚はしたくないという。二郎たちに金はなんとか
用意するが一度話すよう伝えてくれないか?と頼まれる。
クリスと話をすることが怖かった為に誰かから背中を押して
もらいたいと思っていた事を語る。

二郎はここに女性が来なかったか?と尋ねる。
新造は人当たりの良い女性が来た事を語ると、二郎はそれは母
だと確信する。人に懐くことのない犬・ギブミーがあの女性に
は慣れていたという。犬の名前は妻のクリスが名付けたとし、
吠え方がギブミーと言っている様だとの事だった。その女性は
ギブミーの頭をなでて暫く犬と喋り掛けていたという。
二郎はギブミーに何か物を付着させていなかったか?と尋ね、
母は自分へのメッセージの為に尋ね歩いている先で、赤いお守り
を付けて回っている事を話す。案の定首輪を見てみると赤い
お守りが付いていた。
二郎は静かにギブミーに近付くが吠えられてしまい怖じ気づいて
しまう。
二郎は新造に犬に弱点はないのか?と尋ねると、あの犬は鞠子
以外にクリスだけは近づけたと聞く。

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二郎は母親の消息を辿る中で、一組の離婚を前にして争いを
続ける夫婦と関わりを持つ。クリスが他人のことに思いやりも
見せず一方的に自分の主張ばかりを繰り返すことで、二郎は
心の中でわき上がる物を感じていく。

小型犬ではなく、大型犬と向き合うこと。
また離婚間際の夫婦と関わるウチに、人間社会のコミュニケー
ションの何かを掴んでいく。

旅をしていくウチに、二郎の足りない物を身につけさせていく
という段取りの良さが有り、楽しみながらそれらの欠点を指摘
して改善させていくという事で、とても興味深いもの。

二郎について回る山下知輔が、二郎と一緒にいると色んな事が
起こって楽しい事を口にするけれど、二郎自身も人との関わり
合いによって人生の楽しさだったり、色んな感情を持つことを
学んでいる感じ。

母・鞠子は歌が大好きだったこと。
父によると二郎が生まれたときに母が歌っていた歌が良かった
と告げていた事からも、お守りに入っている楽譜はその時の
歌なのだろうか?

芝二郎 …… 佐藤二朗 (無職の中年ニート)
芝鞠子 …… 藤田弓子 (二郎の母)
芝良男 …… 笹野高史 (二郎の父、故人)
財部陽介 …… 高橋洋 (二郎の親戚、郵便局員。)
芝富子 …… 角替和枝 (二郎の叔母)
芝重男 …… 志賀廣太郎 (二郎の叔父)
芝加代子 …… 渋谷琴乃 (二郎のいとこ。)

市村景虎 …… 高橋直純 (ペットショップ店員。)
御手洗藤子 …… りりィ (犬の銅像のある家、家主。)
山下知輔 …… ささの堅太 (喜助の息子)
氷川さとみ …… 伊藤かな恵 (富士見公園5時の少女)
御手洗クリス …… FIFI (新造の妻、離婚調停中。)
御手洗新造 …… 西本竜樹 (藤子の息子、工場経営者。)
笹波幸四郎 …… 西田幸治 (犬好きの元サラリーマン。)
八島秀吉 …… 山田将之 (二郎の中学時代の同級生)
八島千秋 …… 木夏リオ (秀吉の妻。)

ポロ …… まめてぃ (秀吉夫妻に飼われている犬。チワワ。)
一郎 …… 柴犬 (二郎が飼っている犬)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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