銭ゲバ

脚本/岡田惠和
プロデューサー/河野英裕、難波利昭
演出/大谷太郎、狩山俊輔

http://www.ntv.co.jp/zenigeba/


第4話 僕の家族は母さんだけズラ


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父親・譲次に風太郎との結婚をお願いする茜。
父親が言う前に風太郎は茜に言い聞かせる。一緒にいたいが
結婚は無理だと言うこと。三國家の人間と自分は分不相応で
有り三國家にとって自分は得体の知れない人間であること。
同じ様な空気を吸って生きてきた人が一番良い事を告げ、この
家を出ることを告げる。彼を引き留めようとする茜たちに、
貧しいとはどういう事なのか分かっていないと告げ、貧しさは
簡単に人間を変えること。そして愛を何処かに追いやってしま
うと告げた。しかし全ては風太郎が金持ちの心理を読んで仕掛
けた罠だった。それでも尚、茜が風太郎の事を三國家に戻して
くれることを願いつつ彼は再び派遣社員の仕事を淡々とこなす
日々を送る。
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いよいよ風太郎は三國家へ入り込む。
ただ入り込むだけでなく信用を得なければならないという事で、
少し遠回りな道筋だけど、自ら一度は抜けだし、相手から再び
呼び戻されるよう誘導していく流れはとても良くできている。
あくまで自分で入り込んだのではなく、相手側から手を差し伸
べてくる事こそ大切な要素で、一連の流れが風太郎によって
操られているという事を上手く誇示出来たのではないか。

特に風太郎が語る金持ちに対する観念は、僻み以外の何者でも
無いけれど、大多数は風太郎の気持ちに共感できるものでは
無いだろうか。

着々と三國家に侵略していく中で、健蔵が出てきたことでより
一層展開が読めなくなり、ドラマとして面白くなった。
風太郎主導で流れていたドラマが一瞬にして健蔵によって主導
権を奪われた事で不透明さを感じる。

白川の遺体の件は、前回風太郎が殺害した時と同じく、展開的
にはかなり簡略化されていたけど、その分風太郎と彼の顔色を
伺いながら掘り進める萩野とのやりとりが息も付かせないもの
になった事で結果オーライ。
当然ながらあそこに遺体が無いことと健蔵が処分していた
事も分かったけどね。寧ろ春子が青い顔をして戻ってきたのを
見ただけで、遺体が有ると気づいてしまった辺りの描写が興味
深いか。
風太郎が常々言っているように、貧乏人と金持ちという存在を
二分していること。上手く貧乏人同士は共感しているかのよう
に、直前に風太郎の気持ちを健蔵が洗いざらい語っていた辺りの
演出が活きていて、上手く説得力を持たせている。

風太郎の良い使いっ走りになってくれそうな枝野良夫の存在も
浮かび上がってきたし、自分が決めつけていた価値観とはまた
違う貧乏人像が野々村家の中から出てきたことで、彼の中で
どう処理されていくのかも見物だね。

蒲郡風太郎(23):松山ケンイチ (目尻に傷)
三國緑(24):ミムラ (長女)
萩野聡(36):宮川大輔 (刑事)
三國茜(21):木南晴夏 (次女、頬にアザ)
野々村香(16):石橋杏奈 (娘)
菅田純(25):鈴木裕樹 (刑事)
野々村晴香(34):たくませいこ (保彦の妹)
桑田春子(19):志保 (お手伝い)
蒲郡風太郎・幼少(11):齋藤隆成
三國譲次(56):山本圭 (三國製鉄)
蒲郡桃子(35):奥貫薫 (母)
野々村保彦(48):光石研 (料理店)
野々村祥子(36):りょう (妻)
蒲郡健蔵(45):椎名桔平 (父)

寺田(49):田口トモロヲ (派遣の同僚、撲殺)
萩野宏(22):近藤公園 (新聞店のお兄さん)
三國緑・幼少 : 森迫永依

白川正輝 : 田中圭
枝野良夫 : 柄本時生

白土直子、井上智之、山崎画大、小野晴子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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