銭ゲバ

脚本/岡田惠和
プロデューサー/河野英裕、難波利昭
演出/大谷太郎、狩山俊輔

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第8話 悪は静かに死んでやるズラ


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茜が自殺した。緑は風太郎に何をしたのか問いただす。
生きようが死のうが興味もないといっただけだという彼に緑は
ナイフで刺し殺そうと襲いかかるが、例えこんなボクでも殺せ
ば人殺しになる告げる。そしてボクを見届けると言っただろう
と彼女を落ち着かせた。
茜は幸せを失いたくなくて亡くなったのだろうという。風太郎
にとって唯一の理解者である事を告げるが風太郎は動揺一つ
見せない。
茜が自殺したことが萩野にも伝わるが、警察を辞めた人間だと
して関心を示さなかった。
風太郎は緑とドライブに行くことになる。
向かったのは母親と過ごした海岸沿いの小屋。父親に追い出さ
れた時に、辛いことがあったらここに一緒に来ようと約束した
場所だった。
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金持ちの風太郎の前に来るのは、皆彼の金を求めてやってくる
ものたちだった。

下手に同情的な内容ではなく、徹底的に金に勝る価値あるもの
は無いと主張する姿が印象的。それに対して、父親が最後の
教えとばかりに金なんて誰かが価値があるものと決めた紙切れ
だと告げる辺りが何とも言えないところ。

色んな所で人間の良心とか倫理観がお金に打ち勝って欲しいと
願うばかりだが、それを凌駕してしまう程金の勢いは凄まじく、
金はあるところには有るのに、使い方を知らない人たちが
無駄に消費していく現実を見て、いい知れない不条理さを感じ
ていくばかりの展開だった。

既に良心とか情だけでは解決できないものも有ることは萩野聡
のエピソードで描かれていただけに、定食屋のエピソードも
全く想像できないものではない。
ただ風太郎の人を愛さないと告げるガチさ加減が凄まじく、
野々村香を前にしても動じない執念がまた凄い。

皮肉なのは金持ちになって幸せを掴みたいという柱に刻まれた
傷通りの展開にならず、金は価値あるものと認識させつつも
必ずしも幸せになるための道具ではないという描かれ方をして
いる点。健蔵も使い方が分からず、金を返しに来る所が
なかなか良い感じに描かれていて、金に執着してもそこに幸せ
が無いことを描いているね。

新しい職場を探すズラみたいなセリフを吐く春子のシーンも
何気に情を無視して金に執着するものの存在を浮かび上がらせる
感じがして、なかなか効果的な存在だよね。

蒲郡風太郎(23):松山ケンイチ (目尻に傷)
三國緑(24):ミムラ (長女)
萩野聡(36):宮川大輔 (刑事)
三國茜(21):木南晴夏 (次女、頬にアザ)
野々村香(16):石橋杏奈 (娘)
菅田純(25):鈴木裕樹 (刑事)
野々村晴香(34):たくませいこ (保彦の妹)
桑田春子(19):志保 (お手伝い)
蒲郡風太郎・幼少(11):齋藤隆成
三國譲次(56):山本圭 (三國製鉄)
蒲郡桃子(35):奥貫薫 (母)
野々村保彦(48):光石研 (料理店)
野々村祥子(36):りょう (妻)
蒲郡健蔵(45):椎名桔平 (父)

寺田(49):田口トモロヲ (派遣の同僚、撲殺)
萩野宏(22):近藤公園 (新聞店のお兄さん)
三國緑・幼少 : 森迫永依

山田太一、高尾祥子、田中洋之助、島守杏介、外川貴博
岩寺真志、岡田正典、藤井雅之

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