10年先も君に恋して
(2010年7月期、NHK火曜22時枠)

作者:大森美香
音楽:河野伸

http://www.nhk.or.jp/drama/10nen/


第2話 運命の恋なんて
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里花の前に10年後の世界から来た円山が現れる中、円山は
かつての恩師・三田村幸助の元を訪ねる。
10年後に自分の結婚生活は破綻すること。出逢って一年後に
結婚するが、2年で綻びが見え始める事を告げ、だから二人が
やり直すために来たことを告げる。自分が今の世界にいられる
28日以内に二人の関係を壊すという。

里花は担当している小説家・日高の原稿を見る。
とても恋愛の描写に感動する里花は、これは間違いなく傑作
で有ることを告げる。日高は里花が支えてくれたからこそ
この小説が掛けたことを告げ、食事でもしないかと彼女を
誘う。しかし里花は、会社として当然入稿が終われば御馳走
すると告げる。

三田村は未来から来た円山に対して、暫く他人との接触は避け
た方が良いと告げ、此処に泊まるよう指示。教授は現在研究
している量子情報を未来に送る実験に成功した時に円山が来た
ので、未来から来たのではないかと思った事を告げる。

里花がエレベーターに乗る時に、円山も乗ってくる。
エレベーターを意図的に止めると、彼は頼みがある事を告げる。
バスに乗らないでと言ったあの日に、里花が格好良い男と出会
った事は知っているが、もう忘れて欲しいという。あれは運命の
男ではなく、彼を選んではダメだという。結婚の幸せは一瞬で
有り、10年後に必ず後悔することを語る。しかし里花は、私の
人生は私が決めるのだと主張する。そんな彼女に円山は、自分
が10年後の未来から来たことを正直に語り始める。そして自分
は10年後の君の夫であるとして、先日であった円山博の10年後
の姿だと語る。10年後俺達の生活は破綻していること。次の
デートの時に円山はパンダの様なTシャツを着てくる筈であり
里花の方から別れを切り出して欲しいという。
二人の会話は、本屋(二月堂書店)の中でも話し合いがなされ、
それは他人から見るとまるで男女の別れを迎えている様な会話
に見えるのだった。

里花は担当している小説家・濱田の元を訪ねると、依然として
仕事を受ける気はないと言われる。女性として一つ言いたい
事があるという濱田は、男の失敗は沢山しておいた方が良いと
告げる。濱田はそんな出会いと別れを繰り返し経験する中で
今の夫にたどり着いた事を告げる。里花は自虐的に自分は確かに
男運が無く、現在は未来から来たという怪しい男にストーキング
されている事を告げると、濱田はそのネタに食い付き始める。
今度その男性と逢ったときはすぐに報告するよう告げる。
里花は濱田が突然そんな事を言い出したことを気にするが、
書店で仲良くしている店員・草間から、先程里花の姿を見て
連絡を受けたのだという。

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里花は自分に付きまとっている人物が、10年先の未来から来た
ことを知る。彼から円山と付き合い、結婚していくことで後悔
する事を告げられて戸惑うが、里花にとって彼が言うような
不幸な未来図が想像できず、自分の人生は自分が決めるとして
彼を絶対に不幸にしないと誓う。

未来から来たという男の話を里花は何処まで信用していくのか。
これから起こるであろう未来を予言していったり、知るはずも
無い事実を提示していくことで、信頼感を得ていくもの。

信じる人、信じない人が居るというのは当然のことだろうし、
寧ろ信じる人が居ること事態が驚きのことだが、その辺は軽い
ノリで押し切っている感じだ。

ドラマとして最も辛く感じる所は、10年後の円山の姿を見た
時に、イマイチ里花の反応が鈍いこと。目の前にいる男は
若作りしているであろう技術者・円山とは明らかにソックリだ
し、普通もう少しリアクションが有っても良いのかなと思う。

本が好きな里花らしく想像力は豊かで、未来から来た人物を
受け入れて行くべき所も有る程度納得できるし、円山から言わ
れた言葉に戸惑い、本来あるべき運命をねじ曲げていきそうに
なる所など気を持たせるものだったが、運命とか愛という言葉に
集約される様に、出逢うべき人、結ばれるべき人とは、どんな
事があっても結ばれていく事が描かれていく所はとても面白い
もの。

しかしこの手のドラマでは普通、未来をなるべく変えないように
して目立つ行動は避けるのに、このドラマはそういう事、一切
無視しているな。辛うじて過去の自分と逢うことで頭痛が起こる
という症状が現れたり、自分が未来に戻るときには全ての記憶
は消されるという設定を設けているのだけどね。


小野沢里花 ……上戸彩 (26歳、円山里花(36歳)、出版社)
円山博 ……内野聖陽 (40歳、エレベーター会社、科学者)
三田村幸助 ……藤竜也 (63歳、教授)
青山比沙子 ……高島礼子 (45歳、出版社上司)
日高光治 ……劇団ひとり (30歳、若手恋愛小説家)
濱田梓 ……渡辺えり (50歳、女流作家)
川上哲夫 …… 渡辺いっけい (45歳、梓の夫)

蜂谷亜美 …… 木南晴夏 (26歳) 
小野沢佑太 …… 染谷将太 (19歳、里花の弟)
飯野マリコ …… 林丹丹 (19歳、佑太の恋人)
森村隼人 …… 中山祐一朗 (30歳)
宮下幹夫 …… JIN (出版社)
峯田 …… 塚原賢二 (出版社)
早苗 …… 本田有花 (生徒)
有美 …… 松岡恵望子 (生徒)

客 …… 小柳友貴美
客 …… 中村由起子
川上はるか …… 原田瑠利香 (娘)
川上あすか …… 柴田花恋 (娘)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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