10年先も君に恋して
(2010年7月期、NHK火曜22時枠)

作者:大森美香
音楽:河野伸

http://www.nhk.or.jp/drama/10nen/


第4話 恋の犠牲者?
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里花は宇宙エレベーター競技会に、会社の同僚の亜美を連れて
いく。初めて里花の彼と逢えるとして期待する亜美。
亜美はタイムスリップなんて信じないと告げ、仮に本当だと
したら、過去にまで頼みに来るなんて情けない事だという。
いざ博がやってくると、亜美は思わずそんなに情けない男には
見えないわねと告げる。

宇宙エレベーター競技会では、上空に飛ばされたバルーンから
垂れ下がるケーブルをそれぞれの用意したマシンを使って上昇
させていくというもの。
ケーブルの先には広大な宇宙が広がっているという博の言葉に
里花は思わずケーブルを握りしめ想像してみる。

里花の作ってきた弁当をみんなで食べる。彼女は博のために
お勧めの本も持ってくる。しかし博たちは生徒たちのトラブル
を解決するために一時的に研究室に戻ることになる。
亜美はこういう競技会はどうやって運営しているのか?と尋ねる
と大抵の場合ボランティアで運営されていると聞かされる。
それを聞いて将来が不安ではないか?と告げ、結婚するならば
有る程度金も必要だという。自分は30歳までに結婚したいと
いう亜美に対して、未来を知る里花はガンバレと思わず呟く。

里花はイベントを遠くで見ている円山の姿を見掛け声を掛ける。
思わず宇宙エレベーターが懐かしくて見に来たという彼。
里花は彼にいつ未来に帰るのか尋ねると、13日後だという。
火曜日の午後、この前尋ねた質問である10年後私達は何故ダメ
になるのか、その理由を教えて欲しいと頼む。そんな二人が
仲良く話しているのを、博の友人・村松が見ていた。

里花は円山と逢う。
元々別れるよう告げたらすぐに未来に帰る予定だったという彼。
未来で仲が悪い理由を尋ねると、結婚してから2年目に、オレの
転勤のために里花には今の仕事を辞めて貰ったという。
デトロイトの研究所に勤務し、そこで研究者として成功を収め
良い暮らしが出来るようになった事。しかし博が輝くのとは対象
的に里花は自分が沈んでいくと考える様になったという。貴方は
これで良いのかも知れないが、私は貴方の人生の付属品だと告げ
る。博は君のために頑張ったとするが、押しつけがましいとして
里花は一蹴し、自分はこんな生活をちっとも望んでいなかった事
を告げる。私の夢は貴方の成功の犠牲になったという。
一生愛していくものと思っていたが、必ず憎み合う事になると
いう。しかし里花はそれでも簡単に幸せになれるとは思っていな
いが、この恋を逃したくないと思った事。博とは幸せになれる
と信じている事を告げる。

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(※ 円山=未来の円山博、博=現在の円山博)

未来から忠告にやってきた円山に対して、徐々に好感を抱いて
いく里花と同時に、そんな彼と逢っている事を知ってしまった
博は逆に彼女を疑いの目で見始める。結果的に、円山がやろう
としていた事が実現化していくのだが・・・

自分のライバルは自分だったという何とも皮肉な展開が目の前
で起こっている。
説明しようにも説明の付かないこと。しかしそんな事でも一部
の人間は半信半疑ながらも信じている人もいることで、博に
対してその事実を伝えたとき、分かってくれるのではないかと
いう仄かな期待を寄せつつも、果たしてどういう反応を示すのか。

彼のために夢を犠牲にしようとした里花だが、相手の成功を
見てしまうとやはり嫉妬する部分が出てくる様だ。
人は願いが一つ叶うと、また別の欲求というものが出てくるもの
なのかもしれない。
里花のために得た名誉と金。彼の成功のために自分の夢を犠牲
にした彼女。問題の解決は、出逢いを否定することに有るので
はなく、彼女の夢を今さらながらサポートしてあげるというのは
出来無いことなのだろうか。

犠牲についてそれぞれの人物に話を聞き回るも当然ながら
答えは見つからない。犠牲も譲り合いも大切だが、譲れないもの
も有るとした比沙子の発言が一番現実的だろうか。

日高の存在が二人の間に入るとは思えないけれど、未来を知った
上で彼女はどう動いていくのか。


小野沢里花 ……上戸彩 (26歳、円山里花(36歳)、出版社)
円山博 ……内野聖陽 (40歳、エレベーター会社、科学者)
三田村幸助 ……藤竜也 (63歳、教授)
青山比沙子 ……高島礼子 (45歳、出版社上司)
日高光治 ……劇団ひとり (30歳、若手恋愛小説家)
濱田梓 ……渡辺えり (50歳、女流作家)
川上哲夫 …… 渡辺いっけい (45歳、梓の夫)

蜂谷亜美 …… 木南晴夏 (26歳) 
小野沢佑太 …… 染谷将太 (19歳、里花の弟)
飯野マリコ …… 林丹丹 (19歳、佑太の恋人)
森村隼人 …… 中山祐一朗 (30歳)
宮下幹夫 …… JIN (出版社)
峯田 …… 塚原賢二 (出版社)
早苗 …… 本田有花 (生徒)
有美 …… 松岡恵望子 (生徒)

川上はるか …… 原田瑠利香
川上あすか …… 柴田花恋
バーテン …… 螢雪次朗

山田古馬、石田由起子、醍醐直弘、羽柴達也、有馬拓人
酒田旅人、小山待子


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