10年先も君に恋して
(2010年7月期、NHK火曜22時枠)

作者:大森美香
音楽:河野伸

http://www.nhk.or.jp/drama/10nen/


第5話 愛のから騒ぎ
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博が帰った後、里花は円山に会いに行く。その姿を博が見て
しまい近づくと、円山は苦しさのあまりその場から走り去って
しまう。
一体誰と居たのか?博は里花に話しかけるも、彼女は説明できず
ごめんなさいと告げ円山を追い掛ける。倒れている円山の元に
三田村がやってきて、彼をタクシーで連れていく。

里花の元に駆け寄る博は改めて尋ねるが、里花は本当のことを
言おうとしてそれを抑え、知り合いだという。それは誰か?と
言う問いかけに、もう二度と会えなくなるかもしれない人だと
いうと、そんな言葉を信じるのは難しいという。競技会の時も
誰かにあって居たことを森村から聞いているとし、博はその場
から立ち去る。今は何も話したくないと告げる彼に、里花は
今度の日曜日に料理を作りに行くのを楽しみにしていると告げる。

比沙子は亜美と共に、昨晩の里花の出来事を語り合う。
未来から来た未来の自分に嫉妬している不思議な三角関係だと
言う。亜美は眼科医との付き合いに於いて二股をかけられて
いた事を嘆く。そんな二人の前に里花がやってきて、今は悩んで
いるヒマはないとして仕事に精を出す。

里花は日高に電話。
芥山賞や出版に関する打ち合わせの事を話した後、日高は逆に
里花に彼氏との近況を尋ねる。人の恋を聞くのが自分の役目
だというと、里花は今度ゆっくり話しを聞いて欲しいと告げる。

里花は梓の元に行くと、夫・哲夫から妻は凄い勢いで小説を
書いている事を聞かされる。里花も梓に仕事を言い渡され、
仕事に精を出すことになる。

その頃円山は研究室のソファーで目覚める。
三田村教授は彼に、未来から来たときの時空移動装置は何処か?
と尋ねる。装置の近くに行けば量子の誤差は抑えられるはずで
気分も良くなるだろうとの事。二人はその現場に行くと、そこ
は林の中だった。円山は10年後にはここはマンションが建つ事
を告げ、その最上階に我々が住むことになると告げる。
装置はここには無く、未来に有るという。しかし円山の体調
はみるみるウチに回復し、この場所が未来と繋がっている事に
驚きを示す。三田村はそんな彼を写真に収める。

梓の元で忙しく働いている里花の元に博からメール。
先日言い過ぎた事を謝罪し、日曜日は楽しみにしている事を
知る。里花は忙しさの余り返信することが出来ずにいた。
気がつくと梓の家で寝ていた。すぐに博の元に電話し、現在
外出先なので夜になるかも知れない事を告げる。すると博は
怒った口調でもう分かったという。仕事に夢を持っている君を
好きになったのだから仕方がないという。
そんな会話を聞いていた哲夫は、自分の時間を自由に使えなく
なるので梓の担当は大変ではないか?と問う。しかし里花は逆
に今のこの時を幼い頃から憧れていた梓と共に働けることに
感動していることを告げる。哲夫はそんな彼女にアドバイスし
梓には働くときのリズムが有り、15時間働き、2時間コーヒー
ブレイクし、5時間は眠るのだという。あと2時間くらいは寝て
いるハズなので抜けだしても大丈夫だという。

急いで博のアパートに行くも、彼は丁度外出するところだった。
里花は博が大事であり、浮気などしていない事を訴える。
仕事も大事だが博と出会えた事を凄いと思っているとし、
博と梓の原稿を例に出して、如何に博が大事かを説得しようと
する。博の機嫌が直ったかに思えたが、里花は余計な言葉を
口にし、結局怒らせてしまうことになる。

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博は里花が別の男性と逢っているのを知り、彼女に事実関係を
問いただすが里花は核心を語らないことで、弁明にばかり聞こ
えてしまう。
仕事の忙しさも重なり二人はすれ違いが続き、ついには別れの
言葉が飛び出す。

好きだという割になんの執着も見せずに別れを決断してしまう
所にやや説得力が無かったけれど、未来から来た自分に嫉妬
してしまうというシチュエーションはなかなか面白い。

三田村教授が自分の研究をするきっかけを語り、時間の尊さに
ついて改めて考える機会を与えたこと。
過去はどんなに努力しても変えられないが、未来を変える事は
出来るとした事で、結果的に円山のしている事の愚かさをつねて
いる辺りは、良くできた所だと思う。

しかしこれだけ里花の身の回りで未来からきた円山の事が既成
事実化しているにもかかわらず、里花が現在の博にその事実を
伝えられない所はやや違和感がある。元々未来から来た円山の
存在はもっと気を使って描くべきで、現代人と絡ませた事で
話としては締まりが無くなってしまっている所だと思う。

ここに来て日高の存在感も大きくなったが、それでも現状では
三角関係になるのは難しいかな。

円山が自らの意思で里花と博を結びつけようと考えたことで、
また一つ未来は変わった気がする。

もう少し未来を知るという円山がその事を利用する演出が有る
と面白かったと思う。


小野沢里花 ……上戸彩 (26歳、円山里花(36歳)、出版社)
円山博 ……内野聖陽 (40歳、エレベーター会社、科学者)
三田村幸助 ……藤竜也 (63歳、教授)
青山比沙子 ……高島礼子 (45歳、出版社上司)
日高光治 ……劇団ひとり (30歳、若手恋愛小説家)
濱田梓 ……渡辺えり (50歳、女流作家)
川上哲夫 …… 渡辺いっけい (45歳、梓の夫)

蜂谷亜美 …… 木南晴夏 (26歳) 
小野沢佑太 …… 染谷将太 (19歳、里花の弟)
飯野マリコ …… 林丹丹 (19歳、佑太の恋人)
森村隼人 …… 中山祐一朗 (30歳)
宮下幹夫 …… JIN (出版社)
峯田 …… 塚原賢二 (出版社)
早苗 …… 本田有花 (生徒)
有美 …… 松岡恵望子 (生徒)

城全能成、西岡野人


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