853〜刑事・加茂伸之介

プロデューサー - 菊池恭、須藤泰司、和佐野健一
脚本 - 櫻井武晴(1)(2)、岩下悠子
音楽 - 池頼広
監督 - 橋本一、森本浩史

http://www.tv-asahi.co.jp/853/


第2話 掟破りの捜査接点なき三つの殺人

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日本列島に台風9号が訪れる8月、一台の車が男性をひき殺す。
車の中から黒岩哲也が出てきて、怪我をする男性の事を気に
してすぐに119番に電話しようとするが、途中で気が変わり
すぐに車に戻る。その際ネクタイピンを現場に落としていく。

京都府警捜査一課では、加茂伸之介について話し合っていた。
彼が左遷されて再び府警に戻ってこられた原因は何なのか。
綾松なみえは過去の記事から2000年1月27日に起こった拳銃所持
の逃走犯を射殺した警察官の記事を見つけ出す。10年前の事件
で当時加茂は37歳の頃。名前こそ書かれていなかったモノの
その事件を起こしたのが加茂であることは明らかだった。
逃げる犯人を背後から撃ったという事を聞いて規律違反である
と告げる。しかし係長の武藤勇作が受け入れたのならば文句は
言えないと捜査一課の面々は告げる。

加茂はいつものようにクラブ"EVER GREEN"に立ち寄ろうと
するも所持金は2千円しかなく入り口で店員ともみ合っている
と、そこに10年前には大日本新聞の事件記者で顔見知りの黒岩
哲也がホステスらしい女性を引き連れて通りかかる。
スナック"愛口"でサチコから頼んでも居ない冷えたポテトサラダ
を食べた後、署に戻って調べると現在はローカル誌"夕刊フック"
のゴシップ記者になって居ることを知る。

そんな頃署では事件の捜査が行われていた。凶器に使われた
金槌はタイ製造の何処にでも有るもの。加茂は何の事件を調べて
いるのか尋ねると、事件の被害者が黒岩である事を知る。
彼はゴシップ記者なので怨恨の線は多いだろうと告げる。
亡くなった彼の携帯電話の履歴を調べると、元市会議員で建設
会社社長の剣持誠と二条院大学の教授・宇佐美正の二人によく
連絡を取っていたことを知る。

被害者黒岩の部屋を調べるとギャンブルにはまり借金まみれで
有ったことを知る。

剣持の元へ事情を聞きに行く。黒岩が亡くなったPM9:00からPM
11:00までのアリバイを聞くと東京に居たと証言。電話の内容を
聞くと途端に口を噤んでしまう。
宇佐美の元へ事情を聞きに行く。電話の件を聞いても何も話さず
アリバイを聞くとその時間は家にいたと語る。

加茂はクラブ"EVER GREEN"の店員に昨晩の事を聞く。すると
女性は祇園の高級クラブのホステスだという。祇園のクラブ
に聞いて回ると赤いバックの女性は麻生ゆかりであり一週間前に
結婚をすると言って辞めて居ることを知る。

彼女のマンションに行くも不在。
捜査一課では黒岩の所持している多数のUSBメモリーを調べる。
すると女子トイレの隠し撮りの映像が有り、その中で男性が
見つかって逃げる映像が残されていた。その中の男性の声は
宇佐美のようだとすると、早速科捜研で声紋分析に回される事
になる。
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殺された男性・黒岩哲也は加茂の知る新聞記者だった。
殺される日の夕方、偶然目撃した彼は一緒にいた女性を追って
捜査するもその女性もまた殺害されているのだった。

捜査一課は加茂を無視しつつも、彼のもたらす情報の核心性に
無視できない状況を使っていく。

ドラマとしては厳格な捜査方針に従う捜査一課に於いて、
加茂の型破りな一面を描いていくことで彼の優秀性を描くと共に
捜査法に於いては時に柔軟な姿勢が必要であることを訴えるもの。

今回捜査線上には3人の容疑者が出てきた。
市議会議員・剣持誠。
大学教授・宇佐見正。
ホステス・麻生ゆかり。

ドラマを見ていると、黒岩の死亡推定時刻のアリバイに於いては
宇佐見に明確な物が無く、麻生黒岩の死亡推定時刻のアリバイ
に於いては剣持が曖昧な証言をしているので交換殺人の案件を
扱っているのかと思わせた。

ドラマで面白く描かれているのは、一連の事件で容疑者と接点が
あるのは黒岩哲也だと思わせた所、実際には剣持誠を主軸に於いた
事件であったことだ。

加茂の存在を際立たせるあまり、彼が偶然見たものが重要証言
と繋がってしまう所など、やや作為的なものを感じるが
少しずつ彼の存在感が大きくなる様で見ていて安心するものが
有る。

コンピュータ捜査関係の一切は全て他の署員に任せるかと思い
きや、USBメモリーを徹夜で解析する根性もある。

過去の事件で引きずるものが有るようで、犯人に投げかける言葉
がそのまま自分に跳ね返ってくる辺りは、日本のドラマに多い
展開ではあるけれど、やはり興味深いものがあるかな。

加茂伸之介 …… 寺脇康文 (京都府警捜査一課)
佐々木雪子 …… 富田靖子 (京都府警捜査一課)
浜育実 …… 菅原大吉 (京都府警捜査一課)
真島航輝 …… 戸次重幸 (京都府警捜査一課)
酒井十一 …… 林剛史 (京都府警捜査一課)
綾松なみえ …… 新谷真弓 (京都府警捜査一課)
谷間桃子 …… 小川奈那 (京都府警捜査一課)
サチコ …… 平田裕香 (スナック愛口)
有沢栄次 …… 有薗芳記 (スナック愛口)
三原脩太郎 …… 金田明夫 (京都府警捜査一課)
武藤勇作 …… 田辺誠一 (京都府警捜査一課・係長)

麻生ゆかり …… 三津谷葉子 (ホステス)
剣持誠 …… 大河内浩 (建設業者)
宇佐見正 …… 奥田達士 (大学教授)
黒岩哲也 …… 木下ほうか (被害者、新聞記者)

中原和宏、迫田孝也、太田雅之、山本道俊、床尾賢一
園英子、中山京子

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