853〜刑事・加茂伸之介

プロデューサー - 菊池恭、須藤泰司、和佐野健一
脚本 - 櫻井武晴(1)(2)、岩下悠子(3)
音楽 - 池頼広
監督 - 橋本一、森本浩史

http://www.tv-asahi.co.jp/853/


第3話 二人だけの追跡!15年目の対決へ

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加茂はかつて一緒に府警で働いていた坂口正二郎と一緒にクラ
ブ愛口で飲み歌う。最近の若者は飲みに誘っても来ないという。
二人は飲みながらお宮入りした15年前の事件・花園事件につい
て語り合う。世の中はデジタル時代であり、坂口は良いときに
刑事を辞めたかも知れないと告げ、加茂にその内鍋でも食べに
来いと告げる。

加茂の元に娘の陽子からメール。復帰した祝いに鍋でもプレゼ
ントとしようかというもの。

翌日加茂は昨晩坂口と話し合った花園事件について、調書など
を掘り起こす。花園町の強盗殺人事件は公訴の時効が迫って
いたのである。

坂口は自分が勤める(有)藤田観光でタクシー運転手の仕事をし
ていると、一人の客を乗せる。四条河原町まで行ってくれと
いう男は、忘れもしない15年前の花園事件の容疑者とソックリ
の人相だったのである。

そんな中京都府警捜査一課では、武藤指揮の下で明應建設に
送られていたスカイキャッスル京都の建設を白紙に戻せという
脅迫状の件を調べていた。雑木林を切り開いて開拓する建設
に地元住民も反対しており、警察は反対派住民名簿を調べる。
その中には園田紘一という公安の古いリストに掲載されている
であろう人物の名前がリストアップされていた。1975年に全日
銀行爆破未遂事件に於いて極左グループに属していた園田は
爆弾を製造していた事があったのである。

坂口が乗せた男性・深町孝也はコンビニを見掛けるとタバコを
買うので止めてくれと言う。彼がコンビニに入ると坂口は
加茂に電話し、花園事件の容疑者を現在客として乗せている事
を告げる。指紋を手に入れるよう加茂は坂口に告げる。タイム
ズマート出町柳店のゴミ箱の下に指紋の付いたガムの紙を
置いておくという。
加茂はすぐに武藤にその事実を告げ応援を要請するが、もうすぐ
時効を迎える事件に於いて犯人が市内に戻ってくるのは変だと
して許可しない。しかし念のために彼は佐々木を加茂に付ける
のだった。
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確証のない捜査は行わない武藤と、刑事としてのカンによって
動き回る加茂や坂口の対比を描いたものだった。

二つの事件が背景にあり、最終的には三つの事件が一人の容疑者
によって引き起こされている事を描いていく。

冒頭から何の関係も無さそうな"マンション建設反対"の立て札
が一体何を意味するのか、そして加茂の流れと武藤の流れには
どんな繋がりがあるのか。

ドラマとしては最終的にアナログとデジタルの融合という形で
アナログ時代の人もそれに順応しているという面白いオチが
用意された。
無茶苦茶な追跡だと思う部分も有ったけれど、GPS携帯を上手く
犯人の持ち物の中に潜り込ませる辺りは面白い流れ。

ただ最近の刑事物のドラマから比較していく、武藤のしている
捜査自体もアナログっぽい一面があり、ちょっと不手際な一面
が有る。坂口が追跡している時にもわざわざタクシー会社に
問い合わせる為に足を運んだり、色々と時間の掛かる捜査法で
事件を解決しているなという印象しかなった。

毎回犯罪に於いては加茂の嗅覚の鋭さばかりが描かれ、
武藤の捜査が出し抜かれるシーンばかりが描かれている。
加茂の優秀さは分かるが、やはり武藤の捜査自体を否定してし
まうと、警察として発展が無いように感じる。昔ながらの捜査法
と現代の捜査法の善し悪しを上手く引き出すようなドラマに
なって欲しいね。


加茂伸之介 …… 寺脇康文 (京都府警捜査一課)
佐々木雪子 …… 富田靖子 (京都府警捜査一課)
浜育実 …… 菅原大吉 (京都府警捜査一課)
真島航輝 …… 戸次重幸 (京都府警捜査一課)
酒井十一 …… 林剛史 (京都府警捜査一課)
綾松なみえ …… 新谷真弓 (京都府警捜査一課)
谷間桃子 …… 小川奈那 (京都府警捜査一課)
サチコ …… 平田裕香 (スナック愛口)
有沢栄次 …… 有薗芳記 (スナック愛口)
三原脩太郎 …… 金田明夫 (京都府警捜査一課)
武藤勇作 …… 田辺誠一 (京都府警捜査一課・係長)

坂口正二郎 …… 前田吟 (元刑事、現スクシードライバー)
深町孝也 …… 吉満涼太 (犯人)
園田紘一 …… 藤木孝 (元爆弾犯)

まつむら眞弓、下元佳好、児玉純一、細川純一、町野あかり
宮嶋麻衣、恒松勇輝、窪田弘和、中山宗子、大林葉穂子

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