853〜刑事・加茂伸之介

プロデューサー - 菊池恭、須藤泰司、和佐野健一
脚本 - 櫻井武晴(1)(2)(4)(5)(8)、岩下悠子(3)(6)(7)
音楽 - 池頼広
監督 - 橋本一、森本浩史

http://www.tv-asahi.co.jp/853/


第8話 さらば京都被疑者になった加茂

--------------------------------------------------------
無縁仏に石を投げつける赤松進一の事を見た加茂は注意する。
加茂が警察だと知り、進一は警察は父親を殺したが感謝してい
るという。加茂は10年前に有った事件を思い出していた。
その時に連れていた母子の事を目の前の若者にダブらせ、何か
有ったら連絡して欲しいと名刺を手渡す。

銃の密売をしていた黒川春夫は、板倉信吾から銃を受け取るも
黒川はもう悪事には手を染めず自首することを告げる。それを
聞いた板倉の仲間は彼を銃で殺害。
ちょうどそこは赤松進一の働いていたスーパー"キャプテンマー
ケット"の地下駐車場で彼はその場面を目撃してしまう。急いで
逃げるが、板倉の仲間である上田茂、戸張俊二らが追い掛けて
くる。従業員用エレベーターを使ってなんとか逃げるも、板倉
は赤松の荷物から逃亡したのが進一だと分かってしまう。

加茂は一人"愛口"で飲んでいた。娘・陽子からお礼の七福神
ストラップをもらい、それを見ながら10年前の事件を思い出す。
そんな加茂の元に先程墓で出会った進一から電話が鳴り、人殺し
の現場を見たことを告げる。現在京洛フーズのトラックの中に
居ることを告げ、助けて欲しいと連絡する。
加茂はすぐに桃子に頼んでNシステムで検索して貰い、進一の
乗ったトラックと接触する。しかし同時に先程の殺し屋たちも
追い掛けてきて襲われる。

一方京都府警捜査一課は、加茂からの通報で被害者・黒川の遺体
を見つけ初動捜査の報告が行われる。そこには組対五課の本間
裕二や祇園北署銃器対策課係長の板倉信吾も合流する。
被害者は銃刀法で過去に前科が有る男。彼から銃を購入した
赤松修は民間人2人を殺した事件に発展したものだった。
現場に落ちていた社員証から現場にいたのは赤松進一だと判明
していた。もしかすると父に銃を売った男を狙ったのでは無いか
と推察する。

しかしそこに加茂から電話が鳴り、殺しの目撃者を保護している
との報告がある。しかし犯人に襲われている事を告げる。
板倉は10年前加茂と一緒に捜査をしていた事があり、彼は加茂
と電話で語る。もしかすると目撃者だとする男は拳銃を持って
居るかも知れないと。しかしそれは無いと加茂は告げる。
現在上島羽の廃工場に居ることを告げると、すぐに迎えに行く事
を約束する。板倉らが保護に当たろうとするが、現在捜査を
担当しているのは強行犯だとして武藤が告げる。
--------------------------------------------------------

加茂が10年前に左遷することになる事件と現在に於ける因果関
係を描いた話だった。

杉本哲太さんが悪役とは珍しいモノがあるな。

やはりドラマとしては、武藤と加茂の捜査に於ける信念の違い
を面白く見比べ、視聴者にどちらが正しい物なのかを判断させ
最終的にはミックスさせるような内容だった。

今回人間の信頼関係が一つのテーマとして刷り込まれていたも
ので、短いドラマではあったが、その辺は上手く描けていたと
思う。

武藤の法を遵守するやり方と、人間関係を優先するような加茂
のやり方。どちらにも一長一短が有り、それを遂行するのも
感情の有る人間ゆえにミスが有ったり間違いがあったりしなが
らも、警察官には共通すべき信念が有ると言うことが面白く
浮かび上がる。

加茂と仲間達の関係がようやく結びつくものが有ったところで
早々に退出してしまう辺りの皮肉さと、娘から逃げるようにして
また舞鶴海岸署に配属されてしまう事への切なさが描かれた。
最後まで陽子を演じていたのが誰なのかは分からず、シリーズ
を重ねていく事で追々明かしていくのだろうな。

加茂が武藤を気づかい自分が発砲したことにするなど面白い
シーンでは有ったが、ちょっと状況としては分かりづらかった。

加茂の10年前の出来事にしても、左遷されるべき事件なのかと
いう気がしないでもないしね。

今回の様な警察内部の不祥事の問題は2時間くらいのスペシャル
版でないと描ききれないものが有るなと感じる所もあった。もう少し
シリーズを重ねた後にこのエピソードを持ってくると効果的なんだけ
どね。
まぁ視聴率が取れるか取れないかで続編は決まっていくのだろ
うから、ここらで加茂の過去と加茂に繋がりのある人物の裏切り
行為的エピソードを持ってくるのは間違いではないけど、あり
がちな感じがしてくる所も確かだった。


加茂伸之介 …… 寺脇康文 (京都府警捜査一課)
佐々木雪子 …… 富田靖子 (京都府警捜査一課)
浜育実 …… 菅原大吉 (京都府警捜査一課)
真島航輝 …… 戸次重幸 (京都府警捜査一課)
酒井十一 …… 林剛史 (京都府警捜査一課)
綾松なみえ …… 新谷真弓 (京都府警捜査一課)
谷間桃子 …… 小川奈那 (京都府警捜査一課)
サチコ …… 平田裕香 (スナック愛口)
有沢栄次 …… 有薗芳記 (スナック愛口)
三原脩太郎 …… 金田明夫 (京都府警捜査一課)
武藤勇作 …… 田辺誠一 (京都府警捜査一課・係長)
海老原聡 …… 中原和宏 (京都府警)
尾藤勇造 …… 迫田孝也 (京都府警)

板倉信吾 …… 杉本哲太 (祇園北署銃器対策課係長)
赤松進一 …… 桜田通 (殺人の目撃者)
本間裕二 …… 佐戸井けん太 (組対五課)
戸張俊二 …… 青山勝 (祇園北署銃器対策課)
上田茂 …… 酒井健太郎 (祇園北署銃器対策課)

北沢光雄、松島柴代、野々村仁、林哲夫、西村輝星、宇野嘉高
石川栄二


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system