相棒9 (2010年10月期・テレビ朝日水曜21時枠) 脚本:戸田山雅司(1)(2)(9)(12)、太田愛(3)(5)(13) 櫻井武晴(4)(6)(8)(15) 徳永富彦(7)(14)、古沢良太(10)、ブラジリィー・アン・山田(11) 監督:和泉聖治(1)(2)(10)(15)、近藤俊明(3-6)(12)(13) 東伸児(7)(9)(14)、橋本一(8)(11) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/

第15話 もがり笛
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青梅医療刑務所で、突然警報装置が鳴り響く。
刑務官の石嶺聡が調理場を確認に行くと、経理夫の戸村隆正が
いた。部屋はガスの臭いが充満。すぐにガス栓を締めると
今度は留置所で異常を知らせる非常ベルが鳴り響く。すると
囚人であり患者の一人。浪岡収造(55歳)が刺されて亡くなる。

本来法務省管轄の医療刑務所だが、鑑識が必要で有る為に
警視庁の刑事も捜査に加わることになる。

相田宗太に話を聞くと、調理場の包丁は夕食を作ったときには
有ったという。刑務官の市倉康弘や看護師の井上洋子に尋ねる
と、重病人の房には個々の部屋には鍵がかかっていない事を
聞く。被害者の浪岡は回復傾向にあり、明日には元居た刑務所
に戻ることになっていた事を知る。何か変わったことは無いか
と尋ねると、死ぬ直前に浪岡に会ったのは教誨士の佐野一郎だと
いう。佐野は浪岡に教誨を受けてもらおうと説得したが断られ
たとの事。佐野によると廊下で変な音が聞こえたので看護師が
来る前に外に出たとのことだった。

調理場の鑑識に入っていた米沢によると、ガスレンジや包丁の
有った引き出しからは指紋が部分的に消えているという。
手袋をしていた可能性が高いという。

相田によると、調理場に入れるのは職員か経理夫と呼ばれる
軽犯罪者の戸村だけとの事。

浪岡の事を調べると彼は暴力団員で、10年前にケンカの仲裁に
入った茂田信を殺害した罪で服役したという。肝硬変で医療
刑務所に転院になり、回復傾向にあったとのこと。浪岡は
暴力団から足を洗うという離脱指導を受けているが、最近
仮出所が取り消しになっていた事を知る。離脱したというのは
嘘で、保証人には暴力団関係者の女性が署名しているとの事
だった。

浪岡とは向かいの房にいた江田勉(64歳)から話を聞く。
彼によると浪岡が死んでくれて清々したという。あいつだけ
助かるなんて不公平だという。江田に浪岡の件で何か気がついた
事はないか尋ねると、数日前に殺してやると叫んでいた事を
聞く。
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医療刑務所で殺人事件が起きる。
外部からの犯行は考えづらい状況の中、調理場に入れる人物が
限られていることから、事件の究明にはそう時間がかからない
と思われたが・・・

被害者遺族の心情に触れるという展開で、火曜日に放送した
「CONTROL 犯罪心理捜査」の6話とだだ被りな面があった。
介護士になろうとしている人が被害者となるのか、加害者と
なるのかと違いは有ったし、当然ながら状況設定など全く違う
ものなので、これはこれで楽しめたけどね。

ただいくら何でも医療刑務所になれば監視カメラが付いて居る
んじゃないかと思ってみたり、調理場で包丁を盗むときの犯人は
手袋など全くしていなかったので、米沢が語っていた指紋ネタは
少々意味を成さないような感じがした。

聖職者から話が聞けるとする辺りのナンセンスさが正直気に
なるものが有った。
看護師のウチ、どちらかが遺族関係者であろうというのは想像
に難くはなかったので、どのような理由付けがしてあるのかが、
ドラマとしてのポイントとなった。

また遺族のものが、加害者を助けなければならないとする
複雑な状況・心情が有ったり、幾つかの奇異的事象の真意を
確かめながら進んでいくという意味ではとても面白いものだった。