相棒9
(2010年10月期・テレビ朝日水曜21時枠)

脚本:戸田山雅司(1)(2)(9)(12)(16)、太田愛(3)(5)(13)
櫻井武晴(4)(6)(8)(15)
徳永富彦(7)(14)、古沢良太(10)、ブラジリィー・アン・山田(11)
監督:和泉聖治(1)(2)(10)(15)、近藤俊明(3-6)(12)(13)
東伸児(7)(9)(14)、橋本一(8)(11)、田村孝蔵(16)


http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/



第16話 監察対象杉下右京
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警務部の会議室では監察官の仁木田栞が居た。
彼女は米沢を呼び出すと、特別監査の為に呼び出した事を語る。
しかしその対象は米沢ではなく、特命係の杉下右京だという。
警務部に匿名の告発状が届けられたとし、杉下右京の事について
米沢から聴取する。

現在右京が担当している事件について話す米沢。
被害者は
アルタイル証券社長・金谷陽充。ネット証券界では
時代の寵児と言われる彼だが、最近脱税の噂が流れていた。
米沢は臨場要請が有ったことを右京に話したことを告げると、
厳密に言えば職務執行法違反であると栞に指摘される。

金谷は六本木に住居も会社もあるにもかかわらず、亡くなったの
は西新宿に借りていたマンションの一室だった。
死因はコーヒーの中に含まれていた青酸化合物。彼のPCには
遺書のようなものが書かれていた。争った形跡もなく自殺の
可能性が高い。

第一発見者であり会社で専務をしている
佐橋俊雄から事情を
聞く。金谷の妻から連絡が取れないと聞き、ここにいるので
はないかとして合い鍵を使って入ったところ亡くなっていた
という。金谷の妻はこの部屋の存在を知らず社内でも一部の人間
しか知らないとの事。浮気の密会場所として使っていたのでは
ないかと佐橋は語る。

右京はこれは自殺ではなく他殺の可能性が高いという。
遺書が書かれたのは午前3時52分に保存されていること。
NYの取引証券の株価をチェックしている事。コーヒーは5杯分
を作っていること、恐らくそれは朝6時に終わるNYの取引の
株価を見るために想定したものだろうとし、死ぬつもりなど
無かった事が示唆されるという。
遺書を書いたPCのキーボードを調べると手袋をした手で打った
であろう事が伺えるというのである。右京のお陰で初動捜査
が速やかに移行できたとするが、栞は結果ではなく全ての
プロセスは法に則って行わなければならないと指摘する。

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突然杉下右京に対する告発状が届いたことから、監察官の
仁木田栞が事実関係の調査の為に、彼の身近にいる捜査員から
事情を聞いていく。果たして右京は告発状に書かれているよう
な問題のある刑事なのか!?

刑事ドラマを普通の形では描かずに、ちょっと手を加える
だけで、こうもドラマとしての印象が変わってくるという事を
描いた話だった。
普通に描いていくとどうしても、捜査一課の伊丹刑事や、
組対五課の角田刑事の役割は、"いつも通り"の登場になるけれど
彼らの役割も上手く見せ場として描かれているし、何よりも
伊丹刑事が右京のことをどのように思っているのかが描かれた
事もあって実に興味深くなった。
シーズン9ともなればマンネリ化してしまった部分もあるために
見せ方としても一工夫加える必要も有るのだろう。

現在公開中の映画版を見ていないこともあって、映画版で
小野田公顕の身に何かあったのではないか?と思わせるシナリオ
の作りが興味深く写る。右京の後ろ盾が無くなったというセリフ
や、副総監一派が台頭してきたという事からやはり映画で
小野田がどうかなってしまったのだろうか。

事件自体は至って普通のものが有ったけれど、証言者によって
違った角度でその時の状況を描いていく姿が上手く描かれている。

右京がどの時点で着眼点を持ったのか。
新聞記者と、不動産会社と、証券会社の繋がりはどんな所から
見出していくのか。
どれも視聴者の予想を一歩先に行く展開が用意されていて、
改めて事実が描かれた後にも、流石右京だと言えるだけの納得
感が存在している。

しかしやっぱり堀内敬子さん可愛らしいね。
一話だけで役割を終えてしまうのが実に勿体ない。
是非相棒ファミリーの数少ない女性監察官としての役割を
継続して与えて欲しかった。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)


仁木田栞 …… 堀内敬子 (監察官)
金谷陽充 …… 俊藤光利 (アルタイル証券・社長)
佐橋敏雄 …… 橋沢雄一 (アルタイル証券・専務)
森井孝次郎 …… 伊東孝明 (帝都新聞)
仙道信義 …… 篠塚勝 (ファーイースト不動産・社長)

金子太郎、星野美穂

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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