エンゼルバンク 〜転職代理人
(テレ朝/2010年1月期・木21)

脚本:荒井修子
演出:片山修ほか
プロデューサー:大川武宏、遠田孝一、布施等、藤田滋生

http://www.tv-asahi.co.jp/angelbank/


第2話 職場いじめに泣く男就職氷河期!!不況に強い会社の見分け方!

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井野真々子は友人の野々村南と共に親友ユミの結婚式へと出席
する。二次会でペア温泉宿泊券が当たるビンゴゲームを行うが
二人とも外れる。当たったのは25歳の男性・山口彬裕。温泉に
行きたかったと語っているとそこに山口がやってくる。新郎の
友人で井野真々子の事は彼らから聞いて居るという。恋の予感
かと思う井野真々子は必死にアピール。

翌日会社では真々子が友人の結婚式に出席したことが噂になって
いた。結婚式に出席すると人は転職したくなるものだという。
良い会社の人たちと自分を比べてしまう為のもの。
そんな中、マナミから真々子に会いに来た男性が居るという。
山口という鳥満商事の男性で転職したいのだという。
彼に会う真々子は昨日彼が声を掛けてきた理由が初めて分かる
と共に、必死にアピールした事を雑談として済まされていたこ
とにショックを受ける。
彼から話しを聞くと今の職場で営業をして二年になるのに、
古くさくて地味な事業内容の上、雑用ばかりさせられ毎日同じ
仕事の繰り返しであること。このままでは向上心は生まれず、
自分は企画や宣伝のような派手で主役になれる仕事がしたいと
いう。即戦力として十分に実力が有り、今の職場から学ぶことは
何もないのだという。それを聞いた真々子は学ぶと言うことは
息の長いことであり、二年くらいで全てを分かるような気にな
っている彼のことをツネ、そんな事では何処に行っても通用
しないと語ってしまう。説経を聞きに来たのではないとして
彼は怒って帰ってしまう。

真々子はその事を海老沢に話して謝罪すると、代理人としての
センスが有ると逆に誉められる。彼は第二新卒という立場が
自分に有利だと考え浮ついていたのだろうとの事。確かに少し
前の時代には有利なときもあったが、第二新卒とはあくまで
企業の職員数の帳尻合わせであり、企業の匙加減で必要数に
満ちれば採用は無くなってしまうものだと告げる。そんな人材
が目を惹くためには、どれだけ自分を価値ある人間だと見せら
れるかてせ、面談に於いて能力と適正を見せられるかが大事
だという。彼は真々子に求人している企業を知ること、そして
それらの企業の人事担当者に会うことが大切だと告げる。

真々子は山口にメールし、先日のことを謝罪し、転職先を探す
事を約束すると彼は翌日すぐに会いに来る。
真々子は海老沢に言われたとおり、五角形の図形の書かれた紙
を手渡し、仕事をする上で一番大切なものだと思うモノを5つ
上げて欲しいという。そしてそれぞれに5点満点で現状を評価
してもらう。山口は全25点満点中13点を付けた。そして今度は
転職の時どの分野を求めるのかで同様の図形に得点を付けて貰う。
全25点満点中20点を付けた山口に対して、総合点が増えるという
のは勘違いで、転職はリセットではなく人生のチューニングで
有るという。人はどんな仕事でも何かしら我慢しなければなら
ない事、賃金、労働時間、将来性、やり甲斐・・・全てを満た
す企業は一つもなく、賃金をもらえるのならばそれなりのリスク
と重圧を抱えるものであり、問題は何を我慢できるのかという。
今の自分のストレスを軽減させる配点を付けてそれに合う仕事
を見つけるべきだと告げる。
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自分は就職氷河期の被害者であると感じる山口彬裕は、タイミ
ングを見計らって第二新卒の枠での転職を希望する。
大学の新卒者に比べて現場で二年を経験した分、即戦力として
働けると考え、自分にはあらゆる可能性が有ると信じている
のだが・・・

日本のドラマらしく言葉の一つ一つが説経じみていて、至ると
ころに大事なポイントが含まれている。
現代、そして転職に於ける最新の傾向がキーワードとして刷り
込まれているけれど、このドラマを五年後くらいに見ると途端
にその常識は通用して居なさそうな感じもする。

冒頭の自己分析の作成はなかなか核心を突いていて良かった。
転職は人生のリセットだと考えられがちだが、実際にはチューニ
ングであるという事。
10年くらい前の転職の定義は確かにリセットと考えられていた
のではないだろうか。

転職に於いて否が応にも前にいた環境以上のものを求める為に
その分変なプライドが作用してしまうとか、今の会社から逃げ
たい人物は会社の大小に関係なく不満を漏らすものだとか、
言葉の端々に真実が含まれていてその都度身につまされる人も
多そうだ。

退職し転職活動をするも現実を知って徐々に目標を下げていく。
転職とはまさに社会に於いて自分の価値というもの計るもので
それがダイレクトに伝わるだけにとても無情なものだと感じさ
せる。

しかし絶望的な現実を目の前にして、逆に現実というものが
分かり、まるで転職代理人が人間再生をするかのように息を
吹き込んでいく所は面白いし、最後は上司の人情によって
助けられる辺りの暖かさがとても皮肉に映る。この企業の古い
社風が世知辛い世の中から逆に人情というものを際立たせた
感じだね。

井野真々子 …… 長谷川京子 (ライフパートナー社員)
田口僚太 …… ウエンツ瑛士 (ライフパートナー社員)
江村夏生 …… 中村蒼 (真々子の元教え子)
小笠原マナミ …… 大島優子(AKB48)
北城薫 …… 君沢ユウキ (ライフパートナー社員)
日比野糸子 …… 奥村佳恵 (ライフパートナー社員)
唐木田衿子 …… 鈴木美恵 (ミス新百合ヶ丘商店街)
川添甚助 …… 尾美としのり (ライフパートナー社員)
唐木田力哉 …… 高知東生 (居酒屋リッキーのマスター)
園池真二郎 …… 西岡徳馬 (ライフパートナー・社長)
海老沢康生 …… 生瀬勝久 (ライフパートナー社員)
野々村南 …… 村上知子 (真々子の親友。夫は韓国)

山口彬裕 …… 忍成修吾 (鳥満商事)
竹田信也 …… 中原丈雄 (鳥満商事)

犬飼若博、芹口康孝、菊地幸代、まぁこ、原田綾美、坂城君
山崎哲史

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