エンゼルバンク 〜転職代理人
(テレ朝/2010年1月期・木21)

脚本:荒井修子
演出:片山修ほか
プロデューサー:大川武宏、遠田孝一、布施等、藤田滋生

http://www.tv-asahi.co.jp/angelbank/


第3話 冒険か妥協か!?働く女性人生の選択

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北川久美子は一流商社の江戸山商事で働いていた。
石原という社員と一緒に仕事をこなすが、上司の福田に評価
されるのは石原だけという状況に不満を募らせていた。

一方井野は色んな転職者と面談し、リストラ、セクハラ、うつ
病など様々な話を聞いていた。
何で私はこの仕事をしたのか、このまま働き続けるのか。

社内では海老沢が女性とデートしていたという噂だったり、
田口が女性から二股を掛けられるという話で盛り上がる。

井野の元に北川が相談に来る。
しかし彼女は井野が新人だと知ると、事務的な処理だけをすれ
ばよく、余計なアドバイスなど一切要らない事を口にする。
その上で自分の転職先として、商社で上場一部の求人を紹介し
てくれと語る。

そんな不躾な客に井野も激怒。その不満を海老沢にぶつける。
彼は恐らく彼女は複数の転職エージェントに登録しているはず
だという。入社して10年、一般職から総合職に転職を希望して
いるのを知り海老沢は転職は無理だとあっさり語る。それを
聞いて逆に井野は私が決めると張り切るのだった。

再び北川と面会し、会社のコンピューターから彼女に合う企業
をリストアップする。しかし北川は予め条件を言ってあったで
しょうとして、自分で勝手に会社のコンピュータを操作し、
大手企業をリストアップする。しかしアシスタント経験しか
無い一般職の人物では無理だと告げると、総合職を希望して
悪いのかとして憤怒してしまう。

海老沢に報告すると、一般職は企業の傾向として派遣社員を
使うので一般職同士の転職も難しい状況で、30歳を過ぎた一般職
の女性の転職は皆無に近い事を告げる。井野に今以上の所を
見つけることは出来るのか?と問いかける。井野は一般職と
総合職の格差がこれ程までにシビアである現実を知らず、世間
を全然分かっていなかったとして、自分の無知さを嘆く。
海老沢はこの件は他社に任せておけという。
更に海老沢は別の案件が有るという。企業内育児支援のベンチ
ャー企業が優秀な人を紹介して欲しいとの依頼を受けていると
の事。その会社の社長と会ってみてくれと言われる。
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会社で正当に評価されない30代の女性の苦悩を描いた話だった。

展開上説得力があったのは、無難な選択を見せても、それは
問題を解決したとは言えず、再び我慢の道を歩むことだとして
根本的な物事の転換が必要であることを示唆する内容だった点だ。

主人公の井野自身が味わう30代の女性の苦労をオーバーラップ
させて今回の対象者である北川との関係を近づける辺りも、
展開としては上手く出来ていた。

ドラマでは色んな所で主人公に対してヒントとなるべき言葉が
含まれているという親切設計だ。
親友の南がさり気なく口にする友人の話の中には、小さい会社の
方がやり甲斐が有ることを告げていたし、今回井野が扱う二つの
案件は如何にも必要とするモノ、必要とされるものの関係であり
補完しあえるものが有るとすぐに分かる。
さり気なく社員達が話し合う二股の話なども、今の井野にとって
は考える上で参考になるべきものが有ったのかも知れない。

大企業の看板がその人自身の価値を決めるモノではなく、
働いていく上で必要なモノは何なのかと問いかけるところは
ドラマを深いものとさせた。今必要なのはリスクを飲み込む
勇気だと言うけれど、何時の時代、何時の年齢であっても
それは必要なモノだと思う。

ベンチャーの意味を説く辺りも面白いモノだったね。

起業するには景気の良いときが良いのか、不景気の時が良いのか
海老沢が語る豆知識も面白いモノがあった。

井野真々子 …… 長谷川京子 (ライフパートナー社員)
田口僚太 …… ウエンツ瑛士 (ライフパートナー社員)
江村夏生 …… 中村蒼 (真々子の元教え子)
小笠原マナミ …… 大島優子(AKB48)
北城薫 …… 君沢ユウキ (ライフパートナー社員)
日比野糸子 …… 奥村佳恵 (ライフパートナー社員)
唐木田衿子 …… 鈴木美恵 (ミス新百合ヶ丘商店街)
川添甚助 …… 尾美としのり (ライフパートナー社員)
唐木田力哉 …… 高知東生 (居酒屋リッキーのマスター)
園池真二郎 …… 西岡徳馬 (ライフパートナー・社長)
海老沢康生 …… 生瀬勝久 (ライフパートナー社員)
野々村南 …… 村上知子 (真々子の親友。夫は韓国)

北川久美子 …… 櫻井淳子 (32歳、江戸山商事の一般職)
岡本麗華 …… 羽田美智子 (企業内育児支援"フェアオアシス")
松田陽子 …… 今井りか (保育士)

尾関伸嗣、武発史郎、猫田直、庄司麻衣、福山亜弥
こんどうえみこ、徳秀樹、渡辺かな子、上村公臣代
齋藤友恵、新原邦代、福井絵美

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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