エンゼルバンク 〜転職代理人
(テレ朝/2010年1月期・木21)

脚本:荒井修子
演出:片山修ほか
プロデューサー:大川武宏、遠田孝一、布施等、藤田滋生

http://www.tv-asahi.co.jp/angelbank/


第4話 父の退職!!試される家族の絆

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キタバシ工業でエンジニアの江村良男は、同期で上司の中島
文雄から早期退職の話を持ちかけられる。現状のままだと子
会社の倉庫番くらいしか無いとして、早期退職ならば特別金が
支給されるという。

一方井野は江村夏生に取りあえず受験しろと迫る。しかし夏生
はなんとなく受験するのが嫌だし、どうして大学に行かねば
ならないのかと問う。高校の三年間に将来を決めるにはあまり
にも難しいので大学に入って将来を決めれば有意義だという。
これは元担任の責任でも有るという。

そんな中、井野は面談に臨む。
やってきたのは江村良男だった。この歳になって会社からこんな
扱いをされるとは思っていなかったという。会社へは家庭を
犠牲にして貢献してきた自負があり、リストラは他人事かと
思ったという。お茶を入れに来た夏生。そこで初めて良男とは
親子である事を知る。
井野は夏生に三人で話をしないかとするが、父が心配している
のは自分の仕事の事だけだとしてそれを拒否する。
海老沢に相談すると難しい年代だからという。しかも依頼人の
良男の転職も難しい事を聞かされる。中高年の転職マーケット
を持ってきた田口。海老沢は50代の転職を語り、彼らは三つに
分類出来るのだという。

A、優秀で何処でも活躍できる人。B、優秀だが転職すると力を
発揮できない人。C、優秀ではないので転職しない方が良い人。

AとBの違いは、仕事とは何かを知っている人で、仕事は作業で
は無く人間関係である事。Bはトラブルが起こると数人で解決
する企業内特殊熟練と呼ばれ、社内の人事に詳しいが別の会社
に映ると動けなくなってしまうのだという。
井野は更に海老沢から年功序列制度とは何かを尋ねられるが
答えることが出来ず、それでもこの件を成功させると意気をま
く。

井野はエンジニアの転職には、これぞという技術が有ると良い
事を聞き、依頼人の経歴を調べる。機械式立体駐車場を設計
しているという。しかしそこに夏生がやってきて、父親のこと
をボロこそこき下ろす。井野は仕事の厳しさを知らない貴方に
馬鹿にする資格はないと語る。
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このドラマ、良くできていると思う。
何が良くできているのかといえば、セリフの中の言葉がどれも
現状を正しく指摘していて真理を突いているところだ。
しかしセリフ自体が役者達の演技を凌駕してしまい、正しい
言葉の羅列的ドラマに感じてしまう。
こう有るべきだと視聴者を教唆し過ぎており、耳の痛いドラマ
を視聴者は敬遠してしまうものでは無かろうか。

さて今回は50代のリストラ、そして転職の話だった。

何故エンジニアや設計がこうもあっさりと時代に乗れず会社
からあぶり出されてしまうのかがイマイチ説得力が無かった
が、年功序列の法則によって、中間層がダブつき会社としても
余剰の人員として存在してしまう所がちょっぴり寂しいもの
だった。

夏生と父親の関係は、ドラマでは良く取り上げられる親子関係
だけど、実際に仕事している現場を見せることで息子が父親の
背中を見て姿勢を正すという結末自体もありがちなものだった。

江村良男が設計したものに対して、他の社員はトラブルを解決
できず、この会社はこんな人材を放出しても大丈夫なのかと
思わせる。しかしそこで無理矢理引き留める物ではなく、新し
い進路を見出した所は良かったけれど、やっぱり国内では中年
エンジニアの居場所が無い事には変わりなく、発展途上の国に
送り込んでしまう辺りの現実がちょっと悲しくさせるものだった。

ドラマの中で説明のあったBに分類される江村良男が、転職する
事でAに分類される事が出来るのか。

井野真々子 …… 長谷川京子 (ライフパートナー社員)
田口僚太 …… ウエンツ瑛士 (ライフパートナー社員)
江村夏生 …… 中村蒼 (真々子の元教え子)
小笠原マナミ …… 大島優子(AKB48)
北城薫 …… 君沢ユウキ (ライフパートナー社員)
日比野糸子 …… 奥村佳恵 (ライフパートナー社員)
唐木田衿子 …… 鈴木美恵 (ミス新百合ヶ丘商店街)
川添甚助 …… 尾美としのり (ライフパートナー社員)
唐木田力哉 …… 高知東生 (居酒屋リッキーのマスター)
園池真二郎 …… 西岡徳馬 (ライフパートナー・社長)
海老沢康生 …… 生瀬勝久 (ライフパートナー社員)
野々村南 …… 村上知子 (真々子の親友。夫は韓国)

江村良男 …… 北見敏之 (キタバシ工業・課長)
中島文雄 …… 中丸新将 (キタバシ工業・部長)
室田 …… 升毅 (テクニカルエージェント)

渡邉紘平、山崎画大、笹山哲平、川名幸男、神谷功
仲村裕子、倉持利夫

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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