同窓会 〜ラブ・アゲイン症候群
(2010年4月期・テレビ朝日・木21時)

脚本/井上由美子
演出/藤田明二ほか
プロデューサー/黒田徹也、清水真由美

http://www.tv-asahi.co.jp/dousoukai/


第6話 さようなら、あなた
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誠一郎が風呂に入る間、朋美はゴミ出しにいく序でに、携帯電
話を持ち出し杉山の元に電話する。娘の彩と二度と逢わない事
を約束した朋美は、杉山に好きだと告白し、彼に嘘を付いていた
事を告白。夫は現在失業中で、惨めな生活をしている事を言った
ら嫌われると思って言えなかったという。しかし杉山は、そんな
事で嫌うと思っていること自体が最悪だと語る。
嘘を付いたままでは別れたくなかったこと。娘との約束で、もう
逢うことが出来無いことを語り、電話を切る。誠一郎は二人が
電話しているのを遠くから見ていた。

一方真一は亜紀と一緒に飲み屋へ。
真一は彼女に今度書いた記事について論評を求める。
すると攻める記事を書くのが週刊プライムの良いところなのに
この書き方では面白くないと告げる。

陽子は夫の正隆から会社が倒産する事を聞かされる。
事業を広げるときに借りた金が返せないという。一度信用を失う
と終わりだと告げる。

杉山は竹原から容疑者・瀬島の情報を受け張り込みに行こうと
すると、上司の飯塚から西立川署に応援に行くよう言われる。
国交省勤務の福島の失踪の件で協力を拒んだ事に対する、上司
からの嫌がらせだが、警察は組織だとして、勝手な行動に走る
部下を野放しには出来無いという。しかし杉山は野放しに出来
無いのは犯人であり、瀬島の捜査続行を願い出る。一両日中に
逮捕できなければ他に回すと言われる。

朋美は同窓会に着ていった白いドレスを見ながら杉山との事を
思い出していると、誠一郎からそれを見抜かれ、今何を考えて
いたのかと問い詰められる。誠一郎はドレスを取り上げ、ゴミ
箱に捨ててしまう。
翌日、彩は学校に行く際、朋美に信じて良いよねと改めて尋ね
る。朋美は勿論だと語り娘を安心させる。
朋美はパートに出ようとすると、夫が入り口のドアの前に立ち
ふさがり、他の男に惚れている女性を外には出せないと告げ、
パートに行かせるのを阻止しようとする。パートとはいえ人間
関係が大事だと告げると、人間関係によって会社をリストラ
された夫は更に気持ちが逆なでし、妻のすることを阻止しようと
する。

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30年の時を経て、ついに杉山に対して好きだと告げた朋美。
キスさえしていない相手の事を思って涙する朋美だが、家族の
事を考え、もう逢わない事を口にする。

夫の誠一郎が妻を引き留めようとするほどに、その見苦しさ
みたいなものを感じて、より杉山の事が好きになっていく
様子が描かれた。
誠一郎の行動がちょっとしたサスペンス風の怖さを兼ね備えて
いることも有って、なかなか緊迫感が有った。

同窓会に出た仲間たちの家庭が、次々と連鎖するかのように
崩壊していく。

このまま行けば福島と真理子の二の舞だとしながらも、常識と
かモラルと自分の気持ちがとの間で激しく葛藤している様子が
とても面白く描かれる。

初めて訪れたような恋という感じに、朋美の若い頃の恋愛不足
が、ある意味抑制の取れない状況に追い込まれている様にも
思えて、若い頃にこそ色々と恋愛すべきものなのかもしれない
と思わせるものがある。

陽子の家庭もある意味凄まじい展開が用意された。
正隆が妻に離婚させる為の偽装工作かと思っていたけど、本当
に倒産したのかな。
これまでこの家庭に於ける正妻の立場が無かった内容だが、
一気に立場が逆転して愛人の立場を失わせるという辺りの、
展開の巧さが描かれた。
陽子に愛人が子供を預けた際には、このまま子供を置き去りに
して逃げてしまうかもしれないと不安にさせられたが、
きちんと引き取りに来て安心させたところ、その後のやり
とりの中で、子供にとって親への信頼を無くすような言葉のやり
とりに、やっぱり愛人ならではの人生観しか持ち合わせていな
いなと思わされた。

一日経って佳奈子の気持ちが落ち着いたところで、誠一郎から
だめ押しの電話がなるタイミングの良さだったり、朋美が
張り込み中の杉山に声を掛けて最悪の展開を迎えるところなど、
一度は安心させてその後に突き落とすという展開の連続で
最後まで飽きさせない作りだった。

真一がちょっとモテ過ぎる所は気になるが、彼が不治の病だと
知って別れられなくなる麻美の姿とかどこか分かるような気も
するし、母親の約束をした娘の彩が、信じたいけどやっぱり
不安で居る所など、とても良く描かれていると思う。


宮沢朋美(45) …… 黒木瞳 (光和大付属病院でパート)
杉山浩介(45) …… 高橋克典 (刑事)
西川陽子(45) …… 斉藤由貴 (主婦)
大久保真一(45) …… 三上博史 (週刊プライム編集長)
宮沢誠一郎(48) …… 吹越満 (失業中、慶應出)
亀村太一(45) …… 六角精児 ("亀ちゃんの店"経営中)
杉山佳奈子(37) …… 須藤理彩 (妻)
西川正隆(47) …… 神保悟志 (外食店)
江川麻美(41) …… 芳本美代子 (真一とは別居7年)

宮沢彩 …… 大平うみ (娘)
宮沢達也 …… 嘉数一星 (息子)
福島和彦 …… 尾美としのり (国交省勤務)
板倉真理子 …… 宮地雅子 (平凡な主婦)
大野真弓 …… 大島蓉子 (光和大付属病院でパート)
島田珠恵 …… 佐藤詩子 (光和大付属病院でパート)
菊川早苗 …… 野波麻帆 (西川正隆の愛人)
竹原俊太 …… 八神蓮 (刑事、浩介の部下)
高村亜紀 …… 真野裕子 (TVキャスター)
西川真奈 …… 熊田聖亜 (愛人の娘)
浩太 …… 鈴木勝吾 ("亀ちゃんの店"従業員)
寅田富士子 …… 高橋ひとみ (医者)
瀬島 …… 今泉悠

市上市朗、長谷川公彦、坂本和代、堀口吹希、堀口吟詠


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