フリーター、家を買う。
(2010年10月期・フジテレビ火曜21時枠)

原作 - 有川浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 - 橋部敦子
演出 - 河野圭太
企画 - 瀧山麻土香、水野綾子
プロデュース - 橋本芙美

http://www.fujitv.co.jp/ie-wo-kau/index.html


第3話 あんなオヤジでもヒーローだった
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"母・寿美子がうつ病になったのは誠治のせい。"と言われた事に
対して、誠治は母に仕事に就けなくてごめんと謝罪するが、ちゃんと
仕事をやっているじゃないと言われる。どんな情けない息子
でも認めてくれる人が居ることのありがたさを感じる誠治。

誠治はハローワークの北山の元を尋ねる。
今でも意欲を失っていない事が何よりだという。現在工事の
仕事をしている事を語ると、きつくて大変だったでしょうと
言われる。しかし誠治はきついだけでなく、続けた人にしか
分からない事があると胸を張って主張する。

誠治は職場でも張り切るが、完全にオーバーペースで潰れて
しまう。調子こいただけだと言われ、大悦から体のことに関し
てはお前よりも俺の方が知っているといわれる。誠治が自らを
半人前から脱した口ぶりで語るのを聞いて、一人前と思って
いる奴に一人前は居ないと言われる。

帰りに誠治は真奈美に飲みに行こうと誘われる。
すると店に行くと豊川と手島も来ていた。
豊川から就職活動のことを聞かれるが、誠治はそこそこの大学
ではとても見つからない事を語る。するとそれを聞いていた
手島は、土木の試験には学科試験以外にも、実地試験が有り、
高卒ならば4年半必要な期間が、大卒ならば1年半で済むと言わ
れる。彼は静岡から出稼ぎに来ており、家の事情でこの道を
選ぶしかなかった事を聞く。

誠治は帰り際に真奈美に質問する。
大学の時には既に土木科の選考をしていた彼女に、何故土木の
道を歩むことになったのか尋ねる。しかし内緒だと言われてし
まう。そんな中、誠治は母から電話があり、薬を飲んだかどうか
忘れてしまったという。誠治は急いで帰宅する。

誠治は自宅に沢山のゴミが有ることに気がつくと、明日俺が
出しておくと告げる。日曜日には、姉の亜矢子が息子・智也を
連れてくると言っていたことを寿美子に話す。

亜矢子は息子の授業参観へいく。隣には義母の則子も付いて
来ていた。しかし息子が将来の夢という題材で作文を発表した
際に、夢は
"ヒーローになること"だと語ったことで、則子は
激怒する。智也は医者になると決まっており、どういう教え方
をしているのかと言われる。

日曜日、亜矢子は智也と実家へ帰宅する。
亜矢子は誠治に愚痴を語る。あんたしか話せる人が居ないと
いう亜矢子。智也は誠一におもちゃを買ってもらえなかったと
いう。おもちゃを買ってくれたら勉強するという智也だが
誠一は、勉強はおもちゃの為にするんじゃないと告げ、一人で
何処からに出かけてしまう。
一方話題は母の鬱病のことになる。
誠治は自分が就職できないせいだとするが、亜矢子は本当に
それだけか?と告げ、ほっと大きな理由が有るような気がする
という。そんな中、智也は誠治に一年生の時には、将来何に
なりたかったのか?と尋ねられ、忘れてしまったと告げる。今は
何になりたいのか?という問いかけに、夢は無く、大人になって
も夢を見ている奴は、現実から目を反らせているだけだという。

誠一は喫茶店で
彰子に会うと、彼女に封筒の金を手渡すのだった。
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アルバイトをしながら就職活動を続けるもなかなか雇ってくれる
事のない現実。
そんな中で、母親が鬱に至る原因が、10年以上続く近隣からの
嫌がらせに有ると分かっていく。果たしてそんな環境を取り除
いて、母を救うことが出来るのか!?

誠治がかなり現実を見るようになった所と、依然悪い意味で
凛としすぎて変わることのない性格であり続ける父親。

なかなか自分の妻にはいい顔をせず、外面だけは良い夫の姿と
いうのは、昔の男性・父親像にはありがちだったのではなかろ
うか。

金のことにシビアである父親の気持ちも分からないでもないが、
問題は彼が面会している島田彰子という女性が一体どんな
存在なのか。

なかなか自分の生活に手一杯で、母親のケアが出来ない子供
たちのもどかしさが描かれると共に、そんな父親の横暴な振る
舞いが、実にストレスとなって視聴者の胃もキリキリさせそう
だ。

隣人の女性の悪意有る虐めも、女性の性格を上手く描き出して
いる感じがする。問題は何故虐めに発展していったのか。
生まれたときから悪人は居ないように、出会った当初は仲良く
していた過去などが有るのでは無かろうかと。
一戸建てというのであれば、なかなか引っ越しできない現実が
有るにせよ、この家は元々賃貸なのだから、逃げてしまうとい
うのも手であると思うんだよね。
時給1700円以上のアルバイトをしているならば、十分やって
いける額では有るが、一戸建てを買うとなると、また気の遠く
なりそうな話ではあるかな。ただ今回、夢であり、そしてこの
ドラマのテーマでも有る言葉に触れたこともあって、目標に向か
って頑張って欲しいところ。

今まで大した関わり合いを見せてこなかった真奈美と誠治が
接近し始めた辺りも、見栄えの良いドラマになっていきそうだ。


武誠治 …… 二宮和也 (25、フリーター)
千葉真奈美 …… 香里奈 (25、喜嶋建設社員)
武誠一 …… 竹中直人 (55、誠治の父)
武寿美子 …… 浅野温子 (50、誠治の母)
永田亜矢子 …… 井川遥 (30、誠治の姉)
永田文也 …… 七海智哉 (亜矢子の夫)
永田智也 …… 橋本智哉 (亜矢子と文也の息子)
永田則子 …… 鷲尾真知子 (65、亜矢子の姑)
西本幸子 …… 坂口良子 (60、武家の隣人)
西本和彦 …… 横尾渉 (28、弁護士)
大悦貞夫 …… 大友康平 (50、大悦土木社長)
塚本学 …… 山本龍二 (53、作業員)
真田勝也 …… 嶋大輔 (45、作業員)
星野あかり …… 岡本玲 (21、事務員)
手島信二 …… 井上正大 (20、作業員・季節契約社員)
豊川哲平 …… 丸山隆平 (25、作業員・アルバイト)
山賀亮介 …… 眞島秀和 (36、喜嶋建設社員)
北山雅彦 …… 児嶋一哉 (33、ハローワーク職員)
岡野忠志 …… 田中壮太郎 (40、精神科おかのクリニックの医師)
島田彰子 …… 玄里 (20、専門学校生)

荒井武司、稲健二、内山達樹、奥野貴行、谷口一、金井駿司
金子太郎、橋本涼、菊川仁史、児島功一、藤山誠、合志英知
鮫島満博、山田規、高橋和貴、玉村一樹、二階堂修、日野出清
佐久間祐人、春山怜那、鈴木福、矢代朝子、竹岡真悟
坂本龍一、小川智弘


大石継太、阿南敦子、笠木泉、藻田留理子、歌川椎子
しのへけい子、東海林寿剛、石橋宇輪


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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