フリーター、家を買う。
(2010年10月期・フジテレビ火曜21時枠)

原作 - 有川浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 - 橋部敦子
演出 - 河野圭太
企画 - 瀧山麻土香、水野綾子
プロデュース - 橋本芙美

http://www.fujitv.co.jp/ie-wo-kau/index.html


第4話 お袋の、面倒みるのもう無理だ…
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隣人からの嫌がらせ・虐めを受けていることを知り、誠治は
ゴミをいつもの集積所におかずに会社にもっていき、そこで
まとめて処分してくれるよう頼む。家庭と違って企業ではゴミ
は有料だとして、給料から差し引くぞと社長に脅される。
誠治は真奈美に、家の近所に変な人がおり、うちの母がそんな
人たちのいじめでおかしくなった事を告げる。10年以上前から
いじめに遭っていたようだと語る。そして誠治は真奈美に対し
て照れくさそうに、夢や目標が出来たことを語ると、それは
どんな事なのか?と尋ねられる。言うわけ無いだろうと告げる。

仕事が終わり部屋で就職活動の準備をしている誠治の元に、
父・誠一がやってくる。誠一は息子が壁に目標と称して
"家を建てる"事を張り出した事に、気合いが入ったように感じ
るだけだとし、お前のようなフリーターが家を買える訳がない
と告げる。誠治は鬱陶しそうに、何をしに来たのか?と尋ねると
父は、寿美子の様子がおかしいという。父は近所で虐められて
いるのか?と尋ねたのだという。原因を突き止めたかったとする
誠一に呆れる誠治。外を彷徨いている母を連れ戻す。

誠治は翌日、昼休みに職場を抜け出し自宅に戻る。
寿美子が薬を飲んだかどうか分からなくなったのだという。

誠治は仕事に戻るが、時間を気にしていることを知って豊川は
変わりに仕事をしておくので早く帰れと告げる。誠治はハロー
ワークの北川の元を尋ね、就職先はないか調べてもらう。

土木作業員たちは仲間で飲み合う。
手島は誠治みたいに適当な奴にも、就職の道が有るなんて納得
出来ないという。
酒が回り始めると、作業員達は真奈美に二年前に喜嶋建設で起
きた事故の件を尋ねる。大悦は彼女をフォローするように、
ゼネコンの命令を作業員が無視したことで事故が起こったことを
告げる。真奈美はそれでも私が止めるべきだったと語る。

夜中、母は眠れず起きていた。誠治が話を聞くと手がガサガサ
しているのだという。誠治はハンドクリームを塗ってあげると
語る。

誠治は翌日、作業上に背広でやってくる。朝から面接を受けて
来たという彼。
あかりは仕事が終わると、とてもおしゃれしてくる。弁護士と
の合コンが有るのだという。

誠治は帰宅すると披露でクタクタ。しかし薬を入れるケースを
買ってくるのを忘れたとし、ドラッグストアーへと買いに行く。
するとそこには隣人の西本が来ていた。彼女は誠治に就職は
決まったか?と尋ね、まだだというと、自分の息子も"大手"事務
所で弁護士をしているが、新卒者の採用を見合わせていると
聞いており、現在は就職が難しいという。西本は母さんに
お変わりはないか?と尋ねるも元気だ語る。

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誠治は就職活動をしながら土木の現場でアルバイトする。
母・寿美子の容体は相変わらず芳しくなく、家族で母を支えら
れるのは自分だけである事を実感するも、一人ではなかなか
カバー出来る物ではなかった。徐々に疲労が蓄積され、ついに
はギブアップ寸前に陥る。

鬱病などメンタル的な病気を持つ家族の苦労を描くと共に、
それらは有る意味日本の介護問題の現状を指摘しているもの
なのかも知れない。

とても興味深い内容ではあるけれど、どうしても題材としては
暗くなりがちな為に、見る人、見る時を選びそうなドラマだと
思う。
落ち込んでいる時にこのドラマを見れば、更にいらいら感が
募って大変なことになりそうだし、内容的には胃もたれがしそう
な程の脂っこさが存在している。

誠治が家庭でいっぱいいっぱいになりながらも、そのはけ口が
存在する所は、このドラマの唯一安心できるところ。
土木の現場の人は、どの人物も苦労人だし、他人を受け入れる
キャパを見ると随分寛容な人たちだと思う。
そして紅一点とばかりに存在する現場での真奈美の存在は、
誠治の一服の清涼剤と成りえるものが有り、今後とも期待
出来る要素だ。

どうしてそんなに簡単なことも出来ないのかとして、
母のことを鬱陶しく思っている誠治。それを自ら認めて、母が
居なくなりばホッとするとする辺りも、正直なところなのだろ
うね。
それでも逃避できるような勇気はなく、最後に手を握って
クリームを塗る辺りは、実に見ていて痛々しかった。

ただこのドラマ、母親が鬱陶しいというよりも、父親の存在が
一家にとってストレス要因になっているよね。

いじめの原因を西本の息子が有る程度熟知している辺りが、
とても意外なものだった。こうなると解決の方向性は有る程度
見えるのでは無かろうか。

今回誠治の前に西本の母がやってきたけど、よく掴みかからず
に居られたなと思う。最低でも怒鳴り散らしてしまいそうな
シーンだった。


武誠治 …… 二宮和也 (25、フリーター)
千葉真奈美 …… 香里奈 (25、喜嶋建設社員)
武誠一 …… 竹中直人 (55、誠治の父)
武寿美子 …… 浅野温子 (50、誠治の母)
永田亜矢子 …… 井川遥 (30、誠治の姉)
永田文也 …… 七海智哉 (亜矢子の夫)
永田智也 …… 橋本智哉 (亜矢子と文也の息子)
永田則子 …… 鷲尾真知子 (65、亜矢子の姑)
西本幸子 …… 坂口良子 (60、武家の隣人)
西本和彦 …… 横尾渉 (28、弁護士)
大悦貞夫 …… 大友康平 (50、大悦土木社長)
塚本学 …… 山本龍二 (53、作業員)
真田勝也 …… 嶋大輔 (45、作業員)
星野あかり …… 岡本玲 (21、事務員)
手島信二 …… 井上正大 (20、作業員・季節契約社員)
豊川哲平 …… 丸山隆平 (25、作業員・アルバイト)
山賀亮介 …… 眞島秀和 (36、喜嶋建設社員)
北山雅彦 …… 児嶋一哉 (33、ハローワーク職員)
岡野忠志 …… 田中壮太郎 (40、精神科おかのクリニックの医師)
島田彰子 …… 玄里 (20、専門学校生)
五十嵐 …… でんでん (足に怪我)

荒井武司、稲健二、内山達樹、奥野貴行、谷口一、金井駿司
金子太郎、橋本涼、菊川仁史、児島功一、藤山誠、合志英知
鮫島満博、山田規、高橋和貴、玉村一樹、二階堂修、日野出清
佐久間祐人、春山怜那、鈴木福、矢代朝子、竹岡真悟
坂本龍一、小川智弘

阿南敦子、春山怜那、笠木泉、藻田留理子、岡明子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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