フリーター、家を買う。
(2010年10月期・フジテレビ火曜21時枠)

原作 - 有川浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 - 橋部敦子
演出 - 河野圭太
企画 - 瀧山麻土香、水野綾子
プロデュース - 橋本芙美

http://www.fujitv.co.jp/ie-wo-kau/index.html


第5話 生きてる世界が違うって何だよ…
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誠治は母親の面倒を一人で見ることの限界を感じ、大悦土木の
社員達の前で心情を吐露する。

翌日、あかりは綺麗な化粧、そしてネイルをして出社する。
今夜合コンで出会った弁護士とのデートだという。そんな中、
二日酔いの誠治が出勤すると、大悦は一人で抱え込むなと声を
かける。
誠治は休憩時間に社員たちに、父親との関係がうまくいってい
ない事を告げる。言い方が厳しい事を告げると、そういう言い方
しか出来ない人なのかも知れない事を告げられる。社員の一人
真田も自分のミスにもかかわらず夕べは妻に逆ギレしてしまった
事を告白。塚本もかつて四国の現場に2年も行くというのに、
妻には出発の前日にしか言えなかったとし、不器用な人ならば
なかなか思うことを言わないのだろうとの事だった。
そんな中、真奈美は新しく地図が更新され、先日喜嶋建設と
大悦土木が手がけた道路工事の現場が地図に掲載された事を
報告する。

あかりはデートの為に、定時で帰宅する。それを聞いた豊川は
例えあかりが誰とデートしても、俺の気持ちは変わらないと
呟く。あかりは誠治に対して、なんとか今の生活を抜け出す事
を告げると、今居る場所はそんなに酷いのか?と思わず尋ねる。

あかりは和彦とデートする。
誠治は帰宅すると、父・誠一に母親の件で相談する。自分が
遅くなる日は母親の薬の確認をして欲しい事。面接の日と通院日
が重なったときには病院に付き添って欲しい事。それをすれば
お前の就職が決まるのか?として嫌な口を叩くが、言い争いの
臭いを感じた母は、誠治たちの元にやってくる。母を心配させ
ない為にも、父子はこれ以上の話し合いを辞める。

翌日、豊川はあかりにデートの事どうだったのか?と尋ねると、
あかりはさっきまで彼と一緒だった事を語る。それを聞いても
豊川はあかりが好きだと言って譲らない。
一方誠治は真奈美が妻子持ちの山賀に好意を抱いていることを
知ってファザコンだと指摘する。
そんな中、真奈美は山賀に呼び出されると、彼からそろそろ設計
の方に戻ってこないかと誘われ、俺の下で働かないかと言われる。
事故を乗り越えるためにも現場での経験が必要だと思ったが、
今の真奈美を見ていると、逆効果ではないかと思ったという。

誠治は姉・亜矢子に、現状を報告する。
誠治は姉に、何故文也さんと結婚したのか?と尋ねると、姉は
智也が出来たからだという。まだ結婚を意識していない時に
妊娠が発覚し、文也に話したらもの凄く喜んでくれた事がきっ
かけだという。誠治はそれを聞いて、何故母は、誠一と結婚
したのかなと呟く。

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一人では母親の面倒は限界だと感じた誠治は、思い切って父に
相談してみる。せめて自分が仕事で遅くなるときや、面接日の
際に通院が重なった際に医者に同行して欲しいと頼む。

今回、誠治は夫婦関係について悩み倒す物語だった。

人は結婚するときに相手の何を見るのか。
誠治から見ると母と父が結婚した理由が分からず、姉の結婚
した理由を尋ねてみたりして、彼なりにその答えを見出そうと
している。

人によっては相手に便乗して、自分の価値を高めようとして
いている寄生虫型の結婚を求めているが、そんな背伸びする
様な結婚が決して幸せにはなれないであろう事は明らか。

そういう人に限って土木の現場の人間を見下していたりする
事で自分の身の丈を分かっていない訳だけど、誠治もそんな中
の一人だとする辺りは、分かっていた事とはいえ指摘されると
ドキっとするものがあった。
かつての誠治は確かに世の中の色んな事に軽視したり見下す
部分が有ったけれど、徐々にそんな思い上がりは無くなって
おり、成長している事が伺える。

母の鬱病が悪化してしまう事になる一本のワイン。
そのワインに込められた意味合いは、子供達に分かるべくもなく
逆に悪化させる事で、父親の思いが伝わってくる所などは
上手いものが有った。
人となりの親子関係、そして夫婦関係を見ていく中で、自らの
姿勢を正そうとしている所は好感が持てるし、何よりも不器用
な対応をしていた誠一が、救いようもない人間ではなかった所
にホッとするものがあった。

それにしてもやっぱり真奈美と誠治の帰宅時の一時は、なんか
良い感じ。あんまり恋とか男女関係にこだわらず、相談できる
相手として距離感を保って欲しい気もする。
父子関係はうまくいっていないけれど、誠治と亜矢子の姉弟での
会話なども誠治の成長を伺える物が有ったな。
亜矢子の今回の活躍は、影のMVPって感じで、嫌みな姑の相手を
している為か、西本への対処法なども感情的にならず、上手く
右から左に受け流していたと思う。


武誠治 …… 二宮和也 (25、フリーター)
千葉真奈美 …… 香里奈 (25、喜嶋建設社員)
武誠一 …… 竹中直人 (55、誠治の父)
武寿美子 …… 浅野温子 (50、誠治の母)
永田亜矢子 …… 井川遥 (30、誠治の姉)
永田文也 …… 七海智哉 (亜矢子の夫)
永田智也 …… 橋本智哉 (亜矢子と文也の息子)
永田則子 …… 鷲尾真知子 (65、亜矢子の姑)
西本幸子 …… 坂口良子 (60、武家の隣人)
西本和彦 …… 横尾渉 (28、弁護士)
大悦貞夫 …… 大友康平 (50、大悦土木社長)
塚本学 …… 山本龍二 (53、作業員)
真田勝也 …… 嶋大輔 (45、作業員)
星野あかり …… 岡本玲 (21、事務員、合コンで玉の輿に乗りたい)
手島信二 …… 井上正大 (20、作業員・季節契約社員)
豊川哲平 …… 丸山隆平 (25、作業員・アルバイト、あかり好き)
山賀亮介 …… 眞島秀和 (36、喜嶋建設社員、真奈美が憧れ)
北山雅彦 …… 児嶋一哉 (33、ハローワーク職員)
岡野忠志 …… 田中壮太郎 (40、精神科おかのクリニックの医師)
島田彰子 …… 玄里 (20、専門学校生)
五十嵐 …… でんでん (足に怪我)


川西 …… 渡辺道子 (永田病院後援)
進藤 …… 関根洋子 (永田病院後援)
看護師 …… もたい陽子 (出産報告)
看護師 …… 春山怜那 (おかのクリニック)

もたい陽子、菊池裕子


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