フリーター、家を買う。
(2010年10月期・フジテレビ火曜21時枠)

原作 - 有川浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 - 橋部敦子
演出 - 河野圭太
企画 - 瀧山麻土香、水野綾子
プロデュース - 橋本芙美

http://www.fujitv.co.jp/ie-wo-kau/index.html


第9話 再スタート、するはずだったのに
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誠治は給料日に職場の仲間と飲み帰宅する。
母に食費代を渡すと、寿美子は有り難うと告げる。入れて当然
の食費だという父・誠一。誠治は父を自分の部屋に呼ぶと、
引っ越し費用と家賃を出すので引っ越さないか?と告げる。
すると誠一も隣町の駅前に物件を探してきたが、あまり良い
物件が無かったという。更に帰りに本屋で就職に役に立つ本を
買ってきたとして息子に渡す。

誠治は姉に引っ越しの費用の100万円を貯めた事を告げると、
姉から誉められる。
亜矢子の夫・文也が帰宅すると、夫は妻と母が口げんかした事を
知っていた。亜矢子が母を人間失格だとしたことにちょっと
言い過ぎだとしながらも、子育てに関しては、余裕が無いと
して全てを亜矢子に任せると告げる。

誠治は出社すると真奈美から挨拶される。昨日は家まで送って
くれたのか?という真奈美は一切昨晩のことを覚えていなかった。
それでも送ってくれた事に感謝される。
誠治はあかりからも真奈美との関係を尋ねられ、手くらい握った
のか?と冷やかされる。

真奈美は山賀と会うと、五十嵐と会って決着を付けてきたこと
を語る。そして設計の件に言及し、山賀の下で改めて働きたい
事を告げる。

翌朝、誠治は最終面接の通知を見ていた。
出かけ際に西本から声を掛けられると、最近お母さんの様子が
変ではないか?と言われる。
会社に着くと、大悦は誠治がまとめてくれた会社の経費の一覧
を見て、今までこんなにムダがあったのかと呟く。誠治も自分も
何故もっと早くに気付いてあげられなかったのかと呟く。

夕食の際に、誠一は会社からこの家の外壁を塗り変える様指導
を受けたという。塗り替えには50万から60万円もかかるという。
引っ越し前に予想外の出費だとすると、誠治はこれまで安く
住めたのだから良いじゃないかと告げる。しかし誠一は50万円
を稼ぐのがどれだけ大変か分かっているだろうという。そんな
会話を寿美子は複雑な顔をして聞いていた。

一方亜矢子の前に義母の則子がやってくる。
先日は生意気なことを言ったと亜矢子から謝罪するが、則子
もしおらしく低姿勢で鬱病のことについて何も分かっていなか
ったとし、勉強しておくことを約束する。

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ようやく引っ越すための費用である100万円が貯まった事。
再就職先である医療機器メーカーの最終面接まで残った
事、親子関係が良好と、良いこと尽くしだった誠治だが、
その全てをぶちこわす事態が起こる。果たして誠治はどんな
選択を取っていくのか。

このドラマの凄いところは、みんながみんな感情を押し殺して
生活している所だと思う。
特に誠治にはストレス知らずなのかと思うほどに、不幸を吸収
出来る強靱な精神力がある。
西本の家に事情を語りに行くときに、これまでの不満が鬱積
されていれば、怒鳴りつけるくらいの事をしそうな感じだけ
ど、冷静沈着な人だなと思う。
まぁ怒鳴ったところで事態が好転するとも思えないけどね。

詐欺師・相沢の金への執着心も凄い物があった。
あそこまで冷徹になれないと弱い人から金など受け取れない
のかな。何度も訪問することはそれだけリスクも高いのに、
よくもずうずうしくやってこられる物だなと。
辛い状況の中、いい人たちが周りで支えてくれるのと
同時にやっぱり性根の腐った人たちというのは、排除出来ない
のがこの世の中だね。

そんな彼と契約したとはいえ、もっと色んな対策が有るような
気がする。
100万円という大金を簡単に母のために渡せる誠治の金銭感覚。
家長としてそんなの払わんというだけで何もしようとしない誠一
の姿など、やっぱり武家って脇の甘い家族だなと思う。

これだけ頑張って稼いだ金が一瞬にしてリセットされてしまっ
たが、果たしてまた地道に稼いでいくことになるのか。
正直家を買える様な安易なエンディングの形で終わらせて欲し
くないけど、その辺は脚本家の手腕の見せ所か。


武誠治 …… 二宮和也 (25、フリーター)
千葉真奈美 …… 香里奈 (25、喜嶋建設社員)
武誠一 …… 竹中直人 (55、誠治の父)
武寿美子 …… 浅野温子 (50、誠治の母)
永田亜矢子 …… 井川遥 (30、誠治の姉)
永田文也 …… 七海智哉 (亜矢子の夫)
永田智也 …… 橋本智哉 (亜矢子と文也の息子)
永田則子 …… 鷲尾真知子 (65、亜矢子の姑)
西本幸子 …… 坂口良子 (60、武家の隣人)
西本和彦 …… 横尾渉 (28、弁護士)
大悦貞夫 …… 大友康平 (50、大悦土木社長)
塚本学 …… 山本龍二 (53、作業員)
真田勝也 …… 嶋大輔 (45、作業員)
星野あかり …… 岡本玲 (21、事務員、合コンで玉の輿に乗りたい)
手島信二 …… 井上正大 (20、作業員・季節契約社員)
豊川哲平 …… 丸山隆平 (25、作業員・アルバイト、あかり好き)
山賀亮介 …… 眞島秀和 (36、喜嶋建設社員、真奈美が憧れ)
北山雅彦 …… 児嶋一哉 (33、ハローワーク職員)
岡野忠志 …… 田中壮太郎 (40、精神科おかのクリニックの医師)
島田彰子 …… 玄里 (20、専門学校生)
五十嵐 …… でんでん (足に怪我)

相沢 …… ムロツヨシ (訪問販売、詐欺師)

荒井武司、稲健二、奥野貴行、金井駿司、金子太郎、橋本涼
菊川仁史、児島功一、藤山誠、鮫島満博、山田規、高橋和貴
玉村一樹、二階堂修、佐久間祐人

友倉由美子、鈴木福


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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