フリーター、家を買う。
(2010年10月期・フジテレビ火曜21時枠)

原作 - 有川浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 - 橋部敦子
演出 - 河野圭太
企画 - 瀧山麻土香、水野綾子
プロデュース - 橋本芙美

http://www.fujitv.co.jp/ie-wo-kau/index.html



第10話 母さんが、笑った
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引っ越し費用として貯めていた100万円を霊感商法によって半ば
騙されてしまう。誠治は職場の仲間達の前で、金は一瞬で無く
なり、最終面接も受けられなかった事を告げる。

そんな中、職長・大悦は誠治を呼び出すと、事務と営業をして
くれる正社員を雇おうと思うとし、それを誠治にしたいと思う
と言われる。条件が書いた封筒を渡され、一度考えてくれない
か?と言われる。
あかりはそんな二人の話を立ち聞きして、他の仲間達に話す。
誠治が来てくれるのならば現場のこともよく知っているし嬉し
いなと話し合う。

帰り道、誠治は真奈美にその件を相談する。
自分はずっとこの場所にいるとは考えていなかった事を告げる
と、真奈美はそんなに安定した会社が良いか?と尋ね、何処の
会社に入るかは誠治の基準で決めることだと告げられる。

帰宅すると亜矢子と智也が来ていた。
またしても姑と喧嘩して家を出てきた事を知る。誠一はどうせ
大したことは無いんだろうと嫌な口を叩く。
そんな中、誠治の携帯に先日最終面談を蹴ってしまった
ナミキ
医療技研
木田から電話が鳴り会って話がしたいと言われる。
会ってみると、欠員が一名出たとし、面接に出られなかった理由
を尋ねられる。母の現状を答える誠治。会社への志望動機など
も聞かれる。

誠治は会社へと足を運ぶ。
面接はどうだったのか?と尋ねられ、受かった事を告げる。
その場で内定を頂いたと告げると、仲間達は誠治が行きたいと
ころにいくのが一番だと告げる。大悦もこれで親も一安心だな
と告げる。

帰宅する誠治はみんなの前で受かった事を話す。
亜矢子はどんな条件であれ入社するんでしょう?と告げるが、
誠治は今のアルバイト先からも正社員にならないかと言われて
いるという。誠一はそれを聞いてお前を土方にするために大学
に入れたのではないとすると、誠治はそんな言い方をする父に
一生懸命働いている人を差別するなとし、自分に良くしてくれる
人たちに謝れと告げる。俺にあんたを軽蔑させないでくれと
呟き、オヤジを尊敬したいのだと心の中で語る。

母は夜起きていた。
誠治は折角採用してくれる所が見つかったのに揉めたりして
ごめんと謝罪する。とにかく早く決めて再スタートする事を
告げると寿美子は、既に再スタートしているじゃないと告げる。

誠治は出社すると大悦に尋ねる。
自分に声を掛けてくれたのは同情からなのか?という。しかし
大悦はそれを否定し、そんな生ぬるい理由でパートナーを選ぶ
かという。募集をかければ俺よりも優秀な人材は揃うのではな
いかとするが、俺は履歴書は信じないとし、今まで誠治の事を
見てきた結果決めたことを告げる。

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引っ越し代金を失い、再就職先の最終面接も不意にしてしまった
誠治。そんな絶望的な状況の中で、母親の笑顔を取り戻すために
引っ越しなど出来るのか。

結局家を買うための近道は、正社員となる事で社会的信用を得
て、ローンを組める状態にすることだという展開だった。

家を買う買わないはともかくとして、子供を持つ親としての
苦労と喜び、家族としてどう対処していくべきなのかが、誠一
と大悦との会話に於いてそれらが描かれて、このドラマを上手
く締めくくったなと思う。

逆説的には考えていけば、正社員になる為に解決すべき問題は
親子関係であったり、誠治本人の気構え、心意気で有った事や
社会人としての自覚を促すという事で、周りの大人達が上手く
誠治の事をサポートし、見守ってくれたなと思う。

とても素朴でシュールな関係だった、誠治と北山の関係も面白
く、お笑い芸人とは思えない児嶋一哉さんの芸達者ぶりが
伺えた。

色んな意見があると思うが、世知辛さとは逆に、誠治が親との
やり合いが有ったものの、他人にその非をぶつけていくような
展開ではなかった所がとても良かったと思う。
西本家と泥仕合になる事も考えたが、それをしなかったところ
は、脚本家さんのセンスだなと思う。

武誠治 …… 二宮和也 (25、フリーター)
千葉真奈美 …… 香里奈 (25、喜嶋建設社員)
武誠一 …… 竹中直人 (55、誠治の父)
武寿美子 …… 浅野温子 (50、誠治の母)
永田亜矢子 …… 井川遥 (30、誠治の姉)
永田文也 …… 七海智哉 (亜矢子の夫)
永田智也 …… 橋本智哉 (亜矢子と文也の息子)
永田則子 …… 鷲尾真知子 (65、亜矢子の姑)
西本幸子 …… 坂口良子 (60、武家の隣人)
西本和彦 …… 横尾渉 (28、弁護士)
大悦貞夫 …… 大友康平 (50、大悦土木社長)
塚本学 …… 山本龍二 (53、作業員)
真田勝也 …… 嶋大輔 (45、作業員)
星野あかり …… 岡本玲 (21、事務員、合コンで玉の輿に乗りたい
)
手島信二 …… 井上正大 (20、作業員・季節契約社員)
豊川哲平 …… 丸山隆平 (25、作業員・アルバイト、あかり好き)
山賀亮介 …… 眞島秀和 (36、喜嶋建設社員、真奈美が憧れ)
北山雅彦 …… 児嶋一哉 (33、ハローワーク職員)
岡野忠志 …… 田中壮太郎 (40、精神科おかのクリニックの医師)

荒井武司、稲健二、奥野貴行、金井駿司、金子太郎、橋本涼
菊川仁史、児島功一、藤山誠、鮫島満博、山田規、高橋和貴
玉村一樹、二階堂修、佐久間祐人


木田 …… 小木茂光 (ナミキ医療技研の面接官)
野口 …… 神尾佑 (バス運転手)
平田 …… 相葉雅紀 (あかりの後任)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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