崖っぷちのエリー (2010年7月期・テレ朝金曜21時枠) 原作：西原理恵子 脚本：佐藤久美子 音楽：仲西匡 演出：塚本連平、白川士 チーフプロデューサ：深沢義啓 プロデューサ：奈良井正巳、川西琢、井上竜太 http://gakeppuchi.asahi.co.jp/

第1話 どん底から大脱出!!夢は富豪漫画家じゃ
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高知県の山道で相原正造は車を走らせる。
あの土地さえ売れば逆転できるという彼だが、金なんて無いと
して絵里子は止める。
絵里子の12年前、小学生の頃、母・光代は相原正造と再婚した。
小さな運送会社だが羽振りは良く、しかしすぐに傾き初めて
ギャンブルにのめり込むようになった。絵里子の給食費にさえ
手を掛ける始末。貧乏が両親を喧嘩させると考える。

そんな中、車は横転し、絵里子と光代はなんとか窓から脱出。
父は大丈夫だと強がってはいたが、結局車が爆発炎上し亡くなる
事になる。
金を貸していた人たちは一斉に相原家にやって来て、家中の
ものを持って帰ってしまう。
絵里子は春から桜華美術大に通うことになっており、合格通知
は人生を変える切符だと思っていたが、もう無理だと諦める。
貧乏人はいつまで経っても貧乏人だ。
そう告げると光代は突然畳の下から、ぬか床を掘り返し、中から
100万円の現金を取り出す。これで東京に行って大学に入りな
と告げ、絵里子には私達のようには成って欲しくないと告げる。
絵里子は絶対成功すると固く誓う。

美大へ通うことになる。担当教授は酒巻だった。
しかし絵里子は金が無く、まともに絵の具さえ買えなかった。
それでも絵を描いていると、ちゃんと絵の具を買うよう言われる。
購買部に行くが仕方なく購入するもあっと言う間に2万円が
無くなる。
彼女は自分の暮らす"希望荘"に戻る。管理人からは、ここは若い
女性が住むような所ではないと言われるが、1万5千円という家賃
の安さから仕方なく住む事になる。管理人によるとここにはもう
一人鴨田という男性が部屋を借りているという。

そんな中バイトを探して街中を歩いていると、カメラを持った
男性からモデルをしないかと誘われる。金は幾らか?と問うと
男は1000円札を出す。即決してその場で写真を取ることになる。
絵里子はかつて絵画コンクールで賞を取った際に3000円分の
図書券をもらった事を思い出す。父親に取られて競馬関係の本
に化けたが、それ以来絵を描いて金を貰うことを決めたので
有った。

翌日帰宅する際に、いじめられっ子を見掛けて助けることに。
友達が居ない様子のタケル。絵里子は自分も昔は友達が居なか
った事を告げ、一人で楽しい遊びを見つけたことを語る。
そんな中絵里子がアルバイトを探している事をすると、タケル
はアルバイトを募集しているところを教えてくれる。キャバクラ
"フェニックス"。バスト85以下は面接で落とされると聞いて、
なんとか誤魔化し、キャバ嬢として働くことになる。指名が
多ければ50万円にはなると言われ張り切ることに。
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貧乏生活からなんとか脱出しようと、幼いときから描いてきた
絵の学校に入り、なんとか金を手にする日を夢に見る絵里子。
しかし美術系の大学は経費も多くかかり、母親が渡してくれた
100万円はあっと言う間に無くなってしまい、アルバイトを探す
のだが・・・

西原理恵子さんの自叙伝的エッセイが原作。
どこまで本当のことなのか、wikiを見ていると、かなり本人の
人生になぞられて作られているであろう事が伺える。

ドラマとしては一貫して金の無さが描かれるが、絵里子自身
金のない事にも腐ることが無く、活き活きとした姿が描かれる。

毎日が綱渡りの状態故に心細さは感じるが、それでも持ち前の
明るさと貪欲さで、そんな心配事を吹き消すほどのバイタリティ
溢れるキャラクターだ。

さてドラマとしては、平泉正宗の存在が気になるところ。
彼が何処まで絵里子をサポートしていくのか。
鴨田との出会いも、一人東京暮らしの絵里子にとっては頼りに
ならないけれど、居るだけで落ち着く存在になっていくのかも
知れない。

キャバクラでのアルバイトの話など、苦学生にはよく有る感じ
の話にも思えるが、遊ぶ金が欲しいが為に働いているのでは
無く、決意の程が見られてとても応援したくなる。

絵里子の事を上から目線で嫌みっぽく接してくるキャラクター
たちの耳にいたい言葉に耐えながらも、如何に彼女に味方して
くれるキャラクターを抱えていくのか。
金持ちたちの論理に反発しながら、何処まで自分らしく生きて
いけるのか。

思った以上に面白い話だったので今後も楽しみだ。


相原絵里子 …… 山田優 (大富豪漫画家が夢)
鴨田丈一 …… 塚地武雅 (元戦場カメラマン)
平泉正宗 …… 小泉孝太郎 ("週刊秘宝"編集者)
氷室竜次 …… 田中要次 (絵里子の親戚)
梅本勝男 …… 大杉漣 ("週刊秘宝"編集長)
相原正造 …… 陣内孝則 (絵里子の父)
相原光代 …… 渡辺えり (絵里子の母)

酒巻謙策 …… 升毅 (桜華美術大・教授)
ユカ …… 中園友乃 (桜華美術大・生徒)
アミ …… 井村空美 (桜華美術大・生徒)
タケル …… 濱田龍臣 (いじめられっ子)
春日太郎 …… 仲本工事 (キャバクラ"フェニックス"店長)
浅川葉子 …… 佐藤江梨子 (キャバ嬢)
塩川 …… 西岡徳馬 (不動産業・社長)
石崎ハマ …… 五月晴子 (管理人)

池田心雪、川俣しのぶ、淵澤由樹、仙頭美和子、堀越富三郎
椎名泰三、ふくまつみ、梅田希、篠田涼也、土屋荘生、千濱汰一

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)