GOLD
(2010年7月期・フジ木曜22時枠)

脚本:野島伸司
音楽:千住明、池頼広
プロデュース:東康之
演出:河毛俊作、加藤裕将、石井祐介

http://www.fujitv.co.jp/GOLD/index.html


第1話 女社長、愛と涙のスパルタ天才教育法!
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子育て討論番組に出演する早乙女悠里は、教育論を語る館川博
と激しい討論を行う。
館川は悠里のスパルタ教育を否定し、厳しさよりも友達関係を
構築すべきだという。しかしなれ合いからは親を敬える様には
ならないとして、全ては小学6年生までに身に付けさせなければ
ならない事を訴える。子供の内面はデリケートだという館川に
対して、子供はいずれ社会に出て行くことを訴え、反抗期を
迎えてからでは遅いことを告げる。子供の教育に必要なのは
優しさ、友情、愛情ではなく忍耐だという。ベースメークを
きっちりしない子供たちは、国のためになるような事はしない
し、他人の話を聞くような人間には育たないという。
全てはビューティフル・チャイルドとプア・チャイルドに分か
れると告げ、皆さんの子供たちはどちらかと視聴者に訴えかける。

悠里はカリスマ美容研究家で、スポーツジムとエステの総合
施設を経営していた。そして三人の子供は皆オリンピック候補
のアスリートに育て上げたことでも有名だった。

悠里は社長秘書を募集し、今日はその面接の日。
新倉リカもその募集を見て面接に来ていた。悠里は色々と質問
し、自分の答えとそぐわない返答をしたものたちを一人ずつ
不合格にさせていく。そして悠里はリカを最後の一人として
選ぶ。リカに対して今日中に社員寮に引っ越すよう告げると、
リカは悠里のあまりの迫力に、自分はこの仕事をやっていける
か?と問う。悠里は彼女の履歴書に目を通すと、大方恋人に
振られて自立しようと考え、その時偶然秘書の募集を見たの
でしょうと告げ、私のように強くなりたいとでも思ったので
しょうと真理を読み解いていく。しかし自立とは経済的な事
ではなく、メンタリティの事であり、中学生までに育てないと
意味がないことを告げられる。

一方悠里の発言は挑発的で、クレームをつけてくる人たちも
後を絶たない。今日も丹波聖子からクレームの電話が鳴る。
しかし何故社長室の直通の電話番号を知っているのか?と蓮見
丈治は呟く。

悠里は父親で日体協会長の惣一に会う。
惣一は悠里に熱弁し、徹底的に競争社会を確立すべきであり、
勝者が敗者を守るべき社会の構図を作るべきだが、戦いもしない
傍観者を守る必要だけはない事を訴える。

陸上部で次男の廉は、公園で兄の洸が女性と別れている所を
目にしてしまう。

一方悠里は丈治に新しく雇われた秘書のリカを紹介する。
今度はいつまで持つかなという丈治。リカは彼を悠里の夫だと
勘違いする。

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早乙女悠里の家は、アスリート系家族。
事業にも成功し、世間からは彼女の子育て論に関して一目置か
れる存在だった。
世間から印象づけられている早乙女家の家庭の姿と、実際の
早乙女家の家庭の姿にはどんなギャップが存在するのか。

基本的にドラマは子育て論の是非を描いた物で、見方によっては
親のエゴを子供に押しつけているばかりの家庭の姿に、子供
たちに同情していくものなのかもしれない。

先代の悲願というものを子供を使って達成させることに、どんな
価値と意味が存在するのか。

大人のエゴによって子供の自由を縛り付けている様に見える中
でも、所々で主人公や登場人物が、鋭い指摘をする事によって
妙な納得感を得るドラマである。

悠里の夫である明石辰也の存在。
悠里は女の幸せなど欲しくないとし、丈治からは優秀な遺伝子
のために結婚したのではないかとされる中で、彼女の本音が
どの辺に有るのか、悠里の人物像には興味深い所が沢山詰まって
いる。

何よりも悠里と対照的な存在であるリカとのやりとりは、気を
張るような戦いの中でもホッと息をつかせるもので、夫・辰也
と似たような雰囲気が有って採用したのではないかと思わせる
部分である。

必ずしも親の思惑通りに行かないのが人生であり、人それ
ぞれの個性であって、彼女の周りには思惑通りの子供たちと、
それとは逆に思惑から外れた子供たちの姿を多数登場させる事
で、互いの価値観の中からどんなものを汲み取っていくのか。

武井咲さんの競泳水着がまた眩しいな。

悠里の発言に逆恨みしている丹波聖子が、いつの間にかに
身近に居る辺りも今後のドラマを期待させるものである。

リカが意外なところで悠里の盾となり、世間からの非難の
ガス抜きの役目を果たす所など面白い使い方で、明石辰也自身
も上手い逃げ道の場というものを彼のキャラクターの中に
見出した感じがする。

野島さんのシナリオなので細々とした計算高さが至るところで
見られるところが有るね。


早乙女悠里 …… 天海祐希 (42歳、カリスマ美容研究家)
新倉リカ …… 長澤まさみ (24歳、悠里の秘書)
早乙女洸 …… 松坂桃李 (20歳、悠里の長男、水泳)
早乙女廉 …… 矢野聖人 (18歳、悠里の次男、陸上)
早乙女晶 …… 武井咲 (17歳、悠里の長女、高飛び込み)
早乙女朋 …… 大江駿輔 (10歳、悠里の三男、体が弱い)
早乙女修一 …… 水上剣星 (享年22歳)
明石辰也 …… 寺島進 (44歳、悠里の別居中の夫、レスリング)
丹波聖子 …… エド・はるみ (43歳、スポーツクラブの清掃員)
丹波勝 …… 水野真典 (18歳、引きこもり)
相馬幸恵 …… 賀来千香子 (40歳、エステ部門の責任者)
蓮見丈治 …… 反町隆史 (38歳、元水泳選手で洸・廉・晶のトレーナー)
早乙女惣一 …… 夏八木勲 (父、日体協会長)
保坂次郎 …… 志賀廣太郎 (運転手)
館川博 …… 伊藤正之 (教育関係)

波瑠、小林まり枝、朝岡聡、三村恭代、寺本愛美、おおつか麗衣
伊波麻央、黒澤はるか、河瀬ゆり、三浦まゆ、中島凱斗
松島海斗、庭野結芽葉


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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