GOLD
(2010年7月期・フジ木曜22時枠)

脚本:野島伸司
音楽:千住明、池頼広
プロデュース:東康之
演出:河毛俊作、加藤裕将、石井祐介

http://www.fujitv.co.jp/GOLD/index.html


第6話 DNA鑑定の結果は?娘を狙う男の真実
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宇津木に逢う悠里は、彼からDNAを採取させてもらう。晶のこと
は家族に返したのでそちらにも約束を守って貰うという宇津木
に自分も約束を守ることを告げる悠里。

そんな中、リカはいつも車の運転をしてくれている保坂が一言
も話しているのを聞いたことがないことが気になる。
悠里に保坂はどんな人なのかと尋ねると、父親の頃からの運転手
で20年近く自分の運転手になってくれている人だという。悠里
自身も彼が話すのを聞いたことがないとの事。男性は結論付け
たがる会話しかしたくないものであり、女性のようにしゃべる
事に意味があるのとは違うことを告げる。男性の話す9割方は
嘘であり、真面目さ誠実さを図るには無口の男性の方が良いので
は無いかという。
リカは無口な男性はつまらないと告げ、時に可愛いとか綺麗だ
と言われたい事を告げると、オウムでも飼いなさいと悠里は
告げる。言葉よりも態度であり、どれだけ自分のために汗を
かいてくれるのかが大事だと告げる。

廉は突然辰也の部屋でバイオリンを弾き出す。
週末に受刑者の慰問に早乙女家総出で行くのだという。
悠里がハープ、洸はチェロ、晶はフルートを弾く。辰也は女性
の肉体こそ究極の楽器だとリカに告げると、白い目で見る彼女。

悠里たちは、晶を前にして宇津木が近づいてきた目的を話す。
彼には修一の息子である事の証明が目的だという。それは晶の
事を騙していた事でもあった。
晶はそれを聞いてすぐに宇津木の元を訪ねる。
私を騙していたことは酷いことで、殴ろうとしたが、その事は
もう良いと考え直したという。始まりはどうであれ、私のこと
をどう思っているのか?と尋ねると、宇津木はそれに答えず、
ホントにごめんとして彼女に抱きつく。自分で自分のことが
分からなくなったと語る。

悠里は丈治には慰問のことは内緒でと告げ、洸と演奏の練習を
する。そんな演奏を保坂は静かに聴いていた。

丈治は宇津木家の事を調べる。
すると父親・宇津木裕也は、薬物や強盗などを繰り返す鬼畜で
母親は伊豆のホテル街のコンパニオンをしていたという。現在
は口が聞けない状態なのだという。

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突然修一の息子だと名乗り出た宇津木に誠実に対応する悠里。
そんな中、早乙女家では犯罪者の為に慰問し演奏会を開いて
いる事を知る。

相変わらずリカと悠里のやりとりを見ていくと、悠里に対する
イメージが崩れていく中で、彼女らしい持論を展開する刑務所
での顛末。自分も過去の被害者であり、そしてその中でも保坂が
最大の被害者である事実が明らかにされる中で、口を閉ざした
彼の変わりに、悠里は犯罪者の前で教鞭を奮う。

最初はクビになる事を恐れていたリカだけど、最近は悠里に
対してイニシアチブを取れるほど余裕が出来てきた感じ。
昨夜レディコミを見たというけれど、リカはそんなものを
見て影響を受けているのね。

野島伸司さんの作品と言うことで、現代社会に投げかける疑問
とその主張にはとても興味深いものがある。

面白いのはこれまで世間に対して主張していた展開を、犯罪者
という限定した空間で投げかけたところ。

ドラマなどでよく聞かれる犯罪者に対して、何度でも人生が
やり直せるという言葉の真意を上手く引き合いに出して、
それらは計画した悪意有る人には当てはまらない事を告げる。

生きることの意味、生きていく上での命題とは一体何なのかを
赤ちゃんの持つ弦に喩えて犯罪者の前で語る姿は、独特なものが
有った。

宇津木とのやりとりもとても興味深く、先週に惣一が語った通り
彼女こそが早乙女らしさを持ち合わせているのならば、診断書
の一件に於いても事実を知りながらも嘘を付いたかどうか
気になるところ。

聖子のエピソードも、丈治に見つかってしまった事で、悠里と
の関係が閉ざされそうな感じだし、物語はどのように発展させ
ていくのか。

悠里という人物の性格を上手く活かして、頭のいい彼女が起こ
した行動の正当性を上手く引き合いに出していたし、宇津木に
関しても彼女ならば信頼できるという所を上手く突いた展開
を用意する。悠里という人物の裏表のない主張とは別に、ちょ
っとした策士っぷりの一面を見ると、どちらが本当の彼女なの
か。キャラクターに対する興味深さを上手く築き上げている
ドラマだなと思う。


早乙女悠里 …… 天海祐希 (42歳、カリスマ美容研究家)
新倉リカ …… 長澤まさみ (24歳、悠里の秘書)
早乙女洸 …… 松坂桃李 (20歳、悠里の長男、水泳)
早乙女廉 …… 矢野聖人 (18歳、悠里の次男、陸上)
早乙女晶 …… 武井咲 (17歳、悠里の長女、高飛び込み)
早乙女朋 …… 大江駿輔 (10歳、悠里の三男、体が弱い)
早乙女修一 …… 水上剣星 (享年22歳)
明石辰也 …… 寺島進 (44歳、悠里の別居中の夫、レスリング)
丹波聖子 …… エド・はるみ (43歳、スポーツクラブの清掃員)
丹波勝 …… 水野真典 (18歳、引きこもり)
相馬幸恵 …… 賀来千香子 (40歳、エステ部門の責任者)
蓮見丈治 …… 反町隆史 (38歳、元水泳選手で洸・廉・晶のトレーナー)
早乙女惣一 …… 夏八木勲 (父、日体協会長)
保坂次郎 …… 志賀廣太郎 (運転手)

宇津木洋介 …… 綾野剛 (カメラマン)

天彩音のん


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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