GOLD
(2010年7月期・フジ木曜22時枠)

脚本:野島伸司
音楽:千住明、池頼広
プロデュース:東康之
演出:河毛俊作、加藤裕将、石井祐介

http://www.fujitv.co.jp/GOLD/index.html


第7話 号泣! 最愛のわが子を失う母親 - 衝撃の三男の秘密
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ベストジュエリー賞の表彰式に出席する悠里。
一億円のダイヤを身に付ける悠里。
一緒に出席した息子の洸に、世界的な宝石商"デュエール"を
経営し昔から早乙女家と縁のある神代洋治を紹介する。
小さいときには洸の事をだっこしたことが有るという洋治。
そんな中、彼の二人の娘、長女・沙織と次女の麻衣子を紹介
される。事実上の見合いであり、洸は沙織と意気投合する。

洋治は悠里と一緒に来ていたリカにトップになるために必要な
事は何か?と問うと、リカは才能と努力ではないのか?と告げる。
洸が沙織に目を付けたことについて、洋治は残念ながら女を
見る目がない事を告げる。

リカは運転手の保坂を眺めていると、まるでかつての婚約者が
彼に逢っているかのように見えてくる。

リカは会社に戻ると悠里に対して衆議院議員への出馬要請につ
いてどうするのか尋ねる。リカはこのままならば議員秘書に
なれるかもと想像して喜ぶが、そうなったらお払い箱だと悠里
は告げる。リカは自分には大した才能はないが、人の思いが
見える能力がある事を告げ、相馬を見送るときには息子の姿が
見えたし、保坂を見るときには見送る妻の姿が見えたことを
告げる。そんな彼女に悠里は、クスリでもやっているのか?と
告げる。

リカは悠里に信じてもらえなかった事に対して、辰也たちに
愚痴を告げる。悠里は現実主義者なので仕方がないと慰められ
る。

一方丈治は悠里に対して、宇津木と晶の二人の関係を許したこ
とについて疑問を持たれる。二人を引き裂く理由など無く、
五輪のメダルに協力してくれる存在ならば容認することを告げる
が、丈治は怪文書を出したり、晶を利用した人物だと訴える。
それでも悠里は、彼を見て悪い人間ではない事を告げるが、
そういうことではないと告げる。それを見た悠里は彼が何か
隠しているのではないかと気がつく。

晶は帰宅すると頬を赤らめていることに気がつく。
宇津木に殴られた事を聞いて丈治らは激怒するが、単なる痴話
喧嘩で悪いのは自分だという晶。二人がなかなか逢えないことに
関して、カメラマンなど辞めて私のママに言って入社すれば
良いと言ったことが、彼を見下していると思われた事が原因で
有ることを告げる。丈治は理由など関係なく殴った行為その
ものに問題が有る事を告げる。

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トップになるためには努力や才能だけではなく運が必要だとい
う中、出逢った女性からメダルを取ることは出来るが、一人
子供を失うという。何よりも子供が宝だとする悠里にとって、
暗雲が立ちこめる。

完璧な家庭を築き上げてきたと自負していた悠里も、徐々に
崩れてきた感じ。まぁ早乙女家は普通の家庭とは違う境遇なので、
普通の家庭だと照らし合わせれば、悠里の功績も認められるべき
ものが存在するのだけどね。

それぞれの子供に不安要素が与えられた。
ドラマとしてのもっとも興味深い流れは、子供の内、誰を失う
のかという言葉の真意だろうか。勿論今回の朋との決別がそれ
に当たるとすることも出来るので、そう思えば安心できる流れ
ではあるが、最後までどうなるか分からない。

また不気味な流れとして存在しているのが、宇津木との関係
だろうか。人は信頼されていると思う人から裏切られた事が
分かると、その失意の程は図りかねるが、下手をすれば信頼し
ていた相手に刃を受ける可能性はある。早乙女としての正当な
継承の権利を持ち出して、早乙女家を崩壊に導く可能性は
充分ある。丈治がもっとも気にしているとする、修一のイメージ
を息子自らが崩して行くことも考えられる。晶が宇津木の事
で何処まで拘りを持って接していくのか。その拘りが、悠里に
とって不利な状況を引き寄せてしまうことは十二分に考えられる
と思う。

洸の問題はまた複雑な物。
修一と同じような道を歩むのかどうかが興味深いものがある。

展開上凄いのは沙織との出会いだ。
この人の価値観がまた説得力があるようで居て、実に洸のこれ
までの全てを否定しているようで、なんとも意地の悪いキャラ
クターである。洸の価値は水泳やオリンピックと関わりをもって
こその存在だと思うのだが、そんな土俵から勝てないならば
下りろという所は凄い。洸が本気でそう考えているとしたならば
相当ナルシチズムを持ち合わせている気がする。

さて今回はリカの特殊能力を見せられた。
途中で出逢うみどりという女性も似たような能力を持ち合わせて
おり、彼女の価値観が悠里にも伝わるようならば、リカ自身の
存在の価値観も同意義に感じていくのかも。議員秘書になると
おどけていたリカに対して、貴方には価値がないみたいにバッ
サリ斬り倒していたけど、悠里にとって必要な人物という事に
なっていくのかもしれない。

朋がリカだけの存在で有ったところは面白いサプライズだった。
こういう特異なストーリーは、気を使うところも多かっただろう。
これまでの展開も再三の注意を払って構成してきたのでは無か
ろうか。一話から朋回りのエピソードばかりに集中して見直し
てみると、面白いかもしれない。

辰也の過去もいよいよ明らかになったけど、廉があそこまで
取り乱す程の事だろうか。勿論そんな過去が有ったことは
驚きだが、生まれる前のことだしね。悠里が引きずっている
理由は有る程度分かるのだが・・・

しかしフジの木曜22時枠って面白いドラマが多いのに、全然
視聴率が伸びないね。テレ朝の金曜9時枠と共に、ドラマ界の
墓場となっているな。


早乙女悠里 …… 天海祐希 (42歳、カリスマ美容研究家)
新倉リカ …… 長澤まさみ (24歳、悠里の秘書)
早乙女洸 …… 松坂桃李 (20歳、悠里の長男、水泳)
早乙女廉 …… 矢野聖人 (18歳、悠里の次男、陸上)
早乙女晶 …… 武井咲 (17歳、悠里の長女、高飛び込み)
早乙女朋 …… 大江駿輔 (10歳、悠里の三男、体が弱い)
早乙女修一 …… 水上剣星 (享年22歳)
明石辰也 …… 寺島進 (44歳、悠里の別居中の夫、レスリング)
丹波聖子 …… エド・はるみ (43歳、スポーツクラブの清掃員)
丹波勝 …… 水野真典 (18歳、引きこもり)
相馬幸恵 …… 賀来千香子 (40歳、エステ部門の責任者)
蓮見丈治 …… 反町隆史 (38歳、元水泳選手で洸・廉・晶のトレーナー)
早乙女惣一 …… 夏八木勲 (父、日体協会長)
保坂次郎 …… 志賀廣太郎 (運転手)

宇津木洋介 …… 綾野剛 (カメラマン)
神代洋治 …… 名高達男 (宝石商)
神代沙織 …… 佐藤めぐみ (長女)
神代麻衣子 …… 南沢奈央 (次女)
大沢 …… 小野武彦 (政治家)
みどり …… 宮崎美子 (主婦だけど特殊能力有り)

天彩音のん、田実陽子、古川伴睦、佐々木省三


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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