ハンチョウ 〜神南署安積班〜
(シーズン3)

脚本/大川俊道
演出/村田忍
プロデュース/橋本孝、遠藤正人

http://www.tbs.co.jp/hancho/


第1話 神南署ジャックされる…届け魂の叫び!
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上下二連の散弾銃が車のトランクから盗まれる。
銃の持ち主の三田村は、所定の場所に戻していくのが面倒に
なりトランクに入れっぱなしだった事を告げると、安積は銃刀
法違反であることを指摘する。なんと盗まれた中には実弾が
500発も有ったという。
安積は鑑識の石倉晴夫が一年ぶりに現場に復帰しているのを
見て喜ぶ。ホシは焦っているので近い内何か起こすだろうと
石倉は忠告する。

一方その頃、東都第一警備に努める沖田和正の元に、娘の
結衣から電話がある。すると岸本という男と電話を替わり、
言うとおりにしないと妻子を殺害すると告げる。

散弾銃が盗まれた車の近くにあった監視カメラの映像を見ると
AM3:17に二人組の男性がトランクの中から銃を盗む姿が映って
いるがこれだけでは犯人の特定は難しかった。

そんな中、神南署に1億円を積んだ現金輸送車が行方不明だと
通報がある。当時すみれ銀行の神南支店から現金を運び出した
神山によると、沖田和正という同僚が突然輸送中に車を止めて
自分を降ろした隙に車を乗って逃げたという。現金輸送車に
搭載されるGPSは破壊されて機能していないという。しかし同僚
の話によると和正はとても真面目な人物なので、現金を盗む
様な人物ではないとのこと。
沖田の家族と連絡を試みるも繋がる気配がないために、村雨
たちは沖田の自宅を訪ねる。

犯人の一人、岸本浩平は和正に金を持ってこさせる。
金は保険会社が賠償するので誰も被害を受けないとするが、
和正は自分が職を失うとして岸本ともみ合う。その間に散弾銃
が暴発し、和正の肩口にヒットしてしまう。

村雨たちは沖田の自宅に行くと案の定、妻子は人質となって
縛られていた。犯人は20分くらい前に出て行ったという。
散弾銃を持っていたことから、トランクから盗んだ犯人だと
発覚。Nシステムで調べてみるが、犯人の車らしきものは見つか
らなかった。

岸本はもう一人の犯人・小西博人と合流すると、すぐに金を
送金するよう告げる。岸本の靴に血痕が付着していることを
気にする小西。無事届けたら連絡してくれと岸本は送り出す。
しかし小西の車は、交通課の速水によって止められ、トランク
を調べられた結果、強盗犯だとしてすぐに捕まる。
ボストンバックの中に一億円が入っており、散弾銃を持って
いないことから、もう一人の犯人が所持していることが判明する。

岸本はラジオで小西が捕まったことを知る。
小西は取調室でも完全黙秘を貫く。人質にされていた江里子に
よって犯人だと確認される。
すると共犯者だと思われる男から安積の元に電話があり、逮捕
した男に一億円を持たせて釈放しなければ、人質を殺すと
告げられる。

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神南署管轄で散弾銃が盗まれ、その直後に現金輸送車が襲われ
る。犯人の一人・小西はすぐに捕まるが、もう一人の犯人・岸本
は釈放するよう要求し、それに応じないと見ると、神南署に
直接交渉に来る。異例の事態に本庁の捜査一課の刑事がやって
くることになる。

このドラマの直前のスタジオパークに神南署刑事たちがゲスト
出演していた。安積班長だけがダーツを外していたぞ。

今、旬の人岡本健一がドラマの主役だった。
米倉涼子とのデートがマスコミを賑わせていたけど、このドラマ
にタイミングを合わせたのではないかというくらいタイミング
が良いな。

さてドラマは心臓移植のために多額の金が必要としている人間
が仕方なく現金輸送車を襲い、手術費用を捻出しようとしてい
る事件だった。

つい最近までシーズン2が放送していたのに、サイクルが早い。
当然長期シリーズ化になると思っていたけど、一年に二度と
いうのは珍しいと思う。

テレ朝の「警視庁捜査一課9係」でも新シリーズになって鑑識課
のメンバーがレギュラーとして登場するようになったけど、
このドラマでも新たに鑑識課に名のある役者がキャスティング
された。ただこのドラマ、あんまり細かい科学捜査に拘りを
持つドラマではないので、鑑識の役割はそう多くはないのかも
知れないな。

ドラマとしては、犯人が直ぐに捕まったし、共犯者は自ら
警察署にやってくるという事で、それ程難しい案件ではなかっ
た。こういっては何だけど、散弾銃による立て籠もり事件と
いうのは、警察官との距離が有るからこそ優位性を発揮出来る
もので、白兵戦になると銃身の長い銃は相当難しいものだと
思う。そういう意味では、捜査一課の高野雄司が強引に踏み
込もうとする流れも強ち間違いではなく、それでも安積に花を
持たせるために交渉させる辺りは、このドラマらしい解決法
だったかもしれない。

これまでのドラマの中で、安積が銃を持つ犯人に手ぶらで
交渉したケースは何度目だろうか。

捜査一課・本庁と所轄の対立の構図は刑事ドラマでは欠かせない
要素だけれど、今後も捜査一課が登場する機会はあるのだろうか。
この辺、設定としてはキャスティングに固定した物が欲しいな
と思う。「相棒」みたいに忘れた頃に登場する様な、ドラマの
中の独自の世界観を発展させて欲しいと思う。

安積の交渉は相変わらず熱く、初回にこのドラマらしさを見せた
所は良かった。
犯人は自分の子供を助けるために、人質にしている親子を犠牲
にしようとしている所に、人間の身勝手さが現れていたね。

それにしても金子課長が大袈裟なヘルメットをして立て籠もり
現場に現れたときにはちょっと笑えた。


安積剛志 …… 佐々木蔵之介 (刑事課強行犯係・係長)
村雨秋彦 …… 中村俊介 (刑事課)
須田三郎 …… 塚地武雅 (刑事課)
水野真帆 …… 黒谷友香 (刑事課)
黒木和也 …… 賀集利樹 (刑事課)
桜井太一郎 …… 山口翔悟 (刑事課)
速水直樹 …… 細川茂樹 (交通課・係長)
金子禄朗 …… 田山涼成 (刑事課長)

安積涼子 …… 渋谷飛鳥 (新人看護師)
山口友紀子 …… 安めぐみ (東報新聞記者)

藤井敏子 …… 多岐川華子 (巡査)
高野雄司 …… 宇梶剛士 (捜査一課)
岸本浩平 …… 岡本健一 (犯人)
小西博人 …… 宮川一朗太 (犯人)
石倉晴夫 …… 唐十郎 (鑑識課)
天野 …… 稲荷卓央 (鑑識課)
沖田江里子 …… 月船さらら (和正の妻)
沖田和正 …… 金井シゲル (東都第一警備勤務)
矢部 …… 佐藤一平 (捜査一課)

児島美ゆき、芦川誠、白石タダシ、新冨重夫
永田恵悟、伊藤桃香、中島徹、平野來夢、井上博吾
引田博子、齊藤映美


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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