ハンチョウ 〜神南署安積班〜
(シーズン3)

脚本/大川俊道(1)(3)(7)、いとう斗士八(2)(8)、安井国穂(4)
石原武龍(5)(6)、岡芳郎(9)(11)、渡邊睦月(10)
演出/村田忍
プロデュース/橋本孝、遠藤正人

http://www.tbs.co.jp/hancho/


第11話 警視庁vs安積班…青酸カリ無差別殺人事件
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クラブ「eggman」で女性が突然倒れる。
店員の中島と田中はすぐに対応するが、既に息はなかった。

すぐに警察が介入し、鑑識の石倉は死因を調べると、アーモンド
臭がすることから青酸性の毒物の可能性が高いという。
話によると女性は常連ではないという。
すぐに被害者の女性が藤井佐智子(30歳)、クラブ"ラビリンス"
のホステスである事が判明する。しかしこんな人目の多い所で
毒殺できる物なのか?

検視の結果、毒物はシアン化カリウムである事が分かる。
酒の中からも検出されていたことから誰かが酒に混入したので
はないかと思われる。先日の新宿のビアガーデン、渋谷のカフェ
でも同様の毒物混入事件が起こっていることから関連性が疑われ
た。そこで本庁の捜査官と合同で捜査が行われることになる。
本庁の刑事は高野雄司警部。以前の立て籠もり事件の一件で
顔合わせしている刑事だった。

高野が現場を取り仕切ることになる。取りあえずクラブにいた
95名を虱潰しに当たれと言う高野。しかし安積たちは、被害者の
身辺ほ当たる事も必要だという。青酸カリは誰にでも簡単に
持ち出せる物ではない事を考えると、その流通経路も調べる
必要があった。

本庁の矢部と黒木、そして本庁の小野寺と水野が組んで捜査に
当たることになる。

藤井の後輩ホステス・朱美に話しを聞く。
彼女とは岡山の同郷で妹みたいに可愛がってくれたという。
藤井は10年この仕事をしているとの事。私生活に於いてトラブル
らしいものは亡かったという。しかし夕べは突然一人でライブ
に行くと言いだした事は不自然だという。彼女は一人でそういう
所に行くタイプでは無いとのこと。彼が居ることは聞いたことが
有るが、その相手が誰なのかは分からないという。
部屋を調査するが、部屋にはCDや雑誌らしきものがなく、確かに
ライブに行くタイプでは無かった。しかも20歳代が集まるライブ
で30歳代の彼女は浮いた存在であるという。しかし部屋を調査
しても男性を特定できる物が一切無かった。
村雨は無差別事件とは別件である可能性が高いと告げる。

そんな中、須田はあることに気がつく。
ニシダ建設の45歳の男性・池波昌三が、藤井が亡くなった日と
同時刻のPM21時頃に自宅マンションで刺殺されていたので有る。
ライブハウスの客にもニシダ建設の社員が居たことに気がつく。
その人物は久保田泉美(27歳)、ニシダ建設で重役秘書を務めて
いるという。
安積は高野に別件の可能性が有ることを示唆するが、高野は
主導権は我々にあるので、指示通りに体を使えと告げる。
安積は所轄は本庁の小間使いではないでは無いとするが、
道具になりきるのが優秀な刑事だとして互いに一歩も引かなか
った。

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クラブで毒殺事件が発生する。
新宿や渋谷でも同様の事件が発生している事から、連続無差別
事件の可能性が有るとして、本庁の刑事と合同捜査が行われる。
しかし本庁と所轄の考え方の違いが、捜査に於いて明らかに
なっていく。

交換殺人の事件は比較的早い段階で想像が出来る物だった。

人は全く怨みのない人物を殺害できる物なのだろうかという
疑問は有るにせよ、所轄の刑事たちの直感や鋭い嗅覚が上手く
事件解決に導いていく所など、本庁との違いが描かれていて
興味深いもの。

どんな刑事物のドラマでも、本庁の刑事と所轄の刑事の葛藤は
描かれるものだが、組織というものと個人というもののどちら
を尊重するかによって、結果に違いが表れてしまう。日本社会
の縮図がこのような対立の構図の中に含まれているのかも知れ
ないが、時に組織の重要性も描かれていくようだと、ドラマと
してはより深い物となると思う。

今回は取り分け、村雨、須田、水野の活躍が目立った。

村雨はいち早く、無差別事件との連続性を否定した人だし、
須田はニシダ建設絡みである事を突きとめた。そして水野は
女性ならではの感性で、被害者の女性とカメラマンの関係を
上手く導き出した。

展開としては捜査官による想像の域を超えていない部分も多か
ったけれど、それらが全て事実である事を証明していくような
流れで、的確に事件の真相を捉えていく優秀な姿が有ったと
思う。


安積剛志 …… 佐々木蔵之介 (刑事課強行犯係・係長)
村雨秋彦 …… 中村俊介 (刑事課)
須田三郎 …… 塚地武雅 (刑事課)
水野真帆 …… 黒谷友香 (刑事課)
黒木和也 …… 賀集利樹 (刑事課)
桜井太一郎 …… 山口翔悟 (刑事課)
速水直樹 …… 細川茂樹 (交通課・係長)
金子禄朗 …… 田山涼成 (刑事課長)

安積涼子 …… 渋谷飛鳥 (看護師)
山口友紀子 …… 安めぐみ (東報新聞記者)
石倉晴夫 …… 唐十郎 (鑑識課)
天野 …… 稲荷卓央 (鑑識課)

高野雄司 …… 宇梶剛士 (本庁刑事・警部)
久保田泉美 …… 高橋かおり (27歳、ニシダ建設秘書)
藤井佐智子 …… 東山麻美 (30歳、クラブ「ラビリンス」ホステス)
宇田川秀彦 …… 柳憂怜 (35歳、プロカメラマン)
中島浩幸 …… 林剛史 (ライブハウス「eggman」店員)
豊川 …… 勝也 (容疑者)
市原 …… 遠山俊也 (ニシダ建設社員)
朱美 …… 黒坂真美 (藤井佐智子の後輩、同郷)
矢部 …… 佐藤一平 (本庁刑事・高野の部下)
小野寺 …… 古澤蓮 (本庁刑事・高野の部下)
田中 …… 笠原紳司 (ライブハウス店員)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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