ジョーカー 許されざる捜査官
(2010年7月期・フジ火曜21時枠)

脚本:武藤将吾
音楽:井筒昭雄
企画:立松嗣章、太田大
プロデューサー:稲田秀樹、永井麗子
演出:土方政人、都築淳一、石川純一

http://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.html 


第3話 偽装されたストーカー殺人
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伊達は容疑者の春日恒夫が法律的に裁けないと分かると、自ら
正義の鉄槌を食らわせようとして現場へとやってくる。そこで
銃で処分しようとするところを久遠によって見られてしまう。
伊達は銃殺したのではなく、麻酔弾を撃ったのだった。久遠は
こんな奴を活かしてどうするのかと問い、オレも一緒に手伝う
という。しかし伊達はオレと君は違うとして、彼を殴って気絶
させる。

20年前(1990年)、刑事だった三上は施設で生活する伊達に逢いに
来る。伊達は様子を見に来なくても良いと告げ、オレは普通では
無く壊れた居るのだと語る。三上はヤクザは一命を取り留めた
事を告げ、責任を感じる必要はないことを訴える。

伊達は三上のバーで飲む。そこには冴子も来ていて、神隠し
事件について調べていた。鶴見雑誌記者変死事件の被疑者の
吉川幸典や東鎌倉放火殺人事件の被疑者・寺井貴志の事件が
マスコミに公表されていない事を突きとめていた。
そんな中、久遠はあすかと共に店にやってくる。春日に捜索願
が出たことを告げ、これもまた神隠し事件ではないかと告げる。
一方あすかは、宮城夏樹の妹だと知り、冴子は彼女の中に彼の
面影を感じる。かつて伊達と夏樹で冴子を取り合った事を聞く。

そんな中、新たに事件が起こる。
マンションの一室で、サキヤマ商事に勤めるOLの内海晴香(25)
と無職の猪俣政典(26)が無理心中して亡くなっているのが発見
されたのである。猪股が内海のクビを締めて殺害し、自分は
青酸カリを飲んで服毒自殺したのだろうとの事だった。
第一発見者は内海の婚約者の山原哲司だった。彼によると猪股
は彼女の元彼で別れてからずっとストーカーをしていたのだと
いう。

鑑識が事件のシミョレーションをはじき出し被害者たちの当日
の行動を描き出す。。
PM2:00に山原が内海の部屋を訪れる。PM5:00に山原は同窓会の
為に部屋を出て行く。その後内海がメールで猪股を呼び出す。
PM9:00内海が絞殺される。PM10:00後追い自殺、AM3:00帰宅した
山原が二人の遺体を見つけて通報する。
伊達は何故猪股が青酸カリを持って部屋に来たのか?と疑う。

内海は確かに地元の警察署である中原西署にストーカー被害を
訴え出ている事が分かる。

猪股の押収品を調べると、内海のゴミを漁っているであろう事
が伺える。盗撮していたであろうテープが多数出てくる。
しかし疑問なのは内海の身体中に多数のアザが有ったこと。
そして盗撮のテープは一ヶ月前を最後に記録が無くなっている
事だった。

伊達は内海の両親、父・雄彦と小百合の自宅を訪ねる。
しかし雄彦はストーカー被害を相談したときに、警察が動かな
かったのが悪いとして憤怒する。たまたまそこに居た山原が
対応し、既に被疑者死亡で捜査が終了しているのならば、これ
以上関わらないで欲しいと頼む。
山原と内海は昨年の暮れに友人に紹介されて出逢ったという。
アザは猪股が付けていたモノで、一週間前にもカミソリの刃が
封筒に入れられ送られてきたことを知る。

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内海晴香が、元彼・猪股によって無理心中を図られ亡くなる。
しかし彼女の体に付けられたアザは最近付けられたものである
事が判明し、猪股が一ヶ月前から彼女に対するストーキングを
辞めている事を知り、容疑は一気に第一発見者で婚約者の
山原に向けられる。しかし彼には完璧なアリバイが存在して
いるのだった。

アリバイ偽装事件という割りには、アリバイを崩したときの
爽快感が少々失われている。それも断熱素材であるというカー
テンの件が見つからなかったという事で、想像の息を超えてお
らず、明確なものが存在しない為のもの。ただこれで物証が出て
しまうと、刑事事件として法が裁きを下す結末になってしまう
ので、仕方がない部分なのかも知れない。

ドラマとして盛り上がったのは、やはり久遠健志という存在
だった。「ラスト・フレンズ」の及川宗佑役を演じた錦戸亮くん
らしいちょっと性格がねじ曲がった感じの猟奇さと、意地の悪さ
みたいなものが、彼の真意を上手くカモフラージュしていた。

被疑者をより憎しみ被害者を哀れむ為に、被害者の家庭の物語
が上手く機能し、死者の声を伝えるのかの如く、伊達が生前の
被害者の言葉を伝える所など、面白い造りだったと思う。

色々と過去の事件が絡んできたり、神隠しの事件を追及する
流れがあったり、目の前で起きる事件が存在すると言うことで
とても忙しい内容ではあるが、とても整然としていて、ドラマ
としても纏まりが有る。

あすかの兄・夏樹が殺害された事件に於いて、井筒将明が当時の
容疑者として上がっていたという事実は、今後の伏線として興味
深く存在していると思う。


伊達一義 …… 堺雅人 (捜査一課・警部)
久遠健志 …… 錦戸亮 (鑑識課・巡査部長)
宮城あすか …… 杏 (捜査一課・警部補・キャリア組)
来栖淳之介 …… 平山浩行 (捜査一課・警部補)
片桐冴子 …… りょう (ルポライター・元刑事)
三上国治 …… 大杉蓮 (バーの店主)
井筒将明 …… 鹿賀丈史 (捜査一課・課長・警視正)

灘木 …… 斎藤歩 (伊達の両親を殺した?)
堀田輝生 …… 土屋裕一 (捜査一課)
永岡卓也 …… 轟泰樹 (捜査一課)
武本寛治 …… 井上正大 (鑑識)
溝口喜一 …… 佐伯新 (鑑識)
滝川美菜 …… 鈴木凜 (県警捜査一課・庶務)
弘毅 …… 山本修 (伊達の父)
光代 …… 千咲としえ (伊達の母)
少年期の伊達 …… 今井悠貴

竹島正義、越智俊光、赤丸正幸、安藤広郎

春日恒夫 …… 鈴木浩介 (容疑者)
山原哲司 …… 黄川田将也 (私立嘉陽高校・科学教師)
内海晴香 …… 重廣礼香 (サキヤマ商事OL、キャバクラでバイト)
猪俣政典 …… 中村邦晃 (ストーカー)
内海雄彦 …… 市川勇 (父、手術が必要)
内海小百合 …… 大塚良重 (母)
琴美 …… 斉藤リナ (生徒、ご褒美はジュース)

井之脇海、井上浩

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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