ジョーカー 許されざる捜査官
(2010年7月期・フジ火曜21時枠)

脚本:武藤将吾
音楽:井筒昭雄
企画:立松嗣章、太田大
プロデューサー:稲田秀樹、永井麗子
演出:土方政人、都築淳一、石川純一

http://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.html 


第4話 無差別殺人に隠されたナゾ
--------------------------------------------------------
伊達は久遠に全てを知られてしまい、仕方なく三上の居る場所
へと連れて行く。こんな奴を勝手に引き入れて・・と三上は
憤怒するが、伊達は久遠が昔の自分に似ていた事を告げる。
しかし三上は人が増えるのはリスクも増えることだと告げる。
誰も巻き込みたくなかったという伊達は、こんな思いをするのは
自分一人で十分だと呟く。

そんな中、2年前の横浜の繁華街で死者5名、重傷者6名を出した
殺人犯・椎名高弘の裁判が行われ、心神喪失で無罪判決が言い
渡される。それを見ていたのは遺族たちだけでなく、当時所轄
に居た頃に担当していた来栖も注意深く見守っていたが、無罪
判決にやりきれない思いになる。

久遠は無差別殺人事件を再現してみる。
すると被害にあった女子高生・皆瀬桃子だけは、何故かナイフ
で三回刺されているのである。何としてでも仕留めたかったで
あろう事が伺え、その目的を隠すために他の人を襲ったのでは
ないかという。被害者と椎名が顔見知りであるならば、動機も
出てくるとするが、一事不再理によって罪には問うことが出来
無い。まさに法から逃れた犯罪者だと呟く。

伊達は早速井筒の元を訪れ、休暇届を出す。三日間だけ許され
る事になった。
バーに行く伊達は、そこで冴子に休暇を取ったことを告げ、
一緒に過ごしてくれないかと頼む。しかし伊達の目的は休暇
中には警察バッヂが使えないために、冴子の肩書きを利用したい
だけだと分かる。

早速、殺された桃子の父・士郎から話しを聞きに行く。
士郎の妻は10年前に亡くなり、一人で娘を育ててきたという。
桃子が椎名の事を知っていた可能性はないか?と尋ねるが、
それは無いのではないかという。部屋を見せて貰う伊達と冴子。
冴子は精神鑑定はそんなに簡単にかいくぐれる物ではないと
告げる。
部屋に有った写真やギターケースから、桃子がバンド活動を
していた事が判明する。士郎もバンドでギターを担当していた
事もありその影響だろうとの事。事件の三日後に知り合いの
ライブハウス"ムーブ"で演奏することになっており、士郎は
密かにチケットを購入していたという。

椎名との接点は見つからなかった。被害者の携帯電話を調べて
いない事が分かり調べる。すると柏木奈美という友人と意味深
なメールをしていた形跡が有った。

奈美から話しを聞くが、当時のことは殆ど覚えていないという。
奈美の働く職場の防犯カメラを見せて貰う事に。
事件から二ヶ月分の映像を遡って調べていると、警察が踏み込
んでくるシーンが有った。何があったのか尋ねると、高校生が
タバコを吸っているという通報を受けて、警察官が取り調べ
に来たという。その映像は分かりづらかったが、椎名であろう
事が疑われる。更に映像の中で、桃子は誰かと会話しているの
を見る。奈美から話しを聞くと、確か父親が来たのだという。

士郎から話しを聞くと、あの日は急に雨が降ってきたので傘を
届けに来たという。士郎が警察を呼んで高校生が検挙されていた
事を知る。調べていくと進学校に居た椎名はこの件で退学に
なっていた事を知る。

--------------------------------------------------------

2年前の無差別連続殺人事件は心身喪失で無罪判決が出る中、
違和感を覚えた伊達や久遠は、犯人と被害者の接点を探って
行く。
被害者の父親への仕返しだと判明する中、一事不再理によって
法では裁けない事で、彼らが変わりに裁いていく。

伊達が容疑者を裁いていく辺りのシーケンスには何ら意外性も
無いのだけど、被害者に生きる希望を与えるために、死者から
の声を伝えていく辺りの展開は、作り物色が強かったけど、
男親ならば泣ける所だろうね。

久遠が参入したことでどうなるかと思ったけど、取りあえず
は無難に仕事をこなした。まだまだ感情的に制御できるような
人物ではないために、何処かでボロを出す可能性が高いけど、
その辺はまだまだ後のことかな。

伊達が心神喪失している相手から、駆け引きによって上手く
仮面を剥いでいく所も、伊達の冷静沈着さが現れていてよく
描かれていた。

伊達が仕事をこなしていく上で視聴者の違和感を払拭するため
に、犯人に課した鬼畜さ加減も上手く現れていたし、ここまで
するかという暴走した犯人像は、誰の目に見ても伊達を後押し
したくなるというもの。

井筒の存在が、伊達側にとって吉と出るのか凶と出るのか。
そして精神鑑定によって、容疑者を無罪へと導いた警察内部
の人間、又は検察や法曹界の人間は一体誰なのか。

冴子が随分伊達に近い位置にいる事によってスリルな感じが
出ているけど、案外彼女も味方に付けたりしないのかな。


伊達一義 …… 堺雅人 (捜査一課・警部)
久遠健志 …… 錦戸亮 (鑑識課・巡査部長)
宮城あすか …… 杏 (捜査一課・警部補・キャリア組)
来栖淳之介 …… 平山浩行 (捜査一課・警部補)
片桐冴子 …… りょう (ルポライター・元刑事)
三上国治 …… 大杉蓮 (バーの店主)
井筒将明 …… 鹿賀丈史 (捜査一課・課長・警視正)

灘木 …… 斎藤歩 (伊達の両親を殺した?)
堀田輝生 …… 土屋裕一 (捜査一課)
轟泰樹 …… 永岡卓也 (捜査一課)
武本寛治 …… 井上正大 (鑑識)
溝口喜一 …… 佐伯新 (鑑識)
滝川美菜 …… 鈴木凜 (県警捜査一課・庶務)
弘毅 …… 山本修 (伊達の父)
光代 …… 千咲としえ (伊達の母)
少年期の伊達 …… 今井悠貴

竹島正義、越智俊光、赤丸正幸、安藤広郎

皆瀬士郎 …… 甲本雅裕 (遺族、父)
椎名高弘 …… 窪田正孝 (殺人犯、心神喪失か?)
皆瀬桃子 …… 金澤美穂 (被害者の女子高生)
柏木奈美 …… 近藤未来 (桃子の友人)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system