ジョーカー 許されざる捜査官
(2010年7月期・フジ火曜21時枠)

脚本:武藤将吾
音楽:井筒昭雄
企画:立松嗣章、太田大
プロデューサー:稲田秀樹、永井麗子
演出:土方政人、都築淳一、石川純一

http://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.html 


第5話 金の亡者…女弁護士の非情
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一週間の謹慎が開けた伊達は、椎名高弘がどうして心神喪失を
装えたのか、調書を見ながら考える。担当弁護士は氷川成美。
精神鑑定人は幸田弘道(52歳)。

そんな中、大黒埠頭に停車していた車中から三人の遺体が発見
される。練炭を使った一家心中。被害者は西條兼生(43歳)、
妻・草子(39歳)、娘・萌奈(13歳)。車の中には遺書があり、
何故家族を失った私達が責められなければならないのかと書か
れていた。彼らは関内駅で起きた高校生殺人事件の被害者遺族
で、イジメがエスカレートしてホームから突き落とされて殺害
されたものだったが、雑誌には被害者家族に問題が有るとして、
父親のギャンブル、母親の不倫、娘の出会い系の事を指摘して
いた。しかしどうしてここまで追いつめられていたのか。

ことの発端は人権派弁護士だとされる加害者弁護士の氷川成美
が裁判の時にそんな家族の有らぬ姿を指摘し、家族が被害者と
向き合っていれば止められたかもしれない事を発言した事で、
一気に責任の非は遺族に向けられていたのである。

冴子は井筒の元に行くと、今日は宣戦布告に来たことを語る。
これ以上神隠しの件を神のせいにはしておけず、本格的に追い
掛けると告げる。

一方この事件でも氷川弁護士が担当していたことを知り、事情
を聞きに行く。氷川は裁判の場で、家族には裏で抱えていた
問題が有ったのではないかと尋問しただけだと告げ、非が有る
と思うならばきちんとした形で立証してほしいと告げる。
鑑定人の幸田は自分が最も信頼している鑑定人である事を告げる。

果たして女弁護人がマスコミにあらぬ事をリークしていたのか?
そんな鑑定人である幸田も行方不明であることを知る。

伊達たちは幸田の妻・京香に会いに行く。
夫が何か恨まれる事に心当たりはないか?と尋ねると、寡黙で
頑固な人だったので誤解されることもあるかも知れないが、
仕事熱心で正義感に熱い人だったという。部屋には趣味だという
写真が多数飾られていたが、全ては妻の写真で夫の写真が無い
事に気がつく。悩んでいる様子はなかったか尋ねると、確かに
最近様子が変だったという。"とんでもない過ちを犯した"と
呟いていたとの事。

更に幸田家には3歳の時に亡くした息子の伊吹の写真があった。
部屋を調べていくと金庫があり、久遠の力を使って金庫を開ける。
すると中には妻宛の遺書のようなものが入っていた。偽って
鑑定したことを綴ったもの。しかし遺書が金庫の中に入ってい
る事は、まだ生きている可能性が高いという。
そんな中、通帳の流れを追っていると、氷川から6月23日に
500万円が振り込まれており、同日に柿原沙世の口座に振り込
まれて居ることを知る。

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伊達は無差別殺人犯・椎名高弘の言葉の意味が気になり、どの
様にして心神喪失を装えたのか調べていく中で、新たに発生
した事件に於いても、弁護士の氷川成美が関わっているのを
知る。果たして法を扱う弁護士が、不正に関わっているのか?

どうしても物証が少ないので、犯罪に関しては法で裁くことの
出来無い被疑者の証言頼みになっている所が、少々心細く
説得力に乏しくなっている部分である。

常に氷川もきちんとした立証責任を求めてくるけれど、その辺
の行動が何一つ行われていない中で、決め撃ちとばかりに
彼女を狙っていくのも、やや安易な事件のまとめ方かなと思う。

一応今回の事件は二週に渡っている部分も有るけれど、思い
切って次週も続けて、もう少し彼女がマスコミに嘘をリーク
している流れとか、人物関係を洗いざらい描き出すシーンなども
欲しいもの。

ただ彼女が本当に嘘を流布しているのならば、立証は出来そう
な気がするんだけどね。

さて今回は、そんな流れとは別に、夏樹の殺されたときの様子
が描かれたり、冴子が宣戦布告する流れがあったことで、
やりたい放題だった神隠し隊にも、リスク性がより高まってくる。

そのリスクは伊達たちだけに非ず、冴子側にも踏み込みすぎる
事でのリスクは大いに存在するので、どちらが先にやられるか
という事になっていくのかな。


伊達一義 …… 堺雅人 (捜査一課・警部)
久遠健志 …… 錦戸亮 (鑑識課・巡査部長)
宮城あすか …… 杏 (捜査一課・警部補・キャリア組)
来栖淳之介 …… 平山浩行 (捜査一課・警部補)
片桐冴子 …… りょう (ルポライター・元刑事)
三上国治 …… 大杉蓮 (バーの店主)
井筒将明 …… 鹿賀丈史 (捜査一課・課長・警視正)

堀田輝生 …… 土屋裕一 (捜査一課)
轟泰樹 …… 永岡卓也 (捜査一課)
武本寛治 …… 井上正大 (鑑識)
溝口喜一 …… 佐伯新 (鑑識)
滝川美菜 …… 鈴木凜 (県警捜査一課・庶務)
宮城夏樹 …… 丸山智己 (あすかの兄、殉職)

竹島正義、越智俊光、赤丸正幸、安藤広郎

氷川成美 …… 鈴木砂羽 (弁護士)
幸田弘道 …… 小須田康人 (鑑定人)
幸田京香 …… 春木みさよ (妻)
柿原沙世 …… 菅原禄弥 (美人局)

鳥木元博、野村修一、後藤健


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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