ジョーカー 許されざる捜査官
(2010年7月期・フジ火曜21時枠)

脚本:武藤将吾
音楽:井筒昭雄
企画:立松嗣章、太田大
プロデューサー:稲田秀樹、永井麗子
演出:土方政人、都築淳一、石川純一

http://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.html 


第7話 模倣犯現る…間違った正義
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三上がマスターを務める喫茶店に井筒がやってくる。そこには
伊達もいて、夏樹事件のことについて井筒は語り始める。
夏樹が殺害されたときに自分は容疑者の一人だったが、伊達が
アリバイを偽装してくれたお陰で容疑は晴れたという。しかし
それは庇うためのものではなく、泳がせるためのものだろう
との事。パクられたら何故夏樹が三上の事を追い掛けていたのか
分からなくなるからだと告げる。
井筒は伊達に当時のアリバイだとして、詳細の書かれたものを
伊達に渡す。今更パクられたくないという井筒。

一方一人の男・武山康治が殺害される。オレオレ詐欺の犯人で
もうすぐ検挙できる予定だった容疑者であるが、直前に銃殺
され、殺害現場には"悪人に制裁を"と書かれた紙が置かれて
いた。神隠し事件の犯人と同一人物なのか?今まで遺体が見つか
った事が無かったが、これは発見を予測した行為であるという。

伊達と久遠はこの事件について語り合う。これが模倣犯だと
したら、神隠しの件は世間に公表されていない事件なので、
容疑者は警察の関係者だろうという。法の裁きと関係なく人を
殺すなんてと考えられない事だった。

そんな中、新たな事件が発生する。
港北区の線路脇で遺体が発見されたのである。被害者は根津
健太(27歳)。マーベストコーポレーションの会社員。後頭部を
殴打された事による出血死で、財布からは現金が抜き取られて
いた。そこに所轄刑事の日向光明と吉住武徳が捜査に加わる。
ポケットを見ると何かを抜き取ったような跡が見つかる。

被害者の当時の足取りを調べると5時30分に会社を出て、6時
15分にベビー用品売り場で買い物。8時10分に襲われたという。
発見は人通りの少ない所なので翌朝になった。
遺体の爪には当時争ったと思われる皮膚片が見つかる。

署に戻ると伊達は日向と組むことになる。
一方冴子は伊達の元に会いに来ると、伊達に対して夏樹の事件
で嘘を付いたでしょうと告げる。伊達は井筒から預かった当時
の捜査資料を手渡す。

被害者の妻である美代子から事情を聞きに行く。
彼は会社で悩みを抱えていたようで、日向は家のFAXの電源が
抜き取られている事に気がつく。何か書面が送られてきたのか?
すると美代子は脅迫を示唆するFAXが度々送られてきており、
会社に流されたくなければ金を渡せと要求されたという。しかも
それは被害者の弟・忠士であることを聞く。元暴走族の忠士の
事を兄の健太は面倒をみていたが、自立させるためにわざと彼
を遠ざけたことで、金を貸すよう毎晩のように電話がかかって
きたという。日向は美代子に旦那を殺害したものを殺したい
と思うか?と尋ねると、素直に同意する。

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遺族の苦しみを肩代わりし、処刑をする人物が伊達意外にも
現れる。法で裁けるものに関しては法に従う伊達のやり方と
は違い、法の裁きでは刑が軽すぎるとして、自ら裁判官のように
裁量を探り処罰を行うもの。そんなやり方をするものに、伊達
は正義の鉄槌を食らわせようとするが・・・

ある枝葉の段階までは二人の処刑人たちにとって同じ物が流れて
いて、精神的に共通する部分がある。
しかし正義感を盾にした自分を満足させるためのエゴがその中に
は同居していて、犯罪者と見るや目の色を変えて銃を発砲する
は猟奇的に映るところ。

どちらも結局の所、法から外れた行為であるので、判断には
難しい所では有る。

ドラマとしては、あすかの兄・夏樹の件もようやく動き始めた
中での偽物の登場に、一方では伊達らの存在意義を示すために
とても面白い演出ではあるのだけど、一方ではやや遠回りに
なってしまった感じもする。

伊達らは有る程度気を使って必殺仕事人を繰り返しているのに
対して、日向にはまさにアピール性が強く、ヒーロー願望が
有るような人たちなのだろうね。
ただ伊達らも最近署内で仕事の話をするようになったし、今回は
あすかに話しを聞かれそうになった所を見ると、もうちょっと
完璧にその存在を隠すべき必要があるのではないかと思ってし
まう。日向たちにもわざわざ自分たちが仕事人である事を語る
必要もなかったしね。

どうしても忍成修吾くんが出演していると言うことで、犯行を
犯しているのが彼であるハズだと感じるのはドラマ好きの人の
共通するところで、ドラマ界も固定化したキャラクターの使い
回しはもう少し気を使った方が良いのかも知れない。


伊達一義 …… 堺雅人 (捜査一課・警部)
久遠健志 …… 錦戸亮 (鑑識課・巡査部長)
宮城あすか …… 杏 (捜査一課・警部補・キャリア組)
来栖淳之介 …… 平山浩行 (捜査一課・警部補)
片桐冴子 …… りょう (ルポライター・元刑事)
三上国治 …… 大杉蓮 (バーの店主)
井筒将明 …… 鹿賀丈史 (捜査一課・課長・警視正)

堀田輝生 …… 土屋裕一 (捜査一課)
轟泰樹 …… 永岡卓也 (捜査一課)
武本寛治 …… 井上正大 (鑑識)
溝口喜一 …… 佐伯新 (鑑識)
滝川美菜 …… 鈴木凜 (県警捜査一課・庶務)
宮城夏樹 …… 丸山智己 (あすかの兄、殉職)

竹島正義、越智俊光、赤丸正幸、安藤広郎

日向光明 …… 忍成修吾 (港北西署刑事課巡査部長)
吉住武徳 …… 飯田基祐 (港北西署刑事課)
根津健太 …… 山中崇 (マーベストコーポレーション社員)
根津美代子 …… 尾野真千子 (健太の妻)
根津忠士 …… 遠藤要 (健太の弟)
江原 …… 水野智則 (健太の上司)

上野山浩


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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