怪物くん
(2010年4月期・日テレ土21時枠)

チーフプロデューサー - 櫨山裕子
プロデューサー - 池田健司
脚本 - 西田征史
演出 - 中島悟、狩山俊輔、石尾純

http://www.ntv.co.jp/kaibutsukun/


第9話 人間最高!王子パワー解放
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デモキンによって大王は石にされる。
完全に石にされる直前に、大王は王子に対して何としてでも
食い止めろと言う。その方法はお前が答えを知っているという
のである。
三人の従者たちは、大王を戻す方法を爺やに尋ねるが分からな
いという。デモキンは魔王石を持って必ず怪物ランドに攻め込
んでくるだろうとの事。
怪物くんは、友達パワーで何とかならないのかと告げるが、
三人の怪物たちは、これまで友情パワーだとしていたのは嘘で
有り、近くに魔王石が有ったことを告げる。
怪物くんはそれでもデモキンの元に行くと言い出す。

いざデモキンの元に行くと、三人の従者はデモキンに対して
調子に乗るのもこれまでだというが、肝心の怪物くんはデモキン
の前で早々に降参することを告げる。戦いを辞めて仲良くしよう
というのである。それを受けてデモキンは、怪物くんを捕らえ
三人の従者たちに、降伏したことを怪物ランドの民たちに伝える
様告げる。
デモキンは怪物くんに対して運命を託すという。
怪物界と人間界の内、どちらか助けるという。しかし選ばれ
無かった方を滅ぼすとのこと。
デモリーナは何故そんなことをするのかとデモキンに尋ねると
選択したことで自責の念に何万年も苦しめられることになる
だろうとの事だった。

デモリーナは笛を吹く。
すると子供たちが学校へと集まってくる。デモキンは欲にまみ
れた大人にはない子供の純粋さを使って、洗脳して悪魔として
蘇らせる事を計画していた。
怪物くんは集められた子供たちの前に連れてこられる。
デモキンは子供たちの前で、力は欲しくないかと尋ね、この男
のように弱くなっても良いのかと訴える。力なき弱者の行く末で
人間は心も体も弱くて愚かな存在だという。弱いが故に醜い争い
を続ける事を指摘し、そんな人間として生きるよりも悪魔として
産まれた方が良くないかと告げる。
子供の中に紛れていたヒロシも、ボクは強くなりたいと告げ、
怪物くんのことを弱虫だと告げる。

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デモキンに魔王石を奪われ、更には大王が石にされてしまった
事で絶体絶命の中、怪物くんが取った行動は、降伏して自分の
身を守ることだった。そんな怪物くんの目の前で起こる惨劇の
中で、みな他人を守るために行動していることに違和感を覚え
ていく。

デモリーナがドラマとしてのキーマンになるだろうと思ってい
たけど、デモキンを蘇らせれば当然こうなる展開は分かって
いたのではないかという気がしないでもない。
人間を憎む彼女も、目の前で人間が滅ぼされていく現実にどう
感じていくのか。

他人への気遣いや自己犠牲の精神は、人間ならではの特権と
いう気もするが、怪物もそれに習うという事への不思議な
感覚に包まれる内容だった。

人間は馬鹿な生き物だとする悪魔だが、怪物くんにとっては
教わることの多い存在という事で、人間界に肩入れしていく。
人間というものを外側から見て、争うことの醜さとか欲望に
支配されている現実を皮肉るものの、最終的には人間の良さ
を導き出して、愛おしい存在のように描く辺りは、ドラマの
良さかも知れない。

正直このドラマは、出オチ感の強いものなので、怪物たちの
行動の習性なり性格に慣れてくると、やや退屈さを感じる
部分も有ったが、ドラマとしては面白い試みだったと思う。

どの怪物もなかなかの味があったし、それぞれのキャラクター
は個性が出ていて面白かった。


怪物くん …… 大野智
怪物大王 …… 鹿賀丈史
ドラキュラ …… 八嶋智人
オオカミ男 …… 上島竜兵
フランケン …… チェ・ホンマン
爺や …… 半海一晃

デモキン …… 松岡昌宏(TOKIO)
デモリーナ …… 稲森いずみ (人間名:高杉よし江)
市川ウタコ …… 川島海荷
市川ヒロシ …… 濱田龍臣
警察官 …… 三宅弘城

松本潤

田川涼、上田瑠星、阿部圭吾、松本頼、大嶋康太、柏木裕貴
中村咲哉、ヨシダ朝、累央


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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